自民党派閥の政治資金パーティー収入をめぐる事件を受け、衆院福岡4区選出で、志帥会(二階派)に所属する宮内秀樹議員は21日、福岡県古賀市の事務所で記者会見を開き、2019年から22年までの政治資金収支報告書に計161万円分の記載漏れがあったと明らかにした。自身が代表を務める資金管理団体「秀明会」の収支報告書を18日に修正したという。 宮内氏の説明によると、19年に16万円、20年に26万円、21年に21万円、22年に98万円を、それぞれ志帥会から受け取っていた。 昨年末に宮内氏が事務所に確認し、記載漏れが判明。「過去には(パーティー券の販売)ノルマが達成されなかったことなどもあり、秘書が将来を心配し、不足が生じないように保管していた」と説明した。不記載分は東京の事務所に現金で保管していたという。 会見で、「不記載分はキックバックか」と問われた宮内氏は、「キックバックという表現は控えたい。記載漏れがあったので、寄付として改めて受け入れたということ」と話した。 二階派は過去5年間で約2億… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
奥能登の被災酒蔵、残った「もろみ」を救え 県内外から支援の手
1日に発生した能登半島地震では、全国有数の日本酒の生産地として知られる石川・奥能登の酒蔵も大打撃を受けた。酒造の生命線である水も止まるなど前途は多難だが、県内外の酒蔵会社が被災した蔵から「もろみ」(酒になる前段階の状態)を「救出」するなど支援に乗り出している。 1月17日早朝。石川県能登町にある数馬酒造の前に、タンクを積んだトラックが到着した。 やってきたのは、直線距離にして約360キロ離れた宮城県大崎市の新澤醸造店の新澤巖夫代表とその社員たち。 「交通の負担にならないように、深夜に運転を交代しながら移動してきた」と新澤代表。 タンク内にある約3トンの水を提供し、それと引き換えに蔵の2階にあったもろみ約1トン分をポンプで吸い上げた。そして、10時間かけて、宮城に戻った。 「皆さんのご協力に感謝しかありません」。数馬酒造の数馬嘉一郎代表はそう話す。 同酒造は、金沢国税局が開く酒類鑑評会で「優等賞」の常連だ。しかし1日の地震で、震度6弱の揺れに襲われた。 海沿いにある蔵の1階は、津波の影響で汚泥がたまり、地盤沈下で床が沈んだ箇所もある。木造建屋の壁などが破れ、酒造機器や瓶詰めした酒瓶の多数が破損。断水も続く。 酒造作業は不可能な状態だが、もろみを搾り、酒と酒かすに分ける「上槽」と呼ばれる仕上げの工程を待つばかりのもろみが数トン、残された。 このまま放置すれば腐るなど品質の劣化は避けられないし、そもそも上槽をしなければ商品にならない。 そこで助け舟を打診したのが新澤代表だった。数馬代表とは昨年7月、ロンドンであったインターナショナルワインチャレンジ日本酒部門の表彰式で出会い、親交があった。 自身も2011年の東日本大震災で被災した経験がある新澤代表。「まずは、人の命が何より大事。そこが確認されたら、蔵はやはり、残ったもろみが気になる。何をすればいいかと考え、行動した」と話す。 新澤代表がやってきた翌日の18日には、石川県内からも車多酒造(白山市)、加越(小松市)の関係者が訪れ、残りの数トンのもろみを回収した。 もろみが残された被災地の他の酒蔵でも、県内外の酒造会社が協力してもろみの回収が行われていた。 もろみは回収した蔵が清酒に絞り、瓶詰めまでして、奥能登の蔵に返す予定だ。 日本酒は、税務署によって酒… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
【速報中】農水相、能登半島をヘリで視察「隆起の問題は大きな課題」
1月1日夕に起きた能登半島地震。深刻な被害の状況が少しずつ明らかになるとともに、多くの人が避難生活を続けています。タイムライン形式でお伝えします。 ■■■1月21日■■■ 15:00 農水相「隆起の問題、大きな課題」 坂本哲志農林水産相が石川県・能登半島の被災の状況をヘリで視察した。視察したのは、地盤隆起で漁港の役割を果たせなくなっている鹿磯漁港(輪島市)や狼煙(のろし)漁港(珠洲市)、地割れが起きている「白米の千枚田」(輪島市)など5カ所。 取材に対し、「考えていた以上の大変な被害で、あらためて様々な調査をして今後の対応策を考えていかなければいけない」と話した。「隆起の問題にどう取り組むかというのは大きな課題。東日本大震災でも隆起というものを体験していない」とも述べ、専門家の意見も踏まえて被災した港に対応する方針を示した。 09:00 復旧・復興の財源めぐり与野党幹部が議論 与野党7党の幹事長・書記局長らがNHKの討論番組に出演し、能登半島地震からの復旧・復興について議論した。 政府は復旧・復興費用の財源として、来年度当初予算案の「予備費」を5千億円積み増し、計1兆円を計上。自民党の茂木敏充幹事長は「まず、この中でしっかりと速やかに対応することが重要だ」と述べた。 立憲民主党の岡田克也幹事長は「単に元に戻せばいいということではない。(復興の)ビジョンを国会で議論しながら、補正予算を作っていくことが大事」と強調。国民民主党の古川元久国会対策委員長も早期の補正予算案の編成を求めた。公明党の石井啓一幹事長は「状況に応じて補正予算は検討していくべきだ」と述べたが、茂木氏は「予算の問題でちゅうちょすることなく、必要な対策を現場で打ってもらう。安心感を与えながら復興を進めていきたい」と述べるにとどめた。 ■■■1月20日■■■ 10:00 輪島市、一部地域で学校が再開へ 輪島市は20日、市西部の門前地区にある小学校と中学校計3校に通う約80人を対象に、24日から学校を再開すると発表した。当面は門前東小で午前9時~正午に受け入れるという。市東部の町野地区についても1月下旬からの受け入れを検討しているが、中心部は「調整中」としている。 市によると、校舎の応急危険度判定を踏まえた判断といい、学校内の空いたスペースを活用して児童らが集う場所を確保する。通常の授業は行えないが、小川正教育長は「子どもたちに顔を合わせる機会を早急に作ってあげたい。保護者についても子どもが学校に集うことで安心して復旧復興あるいは仕事に向かってほしいという思いから」と狙いを説明した。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「風呂に入れることが何より…」 20日ぶりに蛇口から届いた安心
能登半島地震の影響で、石川県内では大規模な断水が今も続いている。そんな中、復旧作業が進んだ一部の地区では、徐々に解消され始めている。 21日、山中の自宅で過ごす輪島市縄又町の松末俊桜(としお)さん(80)が蛇口をひねると、元日以来の水が出て喜んだ。これまで、配給された水や自宅の裏山から流れる水などを利用して、料理や洗い物をしてきた。 「水が出て、一つ安心できた。風呂に入れることが、何よりうれしい」と20日ぶりの入浴を楽しみにしていた。 県によると18日現在、県内の8市町、約5万戸で断水中。輪島市や珠洲市、七尾市など6市町は、ほぼ全域となっている。(長島一浩) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「行っておいで」 中学生たちは地割れの駐車場を発った 石川・珠洲
能登半島地震の影響で、金沢市内に生徒が集団避難することになった石川県珠洲市立宝立(ほうりゅう)小中学校。21日朝、「出発式」が開かれた。 地面の割れたコンビニの駐車場に、中学生5人が集まった。冷たい雨が肩をぬらす。 「みんな、不安なことがいっぱいあるよね」 時兼秀充校長(60)は、かたい表情の生徒たちに語りかけた。 避難所になった校舎は、大勢の被災者が身を寄せている。学校は10日、空いた教室で自主学習を始めた。22日から授業を再開するが、断水が続き、水道やトイレは仮設のまま。通学路のがれきも片付いていない。中学生23人のうち9人が集団避難を決めた。 「行っておいで」 同中2年の谷内大翔(ひろと)さん(14)の母・加奈子さん(44)は、集団避難の意向調査が始まってすぐ伝えた。一家は損傷した自宅で暮らし、断水が続く。勉強に集中するのも難しい環境だと考えた。 当初、大翔さんは「行きたくない」。家族から離れての生活をためらった。だが数日後、「行こうかな」と口にした。友達と話し、先生から「帰りたくなったらいつでも帰ってきていいんだぞ」と言われ、決めた。 出発前日、荷物を準備する大翔さんは寂しそうなそぶりを見せた。2匹の愛猫の寝顔を毎日LINEで送るよう加奈子さんに頼んだ。 「本当はみんな一緒にここで過ごさせてあげたい」。肩をたたいて生徒を見送った時兼校長は言う。「またみんなが教室に戻れるように少しずつ前に進んでいきます」 能登町立能都中1年の宮下匠磨さん(12)も、集団避難への参加を決めた。発災以降は家にこもりきり。友達ともあまり会えていない。避難先では部活も少しできると聞き、友達と相談して参加を決めた。 金沢市内に向かうバスを見送った母由里重さん(49)は「仕事のある父親だけが残り、母親らと転校した子もいる。決断しなきゃ前に進めない」と話した。 一方、能登町立松波中学校3年の治部結珠華さん(15)は、集団避難には参加しない。3月には高校入試を控え、環境を変えたくなかったからだ。同級生たちも参加しないと聞き、「あまり迷わなかった」。4人きょうだいの長女で、弟たちの面倒をみることも理由の一つだという。(太田原奈都乃、堅島敢太郎、伊藤智章) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
寒さへの挑戦 気温3度を制するのは…大分・別府で恒例のがまん大会
大分県別府市の鶴見岳(1375メートル)の山頂近くの特設会場で21日、恒例の大寒がまん大会があった。海外も含め11~80歳の55人が参加した。積雪はないが霧雨が降り、時折寒風が吹きつける中、熱戦が繰り広げられた。 大会競技は5種目。氷の椅子に座り、氷の器に盛られたそうめんやかき氷を食べるスピードを競ったり、氷の柱にしがみつく時間の長さを競ったりする。 気温は午前10時の時点で3度。参加者の中には、麦わら帽子にTシャツ姿や半袖、半ズボンの猛者もいた。「がんばれ」「寒くない」などの声援を受け、震える手でスプーンや箸で口いっぱいにほおばった。 そうめんの早食いで昨年に続き連覇を狙った山口県宇部市の会社員江本要さん(61)は「今年は寒さというより雨と風で冷たい」。惜しくも2位で、「タイムは悪くなかったが優勝者が早かった」と振り返った。 また、「地獄の針仕事」と名… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
日本海に浮かぶ「ゴジラ岩」が陸続きに 能登地震で地盤が隆起か
石川県珠洲市の日本海に浮かび、その形から「ゴジラ岩」と呼ばれた岩が、陸続きになっている。能登半島地震で地盤が隆起したためとみられる。 岩は同市馬緤(まつなぎ)町の沖約100メートルにあり、地震前は2メートルほどが水面から出て、干潮時でも岩の周辺は海水につかっていた。岩に近づいてみると、かつては海中にあった岩の部分は白っぽくなり、乾燥した海藻がへばりついて、小さなサザエなどが転がっているのが確認できた。 2003年、「ゴジラ」の愛称で親しまれた石川県出身の元大リーガー・松井秀喜さんの人気が高まる中、話題を呼ぶようになった。近くには駐車場もあり、観光スポットになっていた。(林敏行) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
3歳女児が車ではねられ意識不明 商業施設の駐車場で 岡山・倉敷
21日午後0時20分ごろ、岡山県倉敷市中庄の商業施設駐車場で、市内の保育園に通う女児(3)が乗用車にはねられた。女児は全身を強く打って病院に運ばれたが、意識不明の重体。倉敷署は車を運転していた同市の会社員の男(37)を自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致傷)の疑いで現行犯逮捕した。「運転中の不注意で大けがを負わせたことは間違いない」と容疑を認めているという。 同署によると、女児は家族数人と買い物に来ていた。男は、駐車スペースを探していたところ女児をはねた、と説明しているという。(小沢邦男) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「流氷きたー」オホーツク冬本番 網走の観光船「おーろら」にぎわう
北海道のオホーツク地方に「冬本番」を告げる流氷が網走市沖に広がり、網走港から出港する流氷観光砕氷船「おーろら」がにぎわっている。 網走地方気象台は19日、陸上から肉眼で流氷が見える「流氷初日」を発表。平年より3日、昨年より14日早かった。流氷は20日には港のそばまで接近。この日はちょうど「おーろら」の運航開始日で、2015年以来9年ぶりに初日から流氷の中を航行できた。 最初の日曜日となった21日には、乗り場になっている道の駅「流氷街道網走」の駐車場に大型観光バスが並んだ。流氷は少し遠ざかったとはいえ航行圏内にあり、午前11時の便には240人が乗船。約1時間のクルージングを楽しんだ。 家族4人で乗船した川崎市の会社員岡田仁見さん(37)は「もう少し流氷があったり、動物が見られたりしたら良かったですが、とても楽しかったです」と笑顔を見せていた。 運航する道東観光開発(網走市)の担当者は「運航初日からお客様に楽しんでもらえています。うれしい限り」と話している。 気象庁が発表している海氷予想図によると、流氷は網走市以北のオホーツク海の海岸付近に散在している模様だ。28日ごろには一気に各地の沿岸に近づきそうだ。(神村正史) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
午後5時にドアを開ける小学生 外国ルーツの子が巣立つ小さな部屋
34平米の1DKに集う子どもたち 平日の午後5時過ぎ、横じまのシャツを着た小学校3年生の男の子が、恥ずかしそうにそっとドアを開けた。 「夕日が背中を押してくる……。って、どんな意味?」。席につくと、教科書を開いて音読を始めた。母がミャンマー、父が韓国出身だという。 ほどなくネパール人の母を持つ中学1年の男子が姿を見せた。それから、タイから来た中3女子。韓国、タイの高1男子2人組み。ルーツも年齢も違う子たちで34平米の1DKが埋まった。 外国人住民の多い東京都新宿区で、その比率が2割を超す大久保地区に部屋はある。「居場所みんなのおうち」。同区に住む小林普子(ひろこ)さん(75)が代表理事を務めるNPOが運営する。20年前から名前やかたち、場所を変えながら、外国ルーツの子たちに無料学習指導の場を続けてきた。 多民社会 教室に数人、外国につながりのある子たちがいる。これからの日本ではそんな光景が当たり前になる見通しです。少子化により現役世代が減り続ける国で、教育や就職のサポートさえ整えば、未来への道が開き、日本社会に溶け込んでいく子どもたちがいます。外国ルーツの子たちをどう育み、社会に送り出すか。現在地を伝えます。 現在は、同区の「恊働事業提案制度」を利用し、区の事業をボランティアで運営する方式で週3回、小中学生向けに日本語と各教科の学習教室を区営施設で開いている。日曜日を除いた残りの3日、NPO独自に「おうち」で子どもたちを教える。 現役の日本語教師や元海外駐在員など20~70代のボランティアが、小学校の国語から日本語能力試験(JLPT)対策、高校の数学まで、何でも個別に指導する。 一升炊きの炊飯器がすぐ空に 近隣には児童の半数が外国ルーツの子という小学校もある。家庭の経済状況には格差があり、この部屋は「塾に行けない子たち」を集めている。 多くの子は日本語会話に不自由しないが、それでも大きなハンディを抱える。習い事に通ったことがなく、家には日本語の本がない。博物館や美術館などに行く機会はなく、日本国内の旅行をしたこともない。そんな子たちがほとんどだ。 幾何の勉強の合間、高1の男子2人は、特大の器に盛られたカツ丼を10分もかけずに平らげた。一升炊きの炊飯器がすぐに空になる。「男子は食事で釣ってるの」。コンロ一つの小さな台所に立つ小林さんは冗談ともつかない口調で話す。 「僕にとってここはセーフゾ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル