能登半島地震の被災地では8日、雪が降り積もる中、捜索活動や救助活動が続いています。 石川県輪島市の中心部にあり、大規模な火災が発生して200棟以上が焼けたとみられる観光名所「輪島朝市」付近では、朝から雪の中で行方不明者の捜索が行われていました。 被災地の避難所から移る避難者を、被災地外のホテルや旅館を活用した「2次避難所」で受け入れるため、一時的に過ごすための避難設備が金沢市の大型体育館「いしかわ総合スポーツセンター」に用意されました。 この日の被災地の様子を写真でお伝えします。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
雪の影響で雨漏りも ビニールハウスに避難の被災者「倒壊心配」
地震から1週間を迎えた石川県輪島市では、自宅が倒壊した被災者が、農業用のビニールハウスで避難を続けている。 当初は約30人が詰めかけたが、現在は20人ほどが避難する。倒壊した建物から正月用の餅などを出してコンロで焼いて食べ、余震が落ち着いたころ畳や毛布を持ちより寝るようにした。4台のストーブで寒さをしのいでいるが、夜に気温が下がると暖を取るのが難しいという。 援助物資もなかったが、現在は市や自衛隊から援助物資が運ばれるようになった。 ハウスを所有する保(ぼう)靖夫さん(69)は「昨日から降った雪などの影響で雨漏りがして布団がぬれた。雪の重さでハウスが倒壊しないか怖い。補強用の棒をハウスの中央に立てる予定だが倒壊の心配がある」と話した。(小宮路勝) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「ここも炎が近くダメです!」叫ぶ乗務員 乗客語る「奇跡の18分」
羽田空港で日本航空(JAL)の旅客機と海上保安庁の航空機が衝突した事故から1週間。機内では何が起きていたのか。乗客の証言から、事故発生から脱出の完了までの18分間が明らかになってきた。 2日午後4時15分、JAL516便は北海道・新千歳空港から羽田空港へ向けて出発した。 乗客367人、パイロット3人、客室乗務員9人が乗り込んでいた。 着陸直後に「ドン、ドン、ドン」 年末年始を帰省して過ごした家族やスキー客、これから海外へ向かう人たち。機内は満席だ。 前方右の通路側に座っていた川崎市の金子洋之さん(67)は、年末を札幌市にある実家で過ごした。 「家に帰ったら、片付けを済ませよう」。そんなことを考えていた。 午後5時47分。着陸の様子をモニターのライブ映像で眺めていた。 ガタンと着陸した直後に、「… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
輪島で倒壊の7階建てビルを専門家が調査 揺れで杭が破断した可能性
能登半島地震で倒壊した石川県輪島市の7階建てビルについて、東京電機大の研究者が、現地を調査した。ビルから固い地盤に打ち込んだ杭が、激しい揺れによって接合部で断ち切れたり抜けたりした可能性があるという。 調査をしたのは、安田進名誉教授(地盤工学)と石川敬祐准教授(地盤工学)。7日に記者も同行した。 倒壊したビルは、輪島市の中心部の観光名所「輪島朝市」から約300メートル離れた場所にある。柱など建物の構造自体は崩れた様子はなく、まるで立っているときのまま根元から折れたように倒れていた。 建物の底の部分には、直径20~30センチとみられる丸い穴が四つあるコンクリートのブロック。安田さんは「これは、地下の固い地盤に打ち付けた杭と建物の底を接合する穴です」と説明した。 ビルは地盤の上に直接建てる「直接基礎」と、建物から固い地盤に杭を打ち込んで建物を支える「杭基礎」がある。 安田さんによると、このビルは杭基礎だという。だが、底からつながっているはずの杭の本体は見つからなかった。 安田さんは、揺れによって地… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
笑顔のメイドも違法労働の被害者? コンカフェ「文化」守る団体
関西のオタク文化の中心地として知られる大阪・日本橋で今年、メイド喫茶などのコンセプトカフェ(コンカフェ)でつくる業界団体が立ち上がった。東京・秋葉原、名古屋・大須に続き、全国で3例目という。背景には店舗の急増と、それに伴う悪質な雇用形態や客引きの存在がある。コンカフェを健全な「文化」として発信するため、経営者らが知恵を絞る。 「お帰りなさいませ」 メイド喫茶やアニメグッズ店が立ち並ぶ、日本橋「オタロード」の南側、一軒のメイド喫茶に入ると、水色のメイド服を着た20代の女性が出迎えてくれた。店内には、同じ服装の従業員が並び、常連客と談笑しながら飲み物を提供する。 最低賃金下回る環境で客引き この女性がコンカフェで働くのは2店目だ。前の店を辞めた理由は、低すぎる賃金。「5~6時間働いても、2千~3千円しか稼げなかったんです」と言う。 もともとオタロードのアニメグッズ店をよく訪れていた女性は、ビラを配る女性のメイド服に憧れ、今年3月、ネット上で見つけたコンカフェの面接に応募。求人広告には、時給1千円強の基本給に加え、連れてきた客の支払額に応じた歩合給があると書かれていた。 だが、面接に訪れた店で、経… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
【写真まとめ】羽田C滑走路が運用再開 JAL機、海保機衝突事故
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「二十歳のつどい」来るはずだった憧れの同級生 不明者リストに名が
成人の日に合わせ、金沢市では6~8日、各地で「二十歳のつどい」が開かれている。7日にあったある地区の催しで、本多あすかさん(20)は小中学校の同級生だった男性の名前を出席簿で探した。 「ない、よね……」 来場したことを示す印はなかった。その理由はわかっていた。 男性は、同市の寺本京弥さん。1日の能登半島地震で自治体が公表する安否不明者のリストに、その名があった。 父の直之さん(52)による… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「ロスジェネ」名付けた企画キャップが語る 「8がけ社会」への教訓
「8がけ社会」は突然現れたのではない。警告音は何度も鳴っていた。 2007年の朝日新聞の新年企画は「ロストジェネレーション」というタイトルだった。当時25~35歳だった世代をロスジェネと名付けた企画のキャップを私は務めた。 その後、この呼び名は、日本社会に刻み込まれた負の刻印となった。もっと声を上げることができたはずだ、という思いが消えない。 ロスジェネ世代の苦境を訴え続けてきた作家の雨宮処凛さん(48)に昨年末、会った。ロスジェネは過去形で語られるようになった、と彼女は言う。「私たちの多くは結婚も出産も選べなかった。親と同じ人生は歩めない。取り返しのつかなさに打ちのめされています」 ロスジェネを世に問うた時、取材班が注目したのは、若年男性の非正規化だった。だが、その何倍もの女性が就職難に悩み、低賃金労働を余儀なくされていたことに当時は目が向かなかった。 あの頃、自分たちは働く気の… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
低賃金労働に慣れきった社会通用しない 小熊英二さんが考える選択肢
日本社会の過去と現在の姿を踏まえ、「8がけ社会」の未来をどう描くか。歴史社会学者の小熊英二さんに聞いた。 ――労働力不足が問題になっています。 日本では最近の現象です。敗戦後は人口過剰の方が問題でしたし、1970年代までは地方の農林自営業から労働力が供給されていました。また女性・高齢者・若者が家計補助の縁辺労働力と位置づけられ、各種の低賃金労働を担っていた。 欧米諸国はすでに20世紀半ばには農村からの労働力供給が期待できず、移民を入れていた。日本は、特定の産業には90年代から技能実習生を入れましたが、全体的な労働力不足が深刻化したのは2010年代以降です。 連載8がけ社会 高齢化がさらに進む2040年。社会を支える働き手はますます必要になるのに、現役世代は今の8割になる「8がけ社会」がやってきます。今までの「当たり前」が通用しなくなる未来を私たちはどう生きるべきでしょうか。専門家の力も借りながら、解決に向けた糸口を考えます。 ――人口過剰の方が問題だったとは意外です。 50年代前半までは経済復興も難航し、いまの年間新生児数の4倍近い「団塊の世代」を労働市場に吸収できるのかも懸念されていました。しかし、これは高度経済成長で自然に解消した。 その後に類似の問題がおきたのは「団塊ジュニア」、いわゆる「ロスジェネ」でしょう。この世代も前後の世代より3割ほど多い。 本来なら、この世代を労働市場に吸収するために良質な雇用を増やさねばならなかった。しかし政府が行った施策は、大学の設立規制緩和と定員増加で、大学に彼らを収容したことだけだったといえます。 60年代と違って経済が成長せず、この世代の非正規労働者の割合が高まった。その後遺症をこの年代は引きずっている。 記事の後半では、小熊英二さんに、働き手が今の8割になる未来への選択肢を聞きます。数十年前から推計されていた人口減少に効果的な手を打てなかった理由についても考えます。 いずれにせよ、21世紀初頭… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
6日夜の震度6弱観測の地震、計測機器に異常なし 気象庁が現地調査
6日夜に能登半島沖を震源とする地震があり、気象庁は同日、石川県志賀町で最大震度6弱を観測したと発表した。ただ、周辺の震度が震度1~3だったため、7日に現地の計測機器を調査。異常は見当たらなかったという。 同庁によると、地震は6日午後11時20分に発生。いずれも暫定値で震源の深さは5キロ、地震の規模を示すマグニチュード(M)は4・3。志賀町香能で震度6弱を観測したものの、最も近い観測点である同町富来領家(とぎりょうけ)町ですら震度3にとどまっていた。周辺との震度の差が大きすぎたことから、観測データに異常がないかを確認し、発生から16分後に震度速報を発表した。 その後、記者会見を開いた鎌谷紀子・同庁地震津波監視課長は、今回の地震は震源がごく浅く、観測点に近かったことから「M4・3でも震度6弱を観測することはあり得る」とし、地震の波形も「正常に見える」と説明。「揺れた時間が2~3秒程度と短く、揺れを感じにくい地震だった可能性がある」と話した。 ただ、周辺で震度4以上が観測されなかったことから、同庁は7日午前に現地に職員を派遣して計測機器の土台などに亀裂や破損などがないか調べたが異常はなかったという。 1日夕の能登半島地震以降、石川県内では複数の観測点でたびたびデータが送信されない不具合が確認されている。今回、震度6弱を観測した地震計もその一つ。同庁職員が3日に現地調査した際も、震度が過大に観測される異常は見られなかったという。(大山稜) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル