元日の夕方に能登半島を襲った地震の発生から、18時間後。石川県の災害対策本部員会議に、珠洲市の泉谷満寿裕(ますひろ)市長がオンラインで出席した。 会議での市長の説明に、衝撃が広がった。 「壊滅的な状況。住宅の全壊は1千棟ほどでているのでは、という感触がある」 「救急救助、昨日の夕方から行っているが、未対応が50件ほどある」 「安否確認すらできないところもある。非常に厳しい状態」 道路は寸断され、電話もほとんど通じない。能登半島の先端に位置する珠洲市の被害の様子は当時、ほとんど知られていなかった。それがこの市長の言葉で、危機的な状況にあると伝わってきた。 能登半島地震の被害状況を取材するため、多くの記者が被災地に向かいました。現地でみた光景、首長や被災者から聞いた話、記者が感じたことをお伝えします。 その実態を取材し、伝えていくため、記者(28)は3日午前5時半、水や食料、雨具、毛布などを車に積み込み、金沢市から現地に向かった。 「県と国に言ってくれよ。ひどいもんだよ」 まずは、海岸沿いに半島を一周し、「能登半島の大動脈」と呼ばれる国道249号を走った。 しかし、走り始めて5時間半… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ネットの「炎上」割合、一般利用者の投稿が増加 著名人は減少傾向
豊島鉄博2024年1月17日 12時00分 インターネット上の投稿に批判が殺到する「炎上」の割合を分析したところ、著名人や企業の投稿と比べて、一般の利用者による投稿が増加傾向にあることが、一般社団法人「デジタル・クライシス総合研究所」(東京)の調査でわかった。投稿のリスクを学ぶ機会がないまま、利用者が増加していることが一因とみられている。 同研究所は、ネット上で「炎上」を引き起こしたとして紹介された投稿を抽出し、実際に批判や非難が100件以上あったケースをカウントしている。 2023年は11月時点で1449件にのぼり、発信元は法人などが491件(33・9%)、一般利用者490件(33・8%)、芸能人や政治家といった著名人468件(32・3%)と3者がほぼ同数だった。 データを取り始めた19年は著名人41・5%、法人など31・8%、一般利用者26・8%。著名人は20年にピークの51・3%となった後は減少し続けている一方、一般利用者は20年以降増加が続いている。 同研究所の桑江令主任研究員によると、著名人や企業は「炎上」防止の研修が進んだ一方で、一般の利用者はそうした研修の機会が少ないまま、動画配信が気軽にできるアプリの普及によって利用が拡大したことが背景にあるという。 最近では一部の利用者が、「炎上」しそうな一般の投稿を見つけると発信力のあるアカウントに連絡し、そこから拡散する例もあるという。 桑江氏は「非公開アカウントでの投稿でも、外部に流出することがある。多くの人に見られているという意識が必要だ」と注意を促している。(豊島鉄博) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
輪島の朝市通り周辺に10人の遺体 一帯捜索、焼失家屋などから発見
石川県輪島市は17日、能登半島地震に伴う火災で焼失した市中心部の観光名所「朝市通り」一帯の捜索で、10人の遺体が見つかったと発表した。この日、これまでの捜索の報告を警察から受けたという。性別や年代は分かっていない。倒壊したり焼失したりした家屋の中から発見されたという。 火災は1日の地震直後に発生。国土交通省によると、約5万800平方メートルが焼け、約300棟が焼損したと推定される。安否不明者がいるとの情報があり、県警が捜索していた。(マハール有仁州) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
【速報中】能登へ思い寄せ「ともに」 阪神・淡路大震災29年の追悼
【動画】雪の珠洲市内を道路から見た 能登半島地震発生から2週間=波絵理子撮影 1月1日夕に起きた能登半島地震。深刻な被害の状況が少しずつ明らかになるとともに、多くの人が避難生活を続けています。タイムライン形式でお伝えします。 ■■■1月17日■■■ 5:46 輪島の火災「29年前を思い出した」 神戸市長田区で追悼行事 阪神・淡路大震災直後に周辺で大きな火災が起こり、近くの病院の入院患者らの避難所にもなった大国(だいこく)公園(神戸市長田区)。この日は早朝から住民ら約100人が集まり、午前5時46分に黙禱(もくとう)を捧げたり、ろうそくに火をともしたりした。 近くに住む福本春光さん(73)はニュースで能登半島地震の石川県輪島市の火災を見て「29年前の長田区の大火災を思い出し、心が苦しくなった」。 木造2階建ての自宅は全壊。当日は家屋の下敷きになった住民の救助や、火災の消火活動に奔走したという。 その後、近くの鷹取中学校(神戸市須磨区)の体育館で約1カ月間にわたり避難生活を送ったが、避難所のトイレが使えず苦労したという。 ただ近所の住民同士で普段から付き合いがあり、避難所生活もぎすぎすせずに一緒に過ごせたといい、「石川県の人たちも被災者で助け合いながら、頑張って乗り越えてほしい」と願った。(森直由) 5:46 阪神・淡路大震災29年 能登へ思い寄せ 6434人が亡くなった阪神・淡路大震災から29年を迎えた17日、各地で追悼行事が開かれた。被災地から被災地へ、正月に地震が発生した能登半島にも思いを寄せた。 神戸市中央区の東遊園地では追悼行事「1・17のつどい」が開かれた。 約7千本の灯籠(とうろう)で描かれた「1995 ともに 1・17」の文字は、能登に寄り添う思いも込められた。訪れた人は発生時刻の午前5時46分に黙禱(もくとう)した。 ■■■1月16日■■■ 16:00 応急仮設住宅の建設「GWをめどに」 馳知事 石川県の馳浩知事は、県災害対策本部員会議後の記者団の取材に、「4月、ゴールデンウィークを一つのめどに仮設住宅の建設を急ぎ、そこにまず入っていただけるという流れを作りたい」と述べ、春を目標に被災地での応急仮設住宅の建設を急ぐ考えを示した。 地域ごとに水道や道路、電気などのライフラインの復旧の見通しを示した上で、避難所にいる被災者に故郷へ戻る見通しを示し、2次避難を促すという。 13:55 米軍ヘリが物資輸送へ 木原防衛相「輸送継続のため」 能登半島地震への支援をめぐり、木原稔防衛相は記者会見で、在日米軍に物資輸送の協力を要請した、と発表した。17日以降、米軍ヘリが航空自衛隊小松基地を拠点に、能登空港まで支援物資を運ぶ。 木原氏は2次避難を希望する被災者の輸送の任務が増えている状況を踏まえ、「自衛隊が実施してきた物資輸送を滞りなく継続するため支援を要請した」と述べた。 政府はこれまで各国からの支援の申し出に対し、態勢が整わないことなどから一律に受け入れてこなかった。木原氏は米軍がヘリを日本国内で保有し、日ごろから自衛隊と連携している状況を挙げ、「在日米軍は自己完結可能な輸送力を迅速に提供可能で、受け入れ態勢構築の調整に大きな負担がかからない」と語った。米軍は2011年の東日本大震災時に「トモダチ作戦」で被災地支援活動をしている。 12:20 緊急小口資金の受付窓口、1・5次避難所に設置へ 厚生労働省は16日、被災者に当面の生活費を貸し付ける「緊急小口資金」の受付窓口を1週間後をめどに、金沢市の1・5次避難所に設置すると発表した。 同省の災害対策本部会議で、武見敬三厚労相が明らかにした。緊急小口資金は1世帯あたり原則最大10万円を貸し付ける。世帯に亡くなった人や要介護者がいる場合、4人以上の世帯などは最大20万円。新潟県や福井県ではすでに受け付けが始まっている。 11:25 被災した子どもの居場所づくりを支援へ こども庁 能登半島地震をめぐり、こども家庭庁は16日、遊びの機会を提供するなど、被災した子どもの居場所づくりに取り組む民間団体の支援を始めると発表した。1団体あたり年度内は500万円を上限に活動費を補助する。事業は新年度も継続する予定。 加藤鮎子こども政策担当相が閣議後の記者会見で明らかにした。子どもの心の回復などを目的に、遊びの提供や学習スペースの設置などをする民間団体などを対象に補助する。すでに確保した予算を使い、全額を国が負担する。避難先の自治体での居場所づくりも対象となる。申請は、2月15日まで同庁が直接受け付ける。 11:10 被災の外国人、別の地域や業種で働くこと可能に 能登半島地震により、従来の職場で働くことが難しくなった外国人について、小泉龍司法相は16日、従来の在留資格で定められた地域や業種以外での労働を認めることを明らかにした。 対象は、災害救助法の適用を受けた地域に住所があり、技能実習生や特定技能など就労可能な在留資格の外国人。新たに「資格外活動」の許可を得れば、別の地域や業種で働けるようにした。期間は許可を受けてから3カ月間とし、1日8時間以内の労働に限る。 ■■■1月15日■■■ 18:10 死亡の原因、多くは「家屋倒壊」 石川県は15日、遺族の同意を得られた場合に限り、亡くなった方々の氏名や住所(市町まで)、年齢の公表を始めた。この日は23人分が公表され、死亡の原因は18人が「家屋倒壊」、4人が「土砂災害」、1人が非公表だった。 17:00 厚労省、石川の高齢者施設入所者800人を4県へ搬送予定 厚生労働省は15日、能登半島地震で被災した石川県内の14の高齢者施設の入所者約800人について、石川、富山、福井、愛知各県の病院や施設へ搬送する予定があると公表した。 すでに約600人を搬送済みという。搬送予定の人数は13日夜時点の集計で、今後さらに増える可能性があるという。 15:00 輪島市の中学生250人、集団避難へ 石川県輪島市は15日、中学生の集団避難を17日午前から始めると明らかにした。市内の生徒401人のうち約250人が、約100キロ離れた同県白山市の体験学習施設に避難する。市は「期間は最長2カ月におさめたい」と話している。 市は管内の3中学校がすべて避難所となり、校舎や運動場、通学路の損傷が激しいことから、「子どもの学ぶ機会を確保する」として、集団避難を検討してきた。 13:36 […]
【写真まとめ】阪神淡路大震災から29年 能登の被災者にも寄り添う
朝日新聞デジタルに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。Copyright © The Asahi Shimbun Company. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission. Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
交際断った後輩女性の両親殺害の罪、当時19歳被告への判決は
甲府市で2021年10月、全焼した住宅の焼け跡から夫婦の遺体が見つかった事件で、殺人と現住建造物等放火など四つの罪に問われた同市の無職遠藤裕喜被告(21)の裁判員裁判の判決が18日、甲府地裁(三上潤裁判長)で言い渡される。検察側は死刑を求刑しており、事件当時19歳の「特定少年」として起訴された被告に対し、どのような判断が下されるのか注目される。 「特定少年」だった被告 死刑判決の場合は全国初に 今回の事件は、18、19歳の「特定少年」が起訴された場合、実名報道を可能とする改正少年法が22年4月に施行され、検察が実名を発表した初のケースとなった。「特定少年」として起訴された被告に死刑判決が出れば、全国初の事例になるとみられる。 起訴状などによると、被告は21年10月12日未明、甲府市の会社員(当時55)方で、会社員と妻(同50)を果物ナイフで突き刺すなどして殺害。次女の頭をなたで殴ってけがを負わせ、住宅に火をつけて全焼させたなどとされる。 検察側は、交際を断った夫婦の長女に一生忘れられない傷を与えることが動機だったと指摘。一方、弁護側は「被告は精神障害の影響で、自分をコントロールする能力が著しく下がった心神耗弱状態だった」などと主張している。 検察側は昨年12月の論告で、1999年に山口県光市で起きた母子殺害事件や2010年の宮城県石巻市の男女3人殺傷事件に言及。いずれも18歳で2人を殺害したとして死刑判決が確定した事例で「被告が当時19歳だったことのみで、死刑を回避する理由にはならない」と主張した。 一方、弁護側は最終弁論で、被告が「特定少年」だったことに触れ、「適切な教育や処遇で変わることができる」と指摘。被告が法廷で、社会に戻るつもりはない、と発言したことを挙げ「今も自分のしたことが理解できていない。被告の残された人生は、贖罪(しょくざい)に費やすべきだ」と、死刑の回避を求めた。 死刑を適用する基準としては… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
前江東区長を買収罪で在宅起訴へ 元区議に100万円提供か 特捜部
東京都江東区長選をめぐる事件で、木村弥生・前区長(58)=辞職=が元区議に対し、現金100万円を選挙後に提供した疑いがあることが、関係者への取材でわかった。東京地検特捜部は、選挙運動の報酬にあたるとみて、木村氏を公職選挙法違反(買収)の罪で17日にも在宅起訴する方針を固めた。選挙中に有料ネット広告を掲載した同法違反の罪でも起訴するとみられる。 特捜部は昨年12月28日、衆院議員で前法務副大臣の柿沢未途(みと)容疑者(52)=東京15区、自民党を離党=を買収と有料ネット広告、秘書4人を買収の容疑で逮捕した。発表などによると、昨年4月の江東区長選で木村氏を当選させる選挙運動をする報酬として、柿沢事務所全体で、区議や陣営スタッフら14人に計336万円の買収資金を渡すなどした疑いが持たれている。 柿沢議員とは別途、現金で 特捜部は、木村氏については… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
犠牲者119人分の「生」かみしめて 震災29年、宝塚で追悼の文字
「あの日を忘れない」という思いとともに、阪神・淡路大震災の犠牲者を追悼する集いが16日夕刻、宝塚市の宝塚大橋付近であり、約150人の市民らが参加した。 武庫川にかかる橋のたもとの中州では、午後3時ごろから石を積んでつくった「生(せい)」のオブジェを懐中電灯でライトアップする準備が始まった。午後5時ごろ、懐中電灯を点灯。同じころ、橋の南側にある「生」の文字の金属製モニュメントには市内の犠牲者数と同じ119本のろうそくがともされた。 そして地震発生時刻の12時間前の午後5時46分、集まった市民らが黙禱(もくとう)した。 宝塚歌劇団の元花組娘役で、宝塚大劇場での公演期間中に被災した歌手の絵莉(えり)千晶さんがアメイジンググレイスを独唱。絵莉さんは「能登の人たちはいま、どんなに寒いのか。それを思うとつらいが、改めてこの命を大切にしたいと思った」と涙ぐんだ。 13代目となる石積みの「生」の文字は昨年12月、2日間で延べ150人が参加して完成させた。 考案者であり、追悼の集いを主催した市民グループ代表で現代美術家の大野良平さん(64)は「震災を知らない世代が増えているなか、今日は関西学院大の学生たちも参加してくれた。記憶の継承が問われているなか、被災者に寄り添い、傷ついた思いを共有していくことは大切なこと。明日は、それぞれがそれぞれの大切な命と向き合う日となることを祈っている」と話した。(谷辺晃子) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
震災29年、能登へ寄り添う 阪神大震災の追悼イベントで「ともに」
6434人が亡くなった阪神・淡路大震災から、17日で29年を迎える。発生時刻の午前5時46分にあわせ各地で追悼行事があり、訪れた人々が祈りを捧げた。 神戸市中央区の東遊園地で開かれた「1・17のつどい」では、竹や紙でできた灯籠(とうろう)約7千本をともして「1995 ともに 1・17」という字がつくられ、明かりがともされた。 実行委員会によると、「ともに」という言葉は、能登半島地震の被災者に寄り添い、震災経験を若い世代と共に語り継いでいくという思いを込めて決めたという。 17日に会場を訪れた、兵庫県西宮市の切畑輝子さん(84)は、震災で親戚9人を西宮市と神戸市で亡くした。自身も自宅で屋根の下敷きになり、頭部にひびが入るけがをしたという。 「能登半島地震の被災者は、あの時の自分と同じつらさを感じていると思う。阪神大震災をきっかけにできた被災者生活再建支援法がうまく活用されて、能登も一日も早く復興してほしい」と願った。 阪神・淡路大震災は、1995年1月17日午前5時46分に発生。戦後初の大都市直下型地震だった。震源は兵庫県の淡路島北部で、マグニチュードは7・3。 人的被害は死者6434人、行方不明者3人、負傷者4万3792人。全半壊した住宅は25万棟に上る。 防災・復興対策が見直され、さまざまな仕組みがつくられていく契機となった。 発生から1年間で延べ約138万人のボランティアが活動したとされ、95年は「ボランティア元年」と言われた。 ボランティア活動を後押しする特定非営利活動促進法(NPO法)のほか、耐震改修促進法ができ、国や自治体は住宅の耐震化を進めてきた。 住宅再建に支援金を給付する被災者生活再建支援法もこの震災がきっかけで制定された。(小川聡仁) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
放射能濃度を測る前の鉄くず窃盗、検察「地域社会に不安を与えた」
東京電力福島第一原発事故による帰還困難区域だった解体工事現場から放射能濃度を測定する前の鉄くずなどが盗まれた事件で、窃盗の罪に問われた4人の初公判が16日、福島地裁いわき支部(三井大有裁判官)であった。4人はいずれも起訴内容を認め、検察側がそれぞれ懲役2年~同1年6カ月を求刑して結審した。判決は2月2日に言い渡される。 起訴状などによると、4人のうち3人は昨年5月12~13日ごろ、共謀して「大熊町図書館・民俗伝承館」の解体工事現場から、鉄くずを2回計約7・5トン(約30万円相当)盗んだ。また、4人で同25~27日ごろ、共謀して鉄などを4回計約15トン(約70万円相当)盗んだとされる。 冒頭陳述によると、4人は盗んだ鉄くずを南相馬市や浪江町の買い取り業者に売却し、現金計約100万円を入手し、4人で分け合ったという。 検察側は論告で、原発事故で… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル