JR只見線の利用客を増やす活動をしている「只見線こども会議」のメンバーが、JR五能線(青森・秋田県)の観光列車を只見線に走らせることを求める3705筆の署名を、JR東日本に渡した。 只見線こども会議は、2022年10月に約11年ぶりに全線再開した只見線の利活用策を考えようと、只見町など沿線地域に住む小中学生らが結成した。23年9月に開かれた会議で、只見中1年の角田杏(あん)さん(12)が、五能線を走る観光列車「リゾートしらかみ橅(ぶな)編成」を、只見線で走らせるアイデアを提案。その後、メンバーが昨年12月中旬まで、沿線住民や観光客から、只見町の人口とほぼ同じ数の署名を集めた。 メンバーは同12月26日にJR会津若松駅を訪れ、JR東の担当者に署名を提出した。その後、福島県只見線管理事務所や国土交通省東北運輸局を訪ね、実現に向けての支援をお願いした。 リゾートしらかみは、世界自然遺産の白神山地がある青森・秋田県の日本海沿いを走る臨時列車。特別な塗装を施され、車内や停車駅で様々なイベントが催されている。 角田さんは「只見町には白神山地と同じ大きなブナ林があり、リゾートしらかみを走らせれば大勢の観光客に来てもらえると思う。夢を実現させるためにこれからも頑張っていきたい」と話した。(斎藤徹) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
【速報中】石川県内の安否不明者、323人に 輪島で250人増える
1月1日夕に起きた能登半島地震。被害の深刻な地域を中心に、道路やライフラインの途絶が続いています。タイムライン形式でお伝えします。 ■■■1月8日■■■ 16:30 石川県内で1万7千戸の停電続く 全面復旧の見通し立たず 斎藤健経済産業相が経産省で会見し、8日午後時点で石川県内の1万7千戸で停電が続いている状況だと明らかにした。北陸電力が他社からの応援も得て1千人規模で復旧作業を続けているが、道路損壊で進入できない地域や配電設備が激しく損壊している場所もあり、全面復旧の見通しは立っていない。 経産省や北陸電力は200人以上を収容できる大規模避難所への電源車活用を優先しており、8割以上の避難所で電力供給が可能になったという。一方で積雪の影響もあり、復旧工事のリスクは下がっていない。電力復旧について、斎藤氏は「いまの時点でいつまでにどうなるというのはなかなか申し上げにくい。不確定要素が多いということをぜひご理解いただきたい」と語った。 16:20 旅館やホテルの「みなし避難所」確保へ、利用額基準を引き上げ 松村祥史防災担当相は、旅館やホテルの空室を自治体が借り上げる「みなし避難所」について、利用額の基準を1泊1人7千円から1万円に特例的に引き上げると明らかにした。 8日午後、首相官邸で記者団の取材に答えた。松村氏は「被災者の方々が安心して避難生活を送れるよう、環境の整った避難先の確保は喫緊の課題だ」と語った。みなし避難所をめぐっては、岸田首相が同日の非常災害対策本部会議で「県内外の宿泊業者の協力を得て、提供できる室数を大幅に増加させる」と述べ、利用額の基準引き上げを指示していた。 また、松村氏は警察官による救助者数が90人となったと明らかにした上で、「倒壊家屋などについて、要救助者がいないか入念な確認作業を進めている。引き続き懸命に捜索救助活動をしていきたい」と語った。 15:30 現地で活動する自衛隊員200人増、計6100人に 木原稔防衛相は8日、被災者の生活支援のため、現地で活動する自衛隊員約200人を増強し、計約6100人となったと発表した。また、自治体のニーズに応える形で、新たに石川県穴水町と志賀町で入浴の支援を始めるとした。 防衛省で記者団に語った。志賀町では13カ所の給水支援も設けるという。 前日は悪天候により一部見合わせていたヘリの物資輸送は、8日には全機が再開。また、土砂崩れなどで一部が寸断されている国道249号の復旧に向けては、海上からも作業にあたる考えを示した。 発災から1週間を迎えたことについて、木原氏は「発災後から部隊の隊員は本当に懸命に、様々な活動を持ち場で実施してきた。非常に難しい地理的状況などの側面があったが、適切に対応できていると思う」と述べた。 15:00 安否不明者323人に 輪島市で午前から250人増える 石川県は8日午後2時時点で、地震のためとは断定できないが連絡が取れなくなっている県内の安否不明者が323人に上ると明らかにした。死者は168人となった。同日午前9時時点では、安否不明者103人、死者161人だった。 県によると、安否不明者は、輪島市で281人、珠洲(すず)市で29人など。輪島市の安否不明者は、午前中に比べて250人増えた。 死者は珠洲市で70人、輪島市で70人、穴水町で18人、七尾市で5人、能登町で2人、志賀町で2人、羽咋(はくい)市で1人だった。行方不明者は珠洲市で1人となっている。 14:45 石川県で転覆・沈没の漁船、120隻以上に 37漁港に損傷 農林水産省は8日、地震の影響で石川県で転覆・沈没した漁船が120隻以上になると発表した。このほか、座礁が15隻、流出が10隻あるという。さらに、同県内の69漁港のうち、37漁港で防波堤や岸壁などの損傷が確認されている。また、新潟県では漁船7隻が横転、破損など、富山県でも同4隻が沈没するなどの被害があったという。水産庁の担当者は「まだ被害を調査中で今後も増える」としている。 14:30 給水車の派遣を増やす方針 石川中心に7万戸断水 厚生労働省は8日、同省災害対策本部会議を開き、被災地への給水車の支援を増強する方針を明らかにした。 同日午前時点で、石川県を中心に約7万戸が断水している。武見敬三厚労相は、日本水道協会が派遣中の給水車78台に加え、「さらに派遣数を増加させる」と述べた。 14:25 「激甚災害」に指定へ 岸田首相が方針 岸田文雄首相は、能登半島地震を「激甚災害」に指定する方針を示した。自治体が行う復旧事業については、国庫補助率の引き上げなどの特例措置が、地域を限定せずに適用される見込みとなった。 8日午後に首相官邸で開いた非常災害対策本部会議で明らかにした。首相は「本日までの被害状況調査の結果から、公共土木、農地などの災害復旧事業の補助率のかさ上げ、中小企業の災害関係補償の特例などについて、地域を限定しない激甚災害の指定の基準を超過する見込みが立った」とし、閣議決定に向けた準備を進めるよう関係閣僚に指示した。 また、ホテルや旅館などの空室を自治体で借り上げる「みなし避難所」について、利用額の基準を特例的に引き上げることも表明。「提供できる室数を大幅に増加させ、ヘリ輸送やバスの確保なども並行して進めてほしい」と述べた。滑走路の損傷で閉鎖されている能登空港の復旧も急ぐよう指示し、「復旧後の自衛隊による暫定活用を速やかに開始できるよう、準備してほしい」と述べた。 10:00 石川県内の死者161人に 珠洲市で新たに32人の死亡確認 石川県は8日午前9時時点で、県内で161人の死亡が確認されたと明らかにした。7日午後の時点では、128人と発表しており、それ以降、珠洲(すず)市で新たに32人の死亡が確認されるなどしたという。 県によると、死者は珠洲市で70人、輪島市で70人、穴水町で11人、七尾市で5人、能登町で2人、志賀町で2人、羽咋(はくい)市で1人。行方不明者は珠洲市で1人となっている。 地震のためとは断定できないが、連絡が取れなくなっている安否不明者は103人。7日午後の時点では、195人だった。 09:00 輪島市の死者が70人に 高齢者らの移送は雪で延期 石川県輪島市は8日、市内の死者数が1人増えて70人になったと発表した。 また、この日から市内の避難者のうち高齢者や要支援者ら3人を、県が金沢市内の「いしかわ総合スポーツセンター」に設ける「1・5次避難所」に移送する予定だったが、雪の影響で延期すると明らかにした。 ■■■1月7日■■■ 21:38 七尾市、輪島市、志賀町で震度4 津波の心配なし 7日午後9時38分ごろ、石川県能登地方を震源とする地震があり、七尾市、輪島市、志賀町で震度4を観測した。気象庁によると、震源の深さは約10キロ、地震の規模を示すマグニチュードは4・7と推定される。この地震による津波の心配はないという。 18:00 輪島市長、通報36件に未対応と説明 石川県輪島市の坂口茂市長は7日夕に開いた記者会見で、元日の地震発生からこれまでに安否不明者に関する緊急通報が448件寄せられたと明らかにした。6日午後3時時点で、うち36件に対応できていないという。坂口市長は「(孤立集落に)なかなか行けていないので対応が遅れている」と話した。 […]
生と死を見つめる作家・南木佳士さん 晩年迎え、思いは故郷の浅間山
群馬と長野の県境にそびえる浅間山(2568メートル)とともに生きてきた。 芥川賞も受賞した作家の南木佳士(なぎけいし)さん(72)は、北麓(ほくろく)の群馬県嬬恋村に育った。医師になり、南麓の長野県佐久市の病院で働きながら、生と死を見つめる小説や随筆を発表してきた。「山を下りて帰るところが見えてきた」。晩年に近づき、思いは故郷へと向かう。 代表作の「阿弥陀堂だより」(1995年)は、患者の死を看(み)取りすぎて心を病んだ女性医師が、作家として行き詰まっている夫と、夫の故郷の山村に戻る物語。村の先祖をまつる阿弥陀堂で暮らすおうめ婆(ばあ)さん、難病で声が出せない娘らと出会い、心身を癒やしていく。 畑にはなんでも植えてあります。ナス、キュウリ、トマト、カボチャ、スイカ、……。そのとき体が欲しがるものを好きなように食べてきました。質素なものばかり食べていたのが長寿につながったのだとしたら、それはお金がなかったからできたのです。貧乏はありがたいことです。 作中、村の広報紙の「阿弥陀堂だより」というコーナーで、自然とともに生きてきたおうめ婆さんの暮らしや死生観が紹介される。 南木佳士 なぎ・けいし 本名・霜田哲夫。1951年、群馬県嬬恋村生まれ。秋田大医学部卒業後、故郷に近い長野県佐久市の佐久総合病院で研修し、内科医として勤務。81年、難民医療日本チームの一員としてタイ・カンボジア国境に赴く。同年、「破水」で文学界新人賞。89年、「ダイヤモンドダスト」で芥川賞 「生きていく人のしぶとさを書いておきたい」 九十六年の人生の中では体の… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
コーヒーと牛乳、1世紀前の偶然の出会い 親しまれる創意工夫いまも
100年以上前の大正時代。偶然の出会いが、多くの人に親しまれる商品を生み出すきっかけとなった。 1918(大正7)年創業の守山乳業(神奈川県平塚市)。創業者の守山謙氏が酪農の振興を考え、乳製品を広めるために製酪所として出発した会社だ。 守山氏が東京の取引先にバターを納品するために足を運んだ時のこと。ハワイのコーヒー豆を売り込みに来ていた住田商会(現エム・シー・フーズ)の住田多次郎氏と出会い、「コーヒーを広める方法を考えてくれないか」と相談された。 住田氏の事務所を訪れた守山氏は初めてコーヒーを飲んだ。「苦い」。そう驚くと「ハワイではコーヒーにクリームを入れて飲むことがある」と教えられた。 家にコーヒー豆を持ち帰った守山氏は、コーヒーにクリームの代わりに牛乳を混ぜてみた。牛乳が少ないと苦さが目立ち、半々にすると苦さと甘さがほどよくマッチした。さらに妻のアドバイスで砂糖を入れるとおいしさが増した。「コーヒー牛乳」の誕生だった。 高額でも飛ぶように売れた 問題は牛乳が1日しか日持ち… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
震度5強以上の発生確率、平常時の「100倍超」今後1カ月ほど注意
最大震度7を観測した能登半島地震から1週間がたった8日、気象庁は記者会見を開き、今後1カ月程度は最大震度5強以上の地震に注意するよう呼びかけた。地震の活動は依然として活発で、復旧作業などでは家屋の倒壊や土砂災害に気をつける必要がある。 同庁は1日夕の地震発生から1週間程度は震度7クラスの地震への警戒を促していた。その後の地震は減少しているものの、震度1以上を観測したのは計1221回(1日午後4時~8日午後4時)。2日が414回と最多で、1日359回、3日176回、4日85回、5日81回、6日55回、7日35回など。平均すると8分に1回起きていたことになる。 地震の規模を示すマグニチュード3・5以上でみると、発災から1週間程度で約450回。2016年の熊本地震の約240回の倍近くとなった。 ■建物にダメージ蓄積、小さな… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
海保機、JAL機の着陸許可に気づかなかったか 直前に周波数変更?
東京・羽田空港の滑走路で日本航空(JAL)と海上保安庁の航空機同士が衝突、炎上し5人が死亡した事故で、滑走路担当の管制官がJAL機に着陸の許可を出した直後に、海保機が交信を始めた可能性があり、JAL機の着陸に気づかなかったとみられることが、関係者への取材でわかった。羽田空港では8日、事故のあったC滑走路の運用が再開した。国土交通省は9日にも再発防止策を発表する予定。 国交省によると、事故のあった2日、海保機は格納庫を出てから地上を走るため「地上管制(グランド管制)」と呼ばれる管制官とやり取りをしていた。その後、通常通り、滑走路に進入するため「飛行場管制(タワー管制)」の管制官とのやり取りに切り替えていた。それぞれに管制官がいた。 グランド管制とタワー管制は周波数が異なるため、地上機は離陸前の誘導路で周波数を切り替える必要がある。 交信記録によると、タワー管制から事故のあったJAL機に着陸許可を出したのは午後5時44分56秒。「滑走路34R 着陸支障なし」だった。それに対してJAL機は午後5時45分1秒に「滑走路34R 着陸支障なし」と復唱している。 一方で、海保機とタワー管制との最初のやり取りは、その10秒後の午後5時45分11秒。「タワー、JA722A C誘導路上です」だ。管制官は「こんばんは。1番目。C5上の滑走路(手前の)停止位置まで地上走行してください」と指示をした。 海保機がこれを復唱後、タワ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
日米で最難関大合格 芦屋市長・高島崚輔さんの「やってほしいこと」
【連載】受験する君へ 本格的な受験シーズンを迎えました。各界で活躍する方々に、自身の体験談や受験生へのメッセージを聞きました。 アメリカの大学に行くという進路の存在を知ったのは、高2の1月でした。当時、米国の大学にいた高校の先輩に勧められ、翌月にハーバード大を見に行きました。先輩の計らいで、授業を見たり、学生や教授に会ったりしました。 実際に大学を訪問して実感したのは、大学での学びが社会につながっているという感覚です。何のためにこの授業を取っているのか、将来やりたいこととどうつながっているか、熱く語ってくれる学生が多くて「いいなあ」と思いました。 でも、受験まで1年を切っていたんです。米国の大学は、試験の点数だけでなく高校時代の課外活動なども重視しますが、そのために何かをする時間はもうありませんでした。中高での生徒会長の経験や、模擬国連の世界大会で表彰されたこと、部活のラグビーなど、受験のためではなく好きで挑戦したことを評価していただけたのかなと思います。 SAT(米国の共通試験)やTOEFLなどの勉強は大変でした。でも一番難しいかったのは、エッセー(小論文)です。主なテーマは「あなたはどんな人ですか、教えてください」。日本語でも何を書けばよいか分からないものを英語で書くのですから、とても悩みました。出願直前の大みそかにアドバイスしてくれた方をはじめ、たくさんの先輩方に読んでもらい、お世話になりました。 ハーバード大の面接は、東京で弁護士をしている卒業生の方が相手でした。他にもイエール大とプリンストン大を受けましたが、合格したのはハーバード大だけです。リーダーシップのある学生が多く、校風に合っていたのかもしれません。米国の入試はマッチング。能力があるかよりも、大学に合うかどうかなんです。 米国の大学を受験して「いい… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
年始に集まった親族ら10人死亡 出るはずだった二十歳の式典で友は
能登半島地震で最大震度6強を観測した石川県穴水町で住宅4軒が土砂に埋もれ、5人が犠牲になった現場では、8日までに新たに9人の死亡が確認された。2人が安否不明のままだ。 金沢市の寺本直之さん(52)は、妻(53)、19~23歳の息子3人、娘(15)、義父母、小学生の男児を含む妻の弟一家3人を同時に失った。この10人は倒壊した妻の実家に集まり、年末年始を過ごしていたという。 無事を願った人たちの思いは届かなかった。 三男の京弥さん(19)は、7日に金沢市内で開かれた「二十歳のつどい」に出席予定だった。 卒業式で一緒に撮った写真、スマホに 幼なじみの本多あすかさん(… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
雪道歩き、妻の目薬探す 部屋の壁に津波の痕「帰りたい、けど無理」
能登半島地震で住宅の多くが浸水被害を受けた、石川県珠洲市宝立町。 8日、春日野地区に住む江畑秀国さん(79)は、雪で真っ白に染まった道を歩き自宅へ妻の目薬をとりにきた。 「目薬がないと、うちの(妻)が大変なんですわ」 津波が襲った1階で、使える物を探す。 江畑さんは地震発生時、妻(76)と息子(49)と一緒に、海岸から100メートルほどにある自宅にいた。大きな揺れを感じると、すぐに車に乗って海から離れた。自宅に戻ると、1階の家財は全て流され、水につかっていた。壁に残った泥の跡から、津波はひざ上くらいの高さまできたようだ。 20分ほど探したが、津波で散らかった家から目薬を見つけることはできなかった。 自宅を出ると、地区を回っている消防隊に、住民の安否を調べたいと声を掛けられた。 「あそこの家はもう助かっている」。家を指さし、地図と照らし合わせながら、新雪を踏みしめ案内した。 「早く自分の家に帰りたいですけど、こんなんじゃ無理ですわ」(田辺拓也) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
JAL機・海保機・管制官、3者に要因重なったか 羽田衝突、解明は
羽田空港で日本航空(JAL)機と海上保安庁の航空機が衝突、炎上した事故で、両機と管制の3者それぞれに事故につながる要因が指摘されている。9日で事故から1週間。原因解明は長期化しそうだ。 「航空業界のイロハのイ」 なぜ守られなかった 今回の事故の主な当事者はJAL機と海保機、管制官だ。滑走路に二つの機体がいてはいけないという「航空業界のイロハのイ」はなぜ守られなかったのか。その解明が最大の焦点となっている。 海保機の機長は事故後、海保の聞き取りに対し「進入許可が出ていたと認識していた」と話しているという。 一方で管制官との交信記録には「(出発機)1番目。C5上の滑走路(手前の)停止位置まで地上走行してください」という指示しかなく、進入を許可したやり取りは確認されなかった。 着陸してきたJAL機はどうだったか。操縦席には3人のパイロットがいた。JALの聞き取りに対し、3人とも「海保機について視認できなかった」という趣旨のことを話しているという。 左席に機長、右席に副操縦士、オブザーブシートに3人目がいた。この日のフライトは右席の副操縦士の社内審査にむけた訓練も兼ねており、後方に座る有資格者のパイロットが、右席の副操縦士の業務を確認していたという。 事故機となったエアバスA350型機の機体は2021年に導入され、コックピットの操縦席の正面には飛行高度や速度などが表示される「ヘッド・アップ・ディスプレー(HUD)」が装備されていた。通常、パイロットは外を見渡しながら、モニターの表示を見て操縦するという。 航空法は、航空機の操縦者は、他の航空機と衝突しないように見張りをしなければならないと定めている。国の運輸安全委員会はコックピット内の会話が録音された両機のボイスレコーダーを回収しており、今後、当時の状況を詳しく調べる。 管制官、画面に気づかなかった可能性 これまでのインシデントや航… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル