次世代型路面電車(LRT)のJR宇都宮駅西口側路線について、宇都宮市が12の停留場の配置イメージを公表した。県庁や宇都宮地裁の近くを通り、県教育会館付近までを結ぶ。今後は詳細な位置などについて検討を進める。昨年夏に開業した東口側路線については、春のダイヤ改定で快速運転を導入するとともに、普通運転でも所要時間を短縮させることを明らかにした。 1日の市議会議員協議会で市側が説明した。停留場はいずれも仮称で、「JR宇都宮駅西口」から「馬場町」「東武宇都宮駅前」などを通り、「教育会館前」までを整備する。 多くの利用者が見込まれる場所であることに加え、それぞれの停留場どうしの距離を考慮したという。路線バスなどに乗り換えができる「トランジットセンター」は「JR宇都宮駅西口」付近と「桜通り十文字」付近で検討している。 東口側路線と西口側路線は直… この記事は有料記事です。残り744文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
司馬遼太郎の未公開書簡を初公開 18日まで 終戦を迎えた佐野で
作家司馬遼太郎さん(1923~96)の命日(2月12日)である「菜の花忌」にあわせ、栃木県佐野市郷土博物館で10~18日、司馬さんの自筆のはがき2枚が初公開される(火曜休館)。佐野は、司馬さんが太平洋戦争の終戦前後、戦車隊の小隊長として過ごしたゆかりの地でもある。 はがきの日付は91年6月と93年4月。当時市教委にいた出居博さん(64)=現・市民文化振興事業団事務局長=が司馬さんに講演を依頼したことへの返書だ。 「講演はしないことを原則にくらしています」と2通とも断りの内容ながら、「佐野にはいつか訪ねたいと思います」「そのときはひとりであちこちを歩くことになりましょう」と再訪したい旨が書かれていた。 少尉だった司馬さんは旧陸軍戦車第1連隊の小隊長として従軍していた。45年春、駐屯していた旧満州牡丹江省寧安県(現・黒竜江省牡丹江市)から、東京防衛に備えるため、佐野に移駐した。 所属していた第5中隊は植野国民学校(現・植野小学校)に駐屯した。千葉県の九十九里浜などから上陸する連合軍を迎え撃つのが目的だった。 妻の故・みどりさんから「申し訳ないと、丁寧な電話」 当時の思い出を「下野の佐野… この記事は有料記事です。残り631文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ロマンシング「佐賀」10年の冒険 スクエニとのコラボ、なぜ続いた
多くの人気ゲームを世に出してきたスクウェア・エニックス社(スクエニ)が佐賀県とコラボして、今年で10年を迎える。人気ゲーム「ロマンシング・サガ」とかけた「ロマンシング佐賀(ロマ佐賀)」。なぜここまで続けてきたのか。スクエニのプロデューサー、市川雅統さん(46)に聞いた。 「サガ」と「佐賀」、最初はだじゃれ 「『佐賀と組んだらおもしろいんじゃない?』というアイデアが出たんです。だじゃれです、単純に」 「サガ」シリーズのプロデューサーである市川さんは、2014年に「ロマ佐賀」の企画が始まった当初のことをそう語る。「ロマ佐賀」は、ゲームの世界を飛び出し、現実世界で佐賀県とスクエニが共同で企画するイベントだ。 モンスターとバトルしながら冒険する人気のロールプレイングゲーム「サガ」シリーズは、この年で25周年を迎えていた。それにあわせ、新たな企画を打ち出したいと開いた会議の中で、佐賀とのコラボ案が生まれたという。 スクエニ側の提案に県も応じ、14年3月、東京・六本木でイベントが開かれ、キャラクターの絵が入った有田焼の皿などが展示された。翌年からは主な舞台を佐賀に移し、毎年イベントを開催。昨年12月に始まった今年度のイベントでは、吉野ケ里歴史公園内をクイズを解きながらまわるなど佐賀各地を「冒険」してもらう仕掛けがさまざまある。 ゲームのプロデューサーである市川さんが記者に語ってくれたのは、この10年、コラボを通して交流してきた佐賀の人々への思いでした。記事後半で市川さんの言葉を紹介します。 佐賀の魅力「もっと自慢していい」 コラボを機に、市川さん自身… この記事は有料記事です。残り2055文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
警察犬ヴィクトール、元日出動で命救う 人気のない雑木林をクンクン
杉山あかり2024年2月11日 9時10分 元日に行方不明の男性を発見したとして、兵庫県警加古川署は9日、鑑識課の警察犬でジャーマン・シェパードのオス、ヴィクトール・フォン・マイン・リーベ号(3歳)に感謝状とビーフジャーキーを贈った。 加古川署によると、1月1日午後7時10分ごろ、「夫が行方不明になった」と妻から署に通報があった。加古川市内の80代の男性が、自宅から靴下のままいなくなったという。 午後8時、ヴィクトールが捜索を開始。男性のくつのにおいを嗅ぎ、男性宅周辺の住宅街を捜した。 男性宅から約100メートル離れた雑木林の近くで、ヴィクトールは急に立ち止まった。外側から雑木林をライトで照らしても、人の姿はない。しかしヴィクトールは雑木林を見つめ、鼻を上向きにして、漂うにおいを嗅いでいるようだった。 「まさかな」。ペアを組む鑑識課警察犬係員の椎谷剛巡査部長(36)は思ったが、雑木林の中を改めて調べた。午後8時半、林の中を20メートルほど入ったところで、座り込んでいた男性を発見した。けがはなかった。男性は認知症を患っていたという。 ヴィクトールについて、椎谷さんは「出動現場ではスマートだが、慣れた人には甘えたがり」。警戒心が強く慎重な性格で、そのぶん音や匂いに敏感という。 出動したのは能登半島地震の発生直後。椎谷さんは「今できることをやろうと思った。今回もスマートに見つけてくれた」とヴィクトールをねぎらった。(杉山あかり) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ダンプ積み荷のコンクリ片散乱、対向車線の車に当たり1人死亡 愛知
2024年2月11日 9時41分 愛知県半田市深谷町の知多半島道路半田中央ジャンクション付近で10日午後4時25分ごろ、下り線を走っていたダンプカーが中央分離帯に衝突した。事故の衝撃で積み荷の砂利やコンクリート片が周囲に散乱し、上り線の普通乗用車にぶつかり、乗用車を運転していた40代とみられる男性が搬送先の病院で約4時間後に死亡した。 県警は、ダンプカー運転手でアルバイトの伊藤守容疑者(45)=愛知県一宮市浅井町=を自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致傷)の疑いで現行犯逮捕した。容疑を認めているといい、容疑を同致死に切り替えて事故原因などを調べる。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
声を震わせる被災者に先輩が見せた姿 能登で学んだ保健師の原点
能登半島地震の被災地では、大阪府内から派遣された保健師たちも活動している。山本啓代さん(35)は現地の悲惨な状況に戸惑いつつも、自宅避難者のケアなどに取り組んだ。ともに活動した先輩の背中からは、苦しむ人たちへの寄り添い方や、保健師としてあるべき姿勢を学んだ。 山本さんが石川県輪島市に入ったのは1月18日から5日間。同じく保健師の福村和美さん(56)や薬剤師、調整役の府職員計4人からなる「公衆衛生チーム」として活動した。 チームは市内の避難所3カ所や、自宅避難者の家を1日あたり5、6軒訪問。高齢者の健康確認や、石油ストーブで高まる室内の一酸化炭素濃度への注意喚起といった生活環境の改善に携わった。 初の被災地 頭をよぎる不安 山本さんは、被災地で活動す… この記事は有料記事です。残り905文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません 能登半島地震 1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする強い地震があり、石川県志賀町で震度7を観測しました。被害状況を伝える最新ニュースや、地震への備えなどの情報をお届けします。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
鉄骨の重さ、計算ミス 大林組が警視庁に伝達 東京駅前5人死傷事故
独自 有料記事 増山祐史 遠藤美波 長妻昭明2024年2月11日 6時00分 JR東京駅近くのビル建設現場で昨年9月、鉄骨が落下して作業員5人が死傷した事故で、施工した大林組が「鉄骨の重さの計算に誤りがあった」と警視庁に伝えたことが捜査関係者への取材で分かった。鉄骨を下から支える「支保工(しほこう)」という仮設の構造物に、想定以上の荷重がかかって崩落した可能性がある。警視庁は業務上過失致死容疑で調べている。 捜査1課によると、事故は昨年9月19日午前9時15分ごろ、東京都中央区八重洲1丁目の7階建てビル建設現場の7階付近で起きた。事故当時は梁(はり)となる鉄骨をクレーンでつり上げ、別の4本の鉄骨に接合する作業中だった。4本の鉄骨の継ぎ目の一部には支保工が設置され、下から支えていた。支保工は鉄のパイプなどで造られ、やぐらのように3階から7階付近まで組まれていた。 捜査関係者によると、大林組は警視庁に、鉄骨5本などにより支保工にかかる重さについて「計算ミスがあった」と説明したという。支保工の構造は支える鉄骨などの重さによって決まるが、その前提から誤っていた可能性があることになる。支保工は埼玉県内の下請け会社が造ったという。 この計算は大林組の社員が担当し、ミスは社内で改善されなかった。支保工など仮設構造物の強度などの計算について、外部機関のチェックはなかったといい、計算ミスが見過ごされたまま工事が進んだとみられる。 大林組は工事再開 「強度計算、見直す」 工事は、店舗やバスターミナ… この記事は有料記事です。残り431文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
教員の勤務改善「給特法は手段にならない」 専門家が語る新たな対策
残業代を出さない代わりに基本給の4%を一律に上乗せ支給する。そんな公立学校教員特有の給与制度の見直し論議が、文部科学相の諮問機関、中央教育審議会の特別部会で近く始まる。教員の給与制度は「教員給与特措法(給特法)」で定められており、教員の一部には廃止を求める声もある。今後の議論で給特法の枠組みはどうなるのか。特別部会委員を務める青木栄一・東北大教授(教育行政学)に考えを聞いた。 ――いくら働いても残業代が支給されない給特法に対しては、「定額働かせ放題」の制度だとして廃止を求める声が一部にあります。 給特法廃止の主張の背景には、残業代が出るようにすることで、使用者側がその支払いをなるべく減らそうとして残業を減らさざるを得なくなるという期待があると推察します。 文科省の2022年度の勤務実態調査(速報値)では中学校教諭の平日の労働時間は11時間1分、小学校教諭も10時間45分と依然として長過ぎます。労働時間の抑制は急務で、期待する思いはわかります。 問題は、廃止が本当に残業の削減につながるかということです。現行制度のもとで過度の長時間労働が起きているのは、校長や副校長といった管理職が教員の労働時間のマネジメントを十分にできていないことも要因です。給特法の廃止で急にそれができるようになるのか、疑問です。残業した分だけ財源が確保できるのか、という心配もあります。 給与支出する都道府県 「自分の財布」は痛まない ――残業代を支払う行政側が予算内に収めようとして教員の仕事を減らすという期待もあるようです。 小中学校の多くを占める市町村立学校について言えば、教員の業務負担を管理する施策は基本的には市町村教育委員会が担います。一方で仮に残業代を支給するとしても教員給与の予算は都道府県が支出しています。市町村にとって残業代の節約は仕事を減らすためのインセンティブ(動機)になりにくい仕組みであるという前提があります。 さらにいえば教員給与には国のお金が入るので、都道府県にとっても残業代の支払い増で「自分たちの財布」だけが痛むわけではないことにも注意が必要です。 ――給特法改正は、長時間労働を改善することに直接的につながらないということでしょうか。 給与制度と勤務時間管理は密接な関係にあるものの、どちらかがどちらかの手段になるかというと、それは違うと思います。働き方改革と、給与制度を含めた処遇改善の両方をパッケージで進めて、双方の実現性を高める必要があるでしょう。 記事後半では、教員の長時間労働を抑制するための実効的な仕組みや、態勢づくりの具体策などについて語っていただいています。 長時間労働の改善策 「外部チェック」の仕組みとは ここから続き ――給特法の改正によらずに… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
亡き妻が愛用した裁縫針を手に 四国霊場の本尊を点描する夫の巡礼旅
7年前に亡くなった妻の供養のため、輪切りにした小さな木に四国八十八カ所霊場の本尊を描き続けている男性がいる。細かな点や線を表現するため、手にする道具は妻が愛用した裁縫の針だ。 作品は400点以上にもなり、遍路道に近い徳島県阿南市のギャラリーで公開を始めた。 徳島県北島町の佐竹弘さん(76)は妻静子さんを2017年に69歳で亡くした。23歳のときに恋愛結婚した、故郷阿南市の小学校の同級生だった。 悲しみに暮れる中、静子さんが好きだった柿の木の枝を輪切りにした断面に、ペンで花などを描き始めた。絵を描くのは苦手だったが、黄色の断面の美しさに引かれたからだ。 しばらくして、仕事で愛媛県を訪れた際に立ち寄った51番札所・石手寺(松山市)で出会った八十八カ所霊場の本尊の絵に感動し、題材にし始めた。これまでに霊場を4回巡り、うち1回は妻が亡くなる3年前に一緒に巡った。当時の記憶がよみがえった。 作品の原画は、各札所で手渡される本尊を描いた絵「御影(おみえ)」。印刷してカーボン紙と重ね合わせ、直径10~13センチに輪切りした木の断面に載せて少しずつ本尊を写していく。 材料の木は、美しさや強度から、ヤマモモやウバメガシのほか、ミカン、ツバキなどを試す。枝を乾燥させて厚さ1センチ前後に輪切りにし、さらに乾燥させて断面を磨く。 妻の思い出が詰まった針で 微細な表現のためにたどり着… この記事は有料記事です。残り777文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
遥かなる択捉島、また土を踏みたい 少女時代の景色は跡形がなくても
桜が咲くのは6月。8月上旬になるとハマナスの群生が満開になり、村は「バラの香り」に包まれる。秋は、おびただしい数のサケが遡上(そじょう)し、まるで川が煮えたぎったようだった。 択捉(えとろふ)島の最北に位置する蘂取(しべとろ)村出身の鈴木咲子さん(85)=根室市=。10歳になる年までを過ごした島での日常の記憶は、驚くほど鮮明だ。 1945年、ソ連は日ソ中立条約を無視して北方四島に侵攻・占領。ロシアとなった現在でも不法占拠が続いている。元島民は高齢化が進み、約7割が亡くなっている。記憶を後世に伝えるため、当事者たちを訪ねた。 蘂取村の居住者は、1945年の終戦時点で89世帯349人。役場や消防、郵便局に駐在所、国民学校、公会堂、病院、寺、神社……。小さいながらも、漁業などが盛んな豊かな村だった。 「村には雑貨屋さんが一軒あるだけ。でも、東京の高島屋とか三越のカタログが送られてきて、色々なモノが手に入ったんです。だから、服装は割と、はやりものを着ていたんじゃないかなと思います」 振り袖でじいやんに弁当を届けた 島の豊かさを象徴するようなエピソードがある。毎年7月15日の神社のお祭りだ。 戦時中だったにもかかわらず、村の女の子たちはみんな、振り袖を着せてもらっていた。もちろん、鈴木さんもその一人。カタログで取り寄せた反物で、母が仕立ててくれたという。 神社のお祭りで祖父の「じいやん」が当番を務める日。振り袖で、村外れの神社までお弁当を届けに行くのが楽しみだった。 鈴のついた「ぽっくり」をはき、母と手をつないで歩く。はき慣れていないので長い道のりに感じるけれど、心はルンルン。鈴の音も心地よい。 「じいやん、お弁当だよ」 「よく来たなぁ」 到着したら、たわいもない会話をして、また家に帰る。 「それだけのことなのに、前の日からうれしくて、うれしくて……。今でも目を閉じると、あの時の情景が浮かんできます」 ジャガイモは絶品、村芝居で歌舞伎 ひもじい思いをした記憶もない。 漁場は豊かで、魚は年中捕れ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル