1月1日夕に起きた能登半島地震。深刻な被害の状況が少しずつ明らかになるとともに、多くの人が避難生活を続けています。タイムライン形式でお伝えします。 ■■■1月13日■■■ 18:00 子どもの心のケア、石川県が電話相談窓口 石川県は13日、能登半島地震で精神的なショックを受けたり、困難な生活を余儀なくされたりした子どもの心のケアや進路、学習の相談に乗る電話相談窓口を15日から3月末まで設けると発表した。 被災した小学生から高校生までの児童生徒と保護者が対象。安心感の回復のため臨床心理士が相談を受ける「能登半島地震・子供のこころ相談テレホン」(0120・48・0874)は平日午後1時~同6時半。進路や学習に関する相談は「能登半島地震・進路・学習相談テレホン」(0120・873・783)は平日午前9時~午後5時45分。 16:00 厚生労働省は13日、能登半島地震で被災した高齢者施設などに15日から介護職員らを応援派遣する予定だと明らかにした。被災地で不足する介護の担い手について、全国の都道府県を通じて応援を依頼したところ、約30人が15日から現地入りできると回答があった。 派遣先は高齢者施設のほか、旅館やホテルを「2次避難所」として活用するまでの「1・5次避難所」。今後、さらに応援派遣を増やしていく考えだ。 15:00 中学生の集団避難、250人が同意 最大震度7を観測した能登半島地震で、石川県輪島市は13日、集団避難を検討していた中学生の生徒401人のうち、250人の保護者が避難に同意していると明らかにした。準備が整い次第、約100キロ離れた同県白山市の体験学習施設に避難する。 市は管内の3中学がすべて避難所となり、校舎や運動場、通学路の損傷が激しいことから「子どもの学ぶ機会を確保する」と集団避難を検討。13日までに通信アプリで保護者の意向を確認した。避難を希望しなかった151人についても「公平に学びの機会を提供する」とし、意向の変更にも柔軟に対応するという。 11:00 死者の氏名公表、馳知事「公益性あるが遺族に配慮必要」 石川県の馳浩知事は記者会見で、能登半島地震での死者の氏名を公表するかどうかについて問われ、「その人が生きていた証し、なぜ人生の最後を迎えなければならなかったのかは、やはり公益性がある。しかし、それを望まない遺族もいるとすれば、そこには配慮が必要」と述べ、市町の首長とともに慎重に判断する考えを示した。 県によると、県職員や市町職員が避難者の1・5次避難や2次避難などにあたっており、事務的な準備は進めているものの、公表するまでには至っていない状況だという。 09:30 大学入学共通テストが13日、全国で一斉に始まった。1日目は、地理歴史・公民、国語、外国語がある。2日目の14日は理科と数学が行われる。 金沢市の星稜高校3年山倉花菜さん(18)は、バスで参考書を読みながら受験会場の金沢大学にやって来た。「塾で勉強中に揺れて不安で数日は勉強に集中できなかった。力を発揮して頑張りたい」 ■■■1月12日■■■ 16:00 輪島市と珠洲市で応急仮設住宅を着工 石川県の馳浩知事は災害対策本部員会議で、「避難者の応急的な住まいを確保するため、本日、輪島市、珠洲市で応急仮設住宅を着工した」と説明。「(住宅を増やし)必ずみなさんをふるさとに戻します。ですから、今は命を守るためにも、一度、2次避難所に移ってもらえませんか。お願いします。数カ月かかるかもしれませんが、必ずみなさんを戻しますから。氷点下のところにいるのは勘弁してください」などと述べ、被災地域外に避難するよう呼びかけた。 馳知事は会議後、着工した応急仮設住宅の建設場所のうち3カ所が津波浸水想定区域内にあることについて、記者団に対し、「土地がないという理由だけではない。現場からの要請で『コミュニティーを維持したい』という声があり、浸水区域であったとしても応急に避難できる場所が隣接しているので、避難態勢を整える」と説明。今後も、津波や洪水などのリスクがある土地であっても建設する考えを示した。 15:00 石川県への義援金37.5億円 能登半島地震で被災した石川県内の人を支援する義援金について、11日現在で約37億5千万円を受け付けたと県が発表した。県は日本赤十字社県支部や県共同募金会と連携して義援金を12月27日まで受け付けており、県が受け付けた義援金のほかに日本赤十字社県支部が約6億円、県共同募金会が約1億2千万円を受け付けたという。 11:50 災害復旧時、就労要件に関わらず保育所の利用可能 加藤鮎子・こども政策担当相は12日、閣議後の会見で「災害の復旧活動をされている場合には、保護者の就労状況に関わらず保育所などの利用の必要性が認められる」と述べた。同日、全国の自治体に周知を促す通知を発出した。 通知では「保育所の利用をすみやかに開始した上で、支給認定の手続きはその後に実施するなどの配慮をお願いします」と明示した。同庁はほかに、災害の影響で保育所などが利用できなくなった場合に、転園せずに別の施設を利用できることも周知した。受け入れ先が定員を超えても特例的に認める。 11:20 首都圏などでも1万2千人分確保 能登半島地震の2次避難先 能登半島地震の被災者向けにホテルや旅館などを活用する「2次避難所」について、林芳正官房長官は記者会見で、石川県など北陸4県以外に「三大都市圏の宿泊施設で約1万2千人分を確保している」と述べた。北陸4県と隣接県では計約1万3千人分を確保しているという。 林氏によると11日時点で、北陸4県で約9300人分、隣接する長野、岐阜、滋賀各県を加えると最大で約1万3千人分の宿泊施設などを確保。加えて、三大都市圏でも約1万2千人分を確保したという。 単純に足せば避難中の被災者2万3650人を上回る計算で、林氏は「個々の被災者の希望や条件を踏まえた最適な2次避難先が選定されるよう、被災自治体を全力でバックアップしていきたい」と強調した。 11:00 万博相、震災を受けて万博の中止や延期「考えていない」 1日に発生した能登半島地震を受け、自見英子万博相は閣議後会見で、2025年の大阪・関西万博の開催判断について、「現時点で中止や延期は考えていない」と強調した。 震災による万博準備への影響について、自見氏は「予断を持って話せる段階にはない」としつつ、「建設事業者や下請け事業者の状況も把握しながら万博の準備に向けて、どのように進めるのが最適か検討したい」と述べ、災害復旧を最優先にする考えを示した。 また、万博のアンバサダーに選ばれている「ダウンタウン」の松本人志さんや、宝塚歌劇団への今後の対応については「両者とも現時点で具体的な活動は予定されていない」とし、「博覧会協会において適切に対応するものと考えている」と述べるにとどめた。 11:00 石川知事、孤立集落の「丸ごと避難」求める意向を表明 石川県の馳浩知事は記者会見で、道路の復旧のめどが立たず、孤立状態の長期化が判明した集落について、住民全員の一時避難を求める意向を表明した。対象となる人数は11日時点で、輪島市や珠洲市などの22地区2300人程度とみられ、金沢市以南や県外のホテルや旅館を活用した2次避難所に移したいという。馳知事は「2次避難所に集落ごと移ってください、とにかく出て下さいと説得している」と述べた。 10:30 首相、「応急的な住まい」への移動を進めるよう指示 岸田文雄首相は首相官邸で開いた非常災害対策本部会議で、避難の長期化を想定し、被災者の「応急的な住まい」への移動を進めるよう指示した。 首相は「すぐに入居可能な公営住宅や公務員住宅を石川県内で約300戸、他の北陸3県で約900戸確保した」と説明。民間の賃貸住宅も石川県内で約5500戸、他の北陸3県で約1万7千戸が提供可能だとして、「希望者に一日でも早く移ってもらえるよう、取り組みを進めてほしい」と述べた。 住み慣れた地域を離れることに対し、被災者には支援情報が行き届かなくなることへの懸念や、留守宅への治安上の不安もあるとされる。首相は「慣れない環境で孤独孤立状態となることがないよう、関係機関、団体等による連携確保にも十分配慮してほしい」と述べ、パトロールの強化も求めた。 […]
輪島の避難所に段ボールの「家」 きっかけは3.11の小学生の一言
能登半島地震で大きな被害を受けた石川県輪島市の避難所内に、段ボールでできた「家」が設置されている。とんがり屋根のかわいらしい形は子どもたちにも大人気。考案した大学教授によると、きっかけは東日本大震災で被災した小学生のひと言だった。 地震の影響で窓ガラスが割れ、冷たい風が吹き込む輪島中学校の体育館に、高さ2・5メートルの茶色いツリーのような建物が並んでいる。壁には色とりどりの絵が子どもたちによって描かれ、隅っこには「ぼくがかいた」という文字もあった。 開発したのは、建築設計を専門にする名古屋工業大学教授の北川啓介さん(49)。パーツを組み合わせると15分ほどでできる「インスタントハウス」で、断熱性があり、遮音性にも優れている。女性の着替えや授乳、おむつ交換の場としてだけでなく、体調を崩した人が救急搬送前に休む場としても使われている。避難生活を送る女性(67)は「人目を気にせず着替えができるからありがたい」と話した。 北川さんは2日、10棟分の… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「オムツがない」 災害時に乳幼児と避難、ポリ袋・タオル…代用方法
災害時に避難所などでの避難生活が長引くと、体調を崩したり、備蓄がなくなったりして深刻な状況に陥ります。必要な支援物資もすぐに届かない時、どうしたらいいのでしょうか? 乳幼児と一緒の避難でオムツなどがない時の代用方法や、子どもの体調を維持するための注意点について日本災害医学会の小児科医、岬美穂さんに話を聞きました。 ――避難生活でオムツなどの育児用品がない場合、対処する方法はありますか。 応急処置として、ポリ袋とタオルを使ってオムツの代用品はつくれます。袋の持ち手の端と側面をハサミで切って、タオルを載せたあとに、持ち手を赤ちゃんのおなかのところで結ぶだけです。 哺乳瓶がない時は、紙コップで代用できます。誤嚥(ごえん)を防ぐため赤ちゃんは縦抱きにして、紙コップを下唇に当てて少しずつ飲ませてください。月齢が低い赤ちゃんの場合、舌でペロペロなめるように飲むので時間がかかりますが、赤ちゃんのペースに合わせることが大事。紙コップの他に、スプーンを使ってあげることもできます。 避難先での母乳育児 しっかり食べて力を ――避難生活では手に入る食べ物も限られています。 被災してしばらくは弁当や菓子パン、インスタント食品などしか入手できないかもしれません。しかし、栄養バランスよりも、しっかり食べて力をつけることの方が重要です。 母乳育児の方も心配はいりません。ママが十分に食べていなくても、母乳には赤ちゃんに必要な栄養が入っています。「母乳の質が下がるかも」などと心配せずに、手に入る食べ物をしっかり食べて必要なエネルギーを取ってください。 不安やストレスを抱え、「母乳の出が悪くなった」と感じる人もいるかもしれませんが、赤ちゃんが欲しがるだけ飲ませてください。授乳は母子の安心感にもつながりますので、続けるメリットがあります。 ミルクがない! 赤ちゃんの脱水を防ぐには? ――被災地ではミルクが手に入らないこともあります。 母乳やミルクなど赤ちゃんに与えるものが何もない場合、脱水や低血糖を防ぐために砂糖水を飲ませてあげてください。だいたいコップ1杯(約200ミリリットル)の湯冷ましに砂糖をスプーン1杯(大さじ1)の目安です。ただ、あくまでも一時しのぎの対応です。 日本新生児成育医学会は災害時の対応として、生後6カ月過ぎの赤ちゃんの場合、「ごはんやバナナをつぶしてお湯で延ばすなど離乳食で補う。赤ちゃんせんべいをお湯で溶いても大丈夫」と説明しています。 ――避難所などで過ごす場合、離乳食に活用できそうなものはありますか。 ポリ袋があれば、そこに食材と少しの水分を加えて手でよくつぶし、離乳食にできます。子どもの離乳食の進み具合に応じて、硬さや大きさを調整してください。汁物に入っている大根やにんじんなどの野菜、ご飯、バナナなどの果物も使えます。ただ、アレルギー防止のため、口にしたことがない食材を与える時は注意が必要です。 お風呂に入れない 汚れふきとって ――子どもの健康を守るため、冬の避難所などでできる対策はありますか。 寒さから身を守るため、避難所では床に段ボールや新聞紙を敷いて、直接床に触れないようにしてください。子どもは肌が出ないように帽子や靴下も身につける。もし、雨や雪で髪がぬれたら、しっかり乾かしてください。周りにある物を使って子どもをくるみ、親子で抱き合って寝るのも効果的です。 断水などでお風呂に入れない場合もあるかと思います。手洗いを心がけ、お湯で絞ったタオルやぬれたティッシュで汚れやすいおしりや口まわり、肌荒れしやすい関節周りを中心にふきとってあげるとよいと思います。 ――子どもが体調を崩した時、どんな症状に気をつければよいですか。 病院を受診した子どもたちに日ごろ尋ねるポイントは、「眠れていますか」「食べられていますか」です。呼吸状態が悪くて夜間、眠れなかったり、食べ物や水分が取れずぐったりしていたりする場合、すぐに周りの医療スタッフに相談したり、病院を受診したりしてください。 ――災害時の子育て家庭への支援について、課題に感じることはありますか。 日本は災害が起こる度に課題を抽出し、改善をしてきたので、東日本大震災の頃と比べたら、子育て家庭に対する支援にも目が向けられてきたと思います。とはいえ、被災者全体からみると子育て家庭は少数で、高齢者や障害者の支援が優先されがちです。子育て家庭の中には、「まだ若いし大丈夫」と支援を遠慮する方もいます。でも、支援が本当に必要な時は声をあげてください。 大災害では理想どおりの避難所運営は難しいこともありますが、子育て家庭にも配慮して女性専用の更衣室や授乳室、子どもたちが遊べる場所などは避難所に必要です。同じ子育て中の親どうしがつながり、助け合える場も大事です。子育て家庭のニーズを拾い上げ、支援につなげてほしいと思います。(聞き手・平井恵美) ◆日本新生児成育医学会のサイトでは、「被災地の避難所などで生活をする赤ちゃんのためのQ&A」を公開しています。英語や中国語、ポルトガル語などでも見られます。 https://jsnhd.or.jp/doctor/saigai/index.html ◇ みさき・みほ 小児科専門医、救急科専門医。半蔵門のびすここどもクリニック院長、日本災害医学会の小児周産期領域災害対策検討委員会委員長。災害派遣医療チーム(DMAT)の研修や災害時の運用調整を担う国立病院機構本部DMAT事務局の職務も兼務。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
高さ日本一 その敷地には現代アートと「緑の広場」 麻布台ヒルズ
約330メートル。昨年11月、高さ日本一の高層ビル「森JPタワー」を擁する複合施設「麻布台ヒルズ」が開業した。ビルの下から見上げると、あまりの高さに圧倒される。東京タワーからほど近い都心にあり、周辺にはいくつもの高層ビルが立ち並んでいるが、そのなかでもひときわ強い存在感を放っている。 【撮影ワンポイント】麻布台ヒルズ 日没間際であれば森JPタワーとイルミネーションがどちらもよく見える。そびえ立つイメージのアングルで、絞り値を大きくし、LEDの光を十分に写し込むためシャッタースピードを遅くした。オープン間もないタワーを見に来る人が多く、ひっきりなしに人が通る。人のいない写真を撮るのに苦労した。(小林正明) タワーは52階までがオフィスで、54階から最上の64階までが住居だ。働く人も住む人も絶景が眺められることは間違いない。外観デザインを手がけたのは、米国の建築家シーザー・ペリ氏が創設したペリ・クラーク・アンド・パートナーズ(PC&P)。ニューヨークのワールドフィナンシャルセンターのほか、日本国内でも「あべのハルカス」(大阪市)や愛宕グリーンヒルズ(東京都港区)などといった超高層ビルが実績に数えられる。 タワーのそばを見回すと、うねるような流線形をした低層の建物群が目を引く。いずれも、イギリスの建築家トーマス・ヘザウィック氏が日本で初めて手がけたものだ。2012年ロンドン五輪の聖火台をはじめとした個性豊かなデザインに定評がある。敷地内にはほかにも、国内外の現代美術家が手がけたパブリックアートが立ち並ぶ。再開発を手がけた森ビルの辻慎吾社長は「ここまでデザインにこだわった街は、世界を見回してもないでしょう」と胸を張る。 森ビルによると、敷地の一帯はかつて木造建物の密集地域だった。1989年に再開発計画が動き出し、地権者との交渉を経て、着工は30年後の2019年。「緑に包まれ、人と人をつなぐ『広場』のような街」をコンセプトに生まれ変わった敷地内には、芝生の広場や果樹園などが広がっている。 「高さ日本一を目指したので… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
内定を蹴った大学生「SNSで生きる」 1回の投稿で数十万円の収入
全国に展開する大手ファストフードチェーンの新卒採用の内定をもらってから、1カ月が過ぎたころだ。 大学4年生の男子大学生(22)は自宅でスーツを着て、ノートパソコンに向きあっていた。画面の先には、内定を出してくれた企業の採用担当者がいた。 会議が始まってすぐ、就職の内定を辞退したいことと、その理由を告げた。 「SNSの世界で、生きていこうと思います」 知り合いからは、安定した道に進むべきだとこぞって反対された。反対されるとわかっていたから、親には相談さえしなかった。 それでも、SNSで生計を立てる自信はあった。 「アノニマス」というアカウント名で、動画投稿アプリ「TikTok」や投稿サイト「YouTube」に動画を投稿。ほかのSNSも合わせて、フォロワー数は100万人を超える。 福岡市の繁華街で、通行人に「ストリートスナップの写真を撮らせてほしい」と声をかけ、相手が応じてくれるまでの短い会話のやりとりを撮影する。それを1分ほどにまとめた動画が人気となり、いまでは道行く人から逆に声をかけられるなど、若者の間で知られた存在だ。 動画投稿に本格的に取り組みはじめたのは昨年1月。自身の知名度と影響力をどうしたら高められるか、それをどう生かすべきなのか。 ずっと考え続けたすえに、就職の内定を断り、SNSの世界に飛び込むことを決断した。 ヒントは海外の人気動画、予想を超えてフォロワー急増 原点にあったのは、貧しかった少年時代の経験だ。 子どものころ、すり切れた畳… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
自動運転バス、つなげて電車に? 全国初の試乗会始まる 東広島
JR西日本は広島県東広島市内で、サイズの異なる2台のバスを自動運転で隊列走行させる実証実験を続けている。昨年11月に始まった国内初の試みだ。1月10日からはバス路線で一般向けの試乗会も始まり、記者も乗り心地を体験した。 【動画】広島県内の公道で、自動運転の連節バスの試乗会が始まった 実験は、市中心部のJR西条駅から広島大学東広島キャンパスを結ぶ公道で行われている。運行するのは、通常より長い車体に多くの乗客を乗せられる「連節バス」。自動運転で走る区間は緩いカーブの3・2キロで、このうち1・5キロの区間では別の自動運転バスと隊列を組んで走る。 これまで乗客は乗せてこなかったが、10日の初回の試乗会には記者を含む約20人の報道陣がバスに乗り込んだ。急発進や急ブレーキに備えてヘルメットをかぶって乗車した。 出発点は広島大学東広島キャ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
避難し、孤立集落経験の受験生「負けたくない」 共通テスト始まる
大学入学共通テストが13日、全国で一斉に始まった。2025年1月実施のテストからは「情報」が追加されて6教科8科目になるため、現行の5教科7科目での試験は今回が最後となる。 「ピンチをチャンスに」、思いを胸に 金沢市では午前7時半ごろ、冷たい雨が降る中、受験生たちが試験会場の金沢大学に続々と到着した。 友人と試験室に向かった金沢学院高校(金沢市)3年の中平恋姫(こいき)さんは、1日に起きた能登半島地震で液状化の被害が大きかった石川県内灘町から来た。自宅周辺は道がゆがんで家が傾き、「周りはもうぐちゃぐちゃです」。 地震が起きたときは家族と自… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
福島県職員らが家屋の被害調査で応援 北陸の被災地で願ったことは
能登半島地震の被害が大きい富山県氷見市で12日、家屋の被災状況の調査が始まった。「一日も早い生活再建を」という思いで、東日本大震災の被災地・福島の県職員4人も応援に入った。 市によると、市内の住家被害は全壊16棟、半壊22棟。各種支援を受けるには、建物の被害を認定する罹災(りさい)証明書が必要で、地震後の申請件数は2460件を超している。 この日の調査は、罹災証明書を発行するためのもの。調査対象となった市北部の姿地区には、57世帯113人が暮らす。地震で家屋や納屋があちこちで全半壊し、断水が続く。地区の集会所に7世帯11人が避難している。 調査で福島県の職員「地震特有の被害が大きい」 福島県災害対策課主幹兼副課長の箭内(やない)良次さん(49)は「家の壁がやられ、傾きもある。局所的に地震特有の被害が大きい」と話した。福島県内59市町村と県で昨秋組織した「ふくしま災害時相互応援チーム」の枠組みで、今回初めて出動した。 箭内さんは氷見市職員らと家屋の傾きや壁、基礎、屋根の状態を確かめた。これらのデータは、全壊から一部損壊まで6段階の判定に必要だという。 箭内さんは東日本大震災の際… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
高齢者は重荷なのか 社員は「ばあちゃん」危機だから誓う起業家の夢
人手不足が連鎖すれば、一人一人にのしかかる負担は大きくなる。前向きな未来を描くため、危機を突破する鍵はどこにあるのか。 連載「8がけ社会」 高齢化がさらに進む2040年。社会を支える働き手はますます必要になるのに、現役世代は今の8割になる「8がけ社会」がやってきます。今までの「当たり前」が通用しなくなる未来を私たちはどう生きるべきでしょうか。専門家の力も借りながら、解決に向けた糸口を探ります。 高齢者を社会の「負担」と捉えれば、現役世代が減る「8がけ社会」が重苦しくなるのは避けられない。そうした未来は必然なのか。 福岡市から車で1時間ほど。筑後川上流にあるうきは市の山あいを進むと、元々保育園だった建物からにぎやかな声が聞こえてきた。 「最近、寒くなってきたねえ」「今日は昼過ぎに帰って畑仕事だ」。出勤した社員たちが雑談を交わしつつ、今日の仕事内容を相談していた。 社員の大半は「ばあちゃん」 社員は約20人。その大半が75歳以上の女性、通称「ばあちゃん」が働く。そんな株式会社「うきはの宝」の調理場には、ばあちゃんの知恵が詰まった商品が並ぶ。スイーツや調味料、日持ちする総菜など手作りの商品を次々と開発し、オンライン販売の売れ行きは好調だ。特に30~40代の女性に支持されている。 近所で採れた柿の皮を、まっすぐ伸びた姿勢で手際よくむいていく。まるで80代とは思えない社員の一人、内藤ミヤ子さん(87)が「家にいても旦那と二人で刺激がない」と打ち明けると周囲は大笑い。「働くようになって健康になった。病院にも行っていないしサプリも飲んどらん」と胸を張った。 雇用に加え、高齢者の生きがいも作ってビジネスにできれば、地域全体は元気になる。同社を創業した大熊充さん(43)は「世代間対立や老害という言葉がとても嫌いで」、会社を作った動機はそんな「固定観念」への反発だったという。 入院で知った、ばあちゃんのエネルギー うきは市出身だが、30代まではデザイナーとして働きづめだった。生活を犠牲にして働く中で「社会や地元のためになっているのか」との疑問が何度も頭をもたげた。 20代の頃、バイク事故で長期間入院した。一緒に入院していたばあちゃんたちは、うるさいほどおせっかい。でもそれが、落ち込む自分を元気づけてくれた。 記事の後半では、あらゆる仕事の現場を人手不足が襲う「8がけ社会」の危機を突破する鍵を探ります。テクノロジーを駆使する起業家は「楽しさ」が社会を変える力になる、と語ります。 まるでお荷物のように言われ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
輪島の火災跡で「遺骨らしきもの複数発見」 富山県警が活動報告
能登半島地震を受け、石川県に派遣されていた富山県警広域緊急援助隊が12日、活動の模様を報道陣に報告した。大規模火災があった石川県輪島市での捜索で、遺骨の可能性があるものを発見した状況や、被災者の感謝の言葉に励まされた心境を語った。 隊員28人は7日に出発し、金沢経由で能登に向かった。八田俊寛中隊長によると、土砂崩れや崩落による悪路に加え、雪の影響もあって一部の目的地には入ることさえできなかった。 実際に捜索活動ができたのは9日午後。地震後、大火に見舞われた輪島市河井町で、犠牲になっている人がいないか捜した。みぞれが降る中、隊員らは焼け跡のがれきを取り除き、灰や泥の中にひざをつき、手探りで掘った。結果、遺骨ではないかと思われるものを複数発見し、石川県警に引き継いだという。 八田中隊長は「もし亡くなった方なら、体の一部も出てこないのは家族にはつらいこと。人命救助はできなかったが、心を救うところに微力ながら貢献できたのでは」と述べた。 10日には、警察の部隊として初めて同市門前町の皆月地区に入り、全員の安否を確認した。隊員は住民から「富山も大変なのにありがとう」「皆無事だから、帰れなくなる前に戻って」と温かい声をかけられたという。(佐藤美千代) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル