2022年7月に安倍晋三元首相が襲撃された事件で、奈良地裁は10日、殺人や銃刀法違反の罪で起訴された山上徹也被告(43)の第2回公判前整理手続きを23日に開くと明らかにした。 地裁によると、手続きは午前10時から非公開で開かれる。当日は終日駐車場を閉鎖。入庁を正面玄関に制限し、所持品検査を実施する予定という。 第1回は当初昨年6月12日に予定され、山上被告も出席する意向だったが、当日に地裁に不審な段ボール箱が届き、急きょ中止された。中身は山上被告の減刑を求める署名などの書類だった。延期された手続きは昨年10月に開かれたが、山上被告は出席しなかった。(仙道洸) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「大川原化工機」国賠訴訟 都と国が控訴 地裁は捜査の違法性認定
生物兵器の製造に転用できる機器を無許可で輸出したとして逮捕、起訴され、その後に起訴が取り消された「大川原化工機」(横浜市)の社長らが、東京都と国に賠償を求めた訴訟で、都と国は10日、逮捕や起訴などの違法性を認めて計約1億6千万円の賠償を命じた東京地裁判決を不服として東京高裁に控訴した。 警視庁公安部は2020年3月、同社の「噴霧乾燥機」が輸出規制の対象なのに国の許可を得ずに輸出したとして、外国為替及び外国貿易法違反の容疑で大川原正明社長ら3人を逮捕。東京地検は同月に起訴したが、輸出規制の要件の一つである殺菌性能を立証できないとして、21年7月に起訴を取り消した。 23年12月の地裁判決は、逮捕前に同社の複数の従業員が、機器には殺菌に必要な温度に達しない箇所があると具体的に説明していたのに、それを確認せずに公安部が逮捕したのは違法と認定した。東京地検も起訴前に同様の報告を受けており、勾留請求や起訴も違法だったと判断した。 また公安部の警部補が同社の元役員に対し、殺菌要件の解釈をあえて誤解させた上で供述調書に署名押印させ、「偽計を用いた取り調べ」をしたとして違法性を認めた。 訴訟では、昨年6月、証人として出廷した現役の公安部の警部補が、事件について「まあ、捏造(ねつぞう)ですね」と述べていた。 東京地検の新河隆志次席検事は「判決の内容を精査検討し、上級審の判断を仰ぐことにしたものと承知している。本件で結果として公訴取り消しに至ったことについては、真摯に受け止めている」とするコメントを出した。(金子和史) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
85歳女性を殺害か 強盗殺人容疑で服役中の男を逮捕 福島・いわき
福島県いわき市勿来町窪田町通1丁目の無職小松ヤス子さん(当時85)が昨年2月、自宅で殺害された事件で、福島県警は10日、住所不定、無職木村進容疑者(52)を強盗殺人容疑で逮捕し、発表した。県警は「捜査に支障がある」として認否を明らかにしていない。 捜査本部によると、木村容疑者は昨年2月3日午後1時ごろ、金品を奪う目的で小松さん宅に侵入し、小松さんの頭部を鈍器で複数回殴って殺害した疑いがある。木村容疑者は小松さんと事件以前に面識があった可能性があるといい、捜査本部は2人の関係を調べる。 県警による周辺の防犯カメラ画像の解析や、現場の遺留物の分析などから木村容疑者の関与が浮上した。木村容疑者は昨年3月、別の住宅への邸宅侵入と窃盗未遂容疑で福島県警に逮捕されるなどし、服役中だった。(西堀岳路、滝口信之) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大川原化工機訴訟、東京都と国が控訴へ 判決は捜査の違法性を認定
「大川原化工機」(横浜市)への捜査をめぐる訴訟で、東京都と国は、逮捕や起訴などの違法性を認めて計約1億6千万円の賠償を命じた東京地裁判決を不服とし、東京高裁に控訴する方針を固めた。関係者への取材でわかった。 控訴期限は10日。大川原化工機側も控訴するか検討を進めている。 警視庁公安部は2020年3月、同社の噴霧乾燥機が輸出規制の対象なのに国の許可を得ずに輸出したとして、外為法違反容疑で大川原正明社長ら3人を逮捕。東京地検は同月に起訴したが、輸出規制の要件の一つである殺菌性能を立証できないとして、21年7月に起訴を取り消した。 大川原社長らは損害賠償を求めて都と国を提訴。23年12月27日の地裁判決は、機器には殺菌に必要な温度に達しない箇所があると同社側が具体的に説明していたのに、それを確認せずに公安部が逮捕したのは違法と認定。東京地検による起訴なども違法と判断した。 また公安部の警部補が同社の元役員に対し、殺菌要件の解釈をあえて誤解させた上で供述調書に署名押印させ、「偽計を用いた取り調べ」をしたとして違法性を認めた。 訴訟では、昨年6月、証人として出廷した現役の公安部の警部補が、事件について「まあ、捏造(ねつぞう)ですね」と述べていた。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
北海道の上富良野で続く100年のビール物語 伝説のホップを逆輸入
眼前に白い雲が浮かぶ青空と十勝岳連峰。足元は紫のラベンダーと黄金色の麦畑。上富良野町の小高い丘陵に立つ私をさわやかな風が通り抜ける――。 上富良野町産ホップで醸されたビールの飲み心地を風景で表すと、そんな風に感じる。 北海道のほぼ中央、十勝岳に抱かれた上富良野町は100年前からホップ栽培が続く日本ビールのふるさとだ。この地のホップをめぐる三つのストーリーを、ビール片手にお読みいただいてはいかがだろうか。 まずは「伝説のホップ」ソラチエース。 上富良野町にはサッポロビール(本社・東京)原料開発研究所がある。同社がビール原料であるホップの試験栽培を始めたのが1923(大正12)年。日本で唯一、ホップ株を絶やすことなく育種してきた。 ホップとは何か。 「豚のショウガ焼きで言うと… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
志賀原発の揺れ、一部で想定をわずかに上回る 原子炉への異常なし
能登半島地震について、原子力規制委員会は10日、原子力施設の被害状況などを確認し、今後の対応を議論した。 原子力規制庁の報告によると、停止中の志賀原発1、2号機(石川県)では、揺れに関する想定を一部でわずかに上回っていた。ただ、使用済み燃料の冷却に必要な電源などは確保され、安全上の問題はないという。 想定は、旧原子力安全・保安院時代のもの。2号機は新規制基準の審査中で、1号機は未申請だ。 原発は施設や設備ごとに揺れやすい周期があり、周期ごとに最大の揺れの勢いを示す加速度(ガル)を想定する。1日の能登半島地震では、一部の周期帯で想定をわずかに上回る揺れを確認したが、原子炉建屋や圧力容器などの重要施設が揺れやすい周期ではなく、現時点で異常はないという。 また、停止中の東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)では、すべての周期帯で想定を下回ったという。 地震などの審査を担当する石渡明委員は今回の地震について「余震の震源域が150キロかそれ以上。いくつかの断層が連動して動いている可能性がある」と発言。「地震の専門家の研究をフォローして、審査にいかしていく必要がある」と語った。 志賀原発では、外部電源を受… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
一番福は大学生「被災地に日常が戻りますように」西宮神社の福男選び
全国のえびす神社の総本社、西宮神社(兵庫県西宮市)で10日、参拝一番乗りを競う神事「福男選び」があった。商売繁盛を願う「十日えびす」にあわせた恒例行事。午前6時の開門と同時に約5千人が約230メートル先の本殿をめざし、参道を駆け抜けた。 一番福を手にしたのは追手門学院大1年の高谷望巳さん(19)=同県尼崎市。陸上部で鍛えた俊足で本殿に一番乗りした。「みんなを楽しませられるような福男になりたい」。能登半島地震の被災地にも思いをはせ、「被害にあった方々が一日も早く日常を取り戻せるよう願っています」。 二番福は消防士の山下慎之介さん(23)=鳥取市、三番福は神戸大4年の多田龍平さん(23)=西宮市=だった。 新型コロナの感染防止対策で見送ってきた、福男による鏡開きと振る舞い酒も4年ぶりに再開された。(真常法彦) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「浴衣のままで客逃げた」風呂自慢の輪島の宿、再起の矢先に大地震
最大震度7を観測した能登半島地震。大規模な火災に見舞われた輪島朝市周辺の宿泊施設も、建物が壊れるなど大きな被害を受けている。 輪島朝市から1.5キロ。日本海を望む海辺に立つ、市内最大級の観光宿泊施設「ホテルこうしゅうえん」(石川県輪島市)も被害を受けた。 門松が飾られたままのエントランス。ガラスは割れ、ロビーには、はがれ落ちた天井や調度品のつぼが散乱している。客から預かったスーツケースやリュックが台車に載せられたまま残っていた。 「こんなことばかり。繰り返しですよ」 同ホテルの営業統括支配人の蔵角(くらかど)信幸さん(68)は防犯のため、地震があった1日からホテルに泊まり込み、留守番をしている。 元日、ホテルには120人ほどの客が宿泊予定だった。1度目の地震のあと、蔵角さんは従業員に宿泊客の安全の確認を指示し、大浴場の入浴客に避難を呼びかけているところで2度目の揺れに襲われた。 タイルが落ち、かごが散乱する脱衣所を抜け、浴衣姿のままの客を高台にある駐車場に避難させた。 ロビーから日本海の潮が引いたのが見えた。 「津波が来る」 覚悟したが、陸上に達するような津波は来なかった。 同市内にある蔵角さんの自宅も、被害を受けた。駐車場は潰れたが、妻は傾いた家の隙間にいたため助かったという。今、妻は避難所に身を寄せ、蔵角さんはホテルのロビーで生活している。 輪島の観光客数は「年々減少傾向だった」と話す。2015年に輪島が舞台になったNHKの朝ドラを機に持ち直したが、新型コロナウイルスの感染拡大で激減。コロナの「5類」引き下げと入国規制緩和で国内外の観光客が戻り始め、また頑張ろうと思った矢先に震災に襲われた。 「今回の地震で、能登に行こうという観光客は減るのでは」と嘆く。 「輪島の観光や従業員のことを考えると、縮小してでも、残した方がいいのでは。行政と民間が同じ意識で取り組まないと、復興は難しいと思います」 複雑な思いでいる。(関田 航) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
首都圏の私立中学入試が本格スタート のべ1万人超が出願する学校も
埼玉県内にある私立中学校で10日、入学試験が始まり、首都圏の受験シーズンが本格的にスタートした。 例年、県内外から多数の受験生が集まることで知られる栄東中学(さいたま市)では、この日、5598人が出願。午前8時の受け付け開始時間前から、駅から学校までの道では多くの親子が列を作っていた。 東京都北区の男子受験生は「勉強してきた成果を頑張って出したい」。母親(49)は「今日が受験の初日。緊張せず臨んでもらえれば」と話していた。 同校では、新型コロナウイルスが5類になったことから、受験会場の教室に設置してきた仕切りは今年は設けなかった。ただ、検温や換気などの感染対策は引き続き実施。コロナ前は多くの塾関係者が激励に訪れる姿が恒例だったが、今年も自粛を要請した。 同校では11日や12日なども試験があり、全日程を合わせると、のべ1万2918人が出願している。出願者がのべ1万人を超えるのは11年連続という。井上和明入試広報センター長は「中学受験熱の高まりもあるし、交通アクセスが良くなって東京や神奈川からの受験生も増えた」と話す。 1月20日には千葉県で、2月1日には東京都と神奈川県の私立中学でも、入試が始まる。(滝沢貴大) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
NHK、BSチャンネルで地上波ニュース 地震の視聴困難対策
NHKは9日、能登半島地震の影響で、石川県輪島市や珠洲市の一部地域で、地上波の放送が見られない状況が続いていることを受け、衛星放送の空きチャンネルを使って、地上波のニュース番組を伝える取り組みを始めた。チャンネルは、昨年11月末まで「BSプレミアム(BSP)」として使われていた「BS103チャンネル」(チャンネル番号は「3」)を使う。 9日午後6時から放送を始めた。「おはよう日本」「昼ニュース」「ニュース7」「ニュースウオッチ9」といったニュース番組のほか、「クローズアップ現代」や「NHKスペシャル」で能登半島地震に関連するテーマを取り上げる場合、放送する。また金沢放送局が石川県域向けに放送している「おはよう石川」「かがのとイブニング(610)」「ニュースいしかわ845」などのニュース番組なども流すという。 NHKは昨年12月1日にBSのチャンネルを再編。BS1のチャンネルを「NHK BS」に改称し、番組編成をBS1とBSPの両チャンネルを統合した内容に変更した。それに伴い、BSPでの番組放送は休止し、今年3月末に停波する。NHKの井上樹彦副会長は9日の会見で「3月まで免許があったので、できたこと。あらゆる伝送路を使って放送を届けられれば」と述べた。 総務省によると、地震の影響で停電などにより、中継局の非常用電源のバッテリーが枯渇するなどし、輪島市の一部の地域でNHKや民放が見られなくなっている。このほか、同市や珠洲市の一部では、ケーブルテレビで視聴する世帯が、関連設備の破損などで視聴できない状態が続いているという。(宮田裕介、中沢絢乃) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル