日本三大朝市の一つ「輪島朝市」(石川県輪島市河井町)が能登半島地震で大火災の被害を受けた。少なくとも200棟以上の店舗などが焼けた。焼け跡では消防や警察が捜索を続けるなか、朝市の関係者たちが途方に暮れている。 火災現場に自宅があった中村祐子さん(64)は10日午前、車を取りに現場近くを訪れた。4人で暮らした自宅は全焼してしまったといい「先の見通しは全く立たない」という。「帰りを待っている人がいると思うので、早く見つかって欲しい」 この日の県の災害対策本部員会議では、損傷が激しい人の骨のようなものが見つかったと報告があった。大規模捜索は13日まで続く予定だ。 地震発生から10分もたたず、火の手あがる 観光地をのみ込んだ元日の大火。近くに住む男性(75)によると、能登半島地震発生から10分もたたずに火の手があがるのを見た。道路のあちこちに亀裂が入って消防車の行く手を阻み、約1時間で10軒ほどに延焼したという。 津波に備えて自宅から逃げた… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
辺野古での工事強行 前のめりな政府に沖縄知事「大きな間違い」
沖縄県の対話を望む声をかえりみず、政府は辺野古の新たな区域で工事を強行した。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設計画は、知事の権限を奪う異例の「代執行」から2週間たらずで重大局面を迎えた。政府の前のめりな姿勢に憤りの声が広がっている。 「一方的な文書の送付ばかり。民意を軽視」 「畳みかけるように工事を進めることで、(沖縄に)諦め感を醸し出そうという考えであれば大きな間違いだ」 沖縄県の玉城デニー知事は10日夕、記者団に憤りをあらわにした。知事選や県民投票で示された埋め立て反対の民意が揺らぐことはない、とも強調した。 玉城氏は、昨年9月に就任した木原稔防衛相らが「地元への丁寧な説明を行う」としながら、玉城氏が希望する面会が実現していないことを問題視。「一方的な文書の送付が重ねられるばかりで知事の権限を奪う代執行に至り、工事の着手が強行された。民意を軽視している」と批判した。 県幹部によると、沖縄防衛局… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
二番福は能登へ派遣待つ消防士 参加に悩み…「被災地に福を」と決断
西宮神社(兵庫県西宮市)で10日早朝に執り行われた神事「福男選び」。見事福男の座をつかんだのは初挑戦の3人だった。それぞれの思いを胸に、新春の境内を駆け抜けた。 「一番福」は、追手門学院大1年の高谷望巳さん(19)=尼崎市。陸上部で鍛えた俊足を飛ばし、本殿に一番乗りした。「今までの自分は消極的で福男選びに参加するような性格ではなかった。これを機に色々なことに挑戦したい」 一緒に来た友人は抽選に外れ不参加。まずは背中を押してくれた友人に報告したいという。 「二番福」は鳥取市の消防士、山下慎之介さん(23)。能登半島地震で鳥取市内は震度4。沿岸に津波注意報が出された。元日は非番だったが、手伝えることはないか、周辺に高齢者が多く住む避難所を見て回ったという。 「被災地は大変な状況。自分だけ楽しい思いをしていいのか」。福男選びへの参加も迷ったが、「自分のできることをやろう」。今後被災地に派遣される可能性があり、「被災地に福を持って行くつもりで」参加を決めた。 「三番福」は神戸大4年の多田龍平さん(23)=西宮市。「最初に伝えたい人は」との問いに、迷わず両親、と答えた。アメリカンフットボール部に所属。家から通える距離だが、部活に専念できるよう一人暮らしをさせてもらった。 「迷惑をかけてばかり。おかげで好きなことに思い切り打ち込むことができた」。両親に捧げる感謝の三番福となった。 福男選びは商売繁盛を願う「十日えびす」の神事。午前6時の開門と同時に約5千人が約230メートル先の本殿まで参拝一番乗りを競った。今年は福男による鏡開きや振る舞い酒も4年ぶりに復活。神事はコロナ禍前の姿に戻った。(真常法彦) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
志賀原発の前の海にまた油膜 約6リットル 北陸電「反省している」
能登半島地震をめぐり、北陸電力は10日夜、志賀原発(石川県)前の海面で、推定約6リットル分の油膜を確認したと発表した。油膜の確認は、7日に次いで2度目。 北陸電は1日の地震で屋外にある変圧器から漏れた油(推定約1万9800リットル)の一部である可能性があるとしている。 油が漏れた変圧器は放射線管理区域外にあり、北陸電は「外部への放射能の影響はない」と説明している。 北陸電によると、10日に油膜が確認されたのは、地震で油漏れがあった変圧器周辺の側溝の排水路の先にある海面で、7日に油膜が確認されたのとほぼ同じ場所。 10日正午ごろ、社員が側溝に油膜があることを見つけ、下流側を調べたところ、午後1時ごろに海面の約100メートル×約30メートルの範囲で油が浮いていることを確認した。 油の量は6リットル程度と推定され、7日に確認された約5メートル×約10メートルの推定100ミリリットルよりも多いという。 北陸電は対策として、発電所… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
志賀原発の断層連動、想定の96キロ超える 再稼働審査で見直しも
志賀原発2号機の再稼働に向けた原子力規制委員会の審査では、敷地内の断層が活断層かどうかが長く焦点になってきた。 新規制基準では、重要施設の直下に活断層がないことを求めている。ずれが生じれば事故につながりかねないためで、12万~13万年前以降に活動したことが否定できなければ、再稼働できずに廃炉を迫られる。 規制委の有識者会合が「活断層と解釈するのが合理的」などと指摘。北陸電は追加データを示して否定。昨年3月になって活断層でないことが認められた。 ただ、周辺の活断層の審査は、まだ始まったばかり。これが終わらないと、原発での揺れや津波の想定も固まらない。 審査では、まさに断層の連動を検討中で、北陸電は今回の震源断層と重なる断層帯が96キロにわたって連動すると評価したものの、その東西に隣接する断層とは連動しないと説明していた。 今回の震源域は東西150キ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
辺野古の新たな工事に「無力感」、それでも抗議をやめない 憤る市民
政府は10日、辺野古で新たな工事に着手した。計画浮上から30年近くが経つ米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画。代執行で知事権限を奪い、工事を強行する政府の姿勢に「気持ちをぺしゃっとつぶすのが国のやり方」「なんたることだ」と憤りは、沖縄の内外に広がった。 工事車両が出入りする米軍キャンプ・シュワブ(名護市辺野古)のゲート前。政府が移設事業に着手して以降、抗議の座り込みが3475日を数えた10日も、40人超の市民らが声をあげていた。 「辺野古埋立阻止」のボードを掲げていた豊永美菜子さん(48)=読谷村=は昼ごろ、ざわつく周りの会話で着工を知った。有無を言わせぬ姿勢は何度も目にしてきた。驚きはなかった。それでも「とにかく工事をするのだという国の前のめりの姿勢が怖い」。 1年前から週1回、ひとりで車を1時間ほど走らせて通う。おととし10月、〈座り込み抗議が誰も居なかったので、0日にした方がよくない?〉との投稿がSNS上で広まったことがきっかけだった。「目に見える形で意思表示をしなければ、ないことにされてしまう」と危機感が膨らんだ。 普天間返還合意の契機となった1995年の少女暴行事件のときは、20歳。母親から「気をつけなさい」と言われたが、深く考えることはなかった。変わったのは、子どもが生まれてから。近所では、酒に酔った米陸軍上等兵が民家に無断で侵入する事件が起きた。当時家にいた女子高生は、生後5カ月の妹を抱えて裸足で逃げた、と聞いた。「自分の娘だったら」と身震いした。 長女(17)は普天間飛行場… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
アパートの遺体、殺人事件と断定 三重・鈴鹿、死因は窒息死
三重県鈴鹿市末広北2丁目のアパートの一室で男性の遺体が見つかった事件で、県警は10日夜、男性の死因は首を圧迫されたことによる窒息死だったと発表した。県警は遺体の状況などから殺人事件と断定し、鈴鹿署に90人体制の捜査本部を設置した。 県警によると、男性はこの部屋に住む清掃アルバイトの近藤康夫さん(77)。司法解剖の結果、9日未明ごろに亡くなったとみられるという。近藤さんの首には衣類が巻き付いていて、県警はこの衣類で首が圧迫された可能性があるとみている。遺体の顔や首、腕には複数の皮下出血なども見つかったという。 近藤さんは一人暮らし。連絡が取れないことを不審に思ってアパートを訪ねた親族が居間で仰向けに倒れている近藤さんを見つけ、9日午後3時40分ごろに鈴鹿署に通報した。部屋のドアは施錠されており、親族はアパートの管理会社に連絡して合鍵でドアを開けたという。 現場は伊勢鉄道の玉垣駅から北西に約1キロの住宅街。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ジンベエザメ、オスに続いてメスも死ぬ 能登半島地震で被災の水族館
能登半島地震で被災したのとじま水族館(石川県七尾市)は10日、飼育していたジンベエザメの2頭のうち、前日のオスの1頭に続き、メスの1頭も死んだと発表した。地震で設備が壊れ、水槽内の水質や水温など環境が悪化したことが原因とみている。 メスの「ハク」(体長4・9メートル)は、9日昼ごろにオスの「ハチベエ」(同4・6メートル)が死んでいるのが見つかった時点では、泳いでいる様子を職員が確認していたが、10日午後3時40分ごろ、水槽の底で沈んでいた。 同水族館では2010年8月に「ジンベエザメ館」を開館させて以来、常に1~2頭を飼育し、ハチベエとハクは22年9月から8、9頭目として飼育していた。他の7頭は体長が5メートルを超えると海にかえしていたという。 同館では現在、イルカ10頭、アシカ2頭、ペンギン35頭なども飼育している。一部は、福井県の水族館に「避難」させており、より良い飼育環境を求める対応を続けている。(長屋護) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
知的障害者の不動産「無断」売却、不妊処置提示の法人 元利用者提訴
北海道江差町で障害者施設を運営する社会福祉法人「あすなろ福祉会」の元利用者の60代男性が、相続した札幌市の土地・建物を同会側に無断で売却され、代金も返還されていないとして、同会と樋口英俊理事長を相手取り、約5854万円の損害賠償を求める訴えを函館地裁江差支部に起こした。提訴は9日付。男性は知的障害があり、原告側は「財産権の侵害で、きわめて悪質な行為だ」と主張している。 樋口理事長は取材に「売買契約は男性と叔父が同席して行われた。送金を含めて適正だったことは法廷で証明する」と話した。 訴状や原告代理人の川口智博弁護士によると、男性は1990年ごろから2021年末ごろまで、同会の施設に入所していた。自分名義の口座通帳の管理を同会に依頼し、同会が通帳を預かっていた。 17年に母親が亡くなり、札… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大阪万博の各国パビリオン、初めて着工 1カ国目はシンガポール
2025年4月から始まる大阪・関西万博に出展するシンガポールのパビリオンが10日、会場の人工島・夢洲(ゆめしま、大阪市此花区)で着工した。各国が独自につくるパビリオンの建設が始まるのは初めて。11月上旬の完成を予定している。 同国のパビリオンの敷地は約900平方メートル。会場中心部を取り囲む木造の大屋根(リング)のすぐ内側にある。この日は工事関係者10人が夢洲を訪問。建設場所を示す杭が設計図通りに打ち付けられているかなどを測量で確認した。 シンガポール政府観光局は「建設の開始をお知らせできることをうれしく思う」とコメントを発表した。完成イメージ図や展示の詳細については、後日発表する。 万博を主催する日本国際博覧会協会によると、パビリオンの施工業者が決まった国は9日時点で35カ国。各国のパビリオンの建設は遅れており、約20カ国はまだ施工業者を探している。(箱谷真司) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル