能登半島地震で被害を受けた石川県珠洲市に自宅がある医薬品製造販売会社社長、岩城慶太郎さん(46)は個人の活動として、能登半島地震の被災者の「二次避難先」の情報をネット上で公開している。 被災者を無料や安値で受け入れる金沢市内などの宿泊施設の情報を知人の協力を得て集約した。リンクは(https://notoearthquake.hp.peraichi.com/)。 発災時は東京におり、その直後から東京にとどまって支援を続けている。自身のフェイスブック上で携帯電話の番号を公開し、孤立集落などの情報を市民から募ってきた。「家族と連絡がつかないから確認して欲しい」「孤立しているから助けて欲しい」など計約500件が寄せられ、県にも伝えたという。 孤立状態が徐々に解消しているため、被災者の県北部からの避難への支援に力を入れ始めた。「できることは小さいが、少しでも多くの命を救えるよう活動を続けたい」と話す。(箱谷真司) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
海保機で犠牲のベテラン整備員 自衛隊元ルームメイト「天職だった」
東京都の羽田空港で2日、日本航空(JAL)と海上保安庁の航空機同士が衝突、炎上した事故では、海保機の乗組員5人が死亡した。能登半島地震の被災地に救援物資を届ける途上での突然の死に、悲しみが広がる。 整備員の加藤重亮(しげあき)さん(56)は航空自衛隊を経て、2年前に海保に入った航空整備のベテランだった。38年前、最初の配属先の空自入間基地(埼玉県)で同じ部隊だった安藤憲夫さん(56)は「責任感が強く、同期を束ねる存在。言葉にならないです」と話す。 加藤さんは、整備機材の発注… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
住宅2棟倒壊で2人死亡、小学生ら11人と連絡取れず 石川県穴水町
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津波で資材が流出「言葉が出なかった」 新潟の住宅被害、696棟に
石川県能登半島地震で新潟県は5日、上越市の住宅127棟で新たに被害を確認したと発表した。ほかの自治体も含め県内の住宅被害は前日より172棟増え、696棟に拡大した。各自治体は罹災(りさい)証明書の発行手続きを本格化させ、住民の生活再建に向けて動き出した。 県災害対策本部の5日午後3時時点のまとめによると、この日判明した住宅被害はいずれも一部損壊で、計685棟となった。全壊は1棟、半壊は10棟のまま前日から変わらなかった。 市町村別では、上越市が230棟と県内で最も多くなった。うち1棟は関川の右岸にあり、津波で浸水したといい、被害計上の項目が「一部損壊」から「床上浸水」に変更される見込み。西区で液状化現象が広がった新潟市も150棟と前日から4棟増えた。 各自治体では、住民が公的な支援金などを受け取るために必要な罹災証明書の申請受け付けが始まっている。三条、柏崎、加茂、糸魚川、妙高、五泉、上越各市と刈羽村は、申請を受けて被害状況の調査を進めている。新潟市は6日から、燕、佐渡、見附各市と出雲崎町も近く調査を開始する。 負傷者は42人で、前日から8人増えた。うち2人が重傷で、新潟市の60代女性は自宅で落下物が当たり足の指を骨折。長岡市の80代男性は自宅で転倒し、足と肩に痛みを訴えているという。(井上充昌) 地震の影響は、連休明けの9日に授業再開を予定する多くの学校にも広がっている。中でも、液状化現象が多発した新潟市西区では、敷地が陥没したりトイレが使えなくなったりする被害が確認され、市立坂井輪中学校と県立新潟工業高校は同日の臨時休校を決めた。 新潟市教育委員会によると、坂井輪中では校舎の廊下に段差ができ、壁がひび割れたりずれたりしたほか、屋外で陥没も起きた。学校側は危険性が高いと判断し、9、10日の休校を決定。11日から1、2年生はオンラインで、3年生と特別支援学級は近くの市立新通小学校の空き教室で、それぞれ授業を始める予定という。 県教委によると、新潟工業高は液状化により水道やトイレが使えなくなり、休校を決めた。10日からの授業再開に向けて復旧工事を進めているという。 県の5日午後1時時点のまとめによると、県立学校は117校のうち44校(38%)で、市町村立学校は668校のうち170校(25%)で、校舎の破損や断水などが確認された。市町村別では、新潟市(96校)や上越市(41校)、佐渡市(14校)が多かった。 新潟市西区 入浴施設を無料開放 新潟市西区は6日から当面の間、自宅の風呂が使えなくなった人のため、区が運営する「老人憩(いこい)の家」のうち6施設の風呂と、西総合スポーツセンターのシャワーを無料で開放する。 風呂が利用できるのは、小針荘、明和荘、神明荘、五十嵐中島荘、寺尾荘、成巻荘の各施設で、休館日(8、9、15、22、29日)を除く午前11時~午後3時。シャワーを使えるのは、月~土曜は午前9時~午後9時、日曜・祝日は午前9時~午後5時。区は、利用時には受付で罹災(りさい)証明書を提示するか、地震で自宅の風呂が使えなくなったと伝えてほしい、としている。 区はまた、6~8日に区役所や出張所を臨時に開けて災害対応にあたる。罹災(りさい)証明書の申請書の配布・受け付け、土囊(どのう)袋の配布、住宅の応急修理の申し込みなどに応じる。(茂木克信) 流された海の家「何も残っていない」 花角英世知事は5日、上越市… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大谷翔平「団結して支援」、被災地に寄付表明 球団などが1.4億円
大リーグ・ドジャースの大谷翔平が5日、能登半島地震への支援として、球団などと共同で寄付することを自身のインスタグラムで表明した。 球団と球団を運営する投資家グループが共同で100万ドル(約1億4500万円)を寄付し、大谷も個人として寄付に参加する。 大谷は「復興活動に参加してくださった方々に感謝するとともに、今後も私たちが団結していき被災された方々を支援していきたいと願っています」「行方不明者の早期発見と被災地域の復興を心より願っています」などとつづった。 大谷は岩手県出身。岩手・花巻東高に在籍していた2011年3月に東日本大震災を経験している。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
能登半島地震の被災民家からミカンを盗んだ疑い、自称大学生を逮捕
能登半島地震で大きな被害が出た石川県輪島市で、被災した民家に入ってミカンを盗んだとして、県警捜査1課と輪島署は5日、自称大学生の男(21)を住居侵入と窃盗の疑いで逮捕し、発表した。男は調べに対し容疑を認め、「愛知県刈谷市からボランティアのために来た」と話しているという。 県警によると、男は5日午前8時40分ごろ、輪島市内の民家に入り、ミカン6個(約3千円相当)を盗んだ疑いがある。民家は地震で壊れ、住人が不在だった。民家から出てきた男を近所の人が見つけ、近くにいた警察官に知らせたという。 被災地では義援金や修繕工事をかたる詐欺など、地震の混乱に乗じた犯罪の通報が相次いでおり、警察が注意を呼びかけている。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
被災地の通信障害、全面復旧見通せず 安否不明者の増加の要因に
最大震度7を観測した能登半島地震で安否不明者が多くなっている要因の一つに、通信障害で連絡がつかないことがあるとみられる。石川県内の一部では、電話やインターネットなどがつながりにくい状況が今も続く。全面復旧の時期が見通せないなか、通信各社は応急的な手当てを急いでいる。 NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルの携帯大手4社では、1日午後4時ごろから音声通話やデータ通信が利用できないか、利用しづらい状況が続いている。 通信障害の原因は、光ケーブルなどの設備の損傷や電波を届ける基地局の停電だ。総務省によると、電波を出せない基地局は5日午後3時45分時点で、4社合計で約660局に上る。 KDDIの高橋誠社長は5日、取材に「(交通渋滞などで)被災地にアプローチするのが大変。光回線が切れていて、基地局がなかなか回復できない」と話し、復旧が困難な状況を説明した。 復旧を進める一方、新たな通信障害も起きている。NTT西日本は、停電している被災地の通信設備で蓄電池や発電機などの非常用電源を使って通信機能を維持してきた。だが、輪島市や珠洲市の一部では蓄電していた電気が枯渇し、固定電話やインターネットなどの通信サービスが途絶えるエリアも出てきている。 通信障害が長引いていることから、松本剛明総務相は5日の省内の会議で「通信インフラは災害対応にとって大変重要。総務省が主導して必要な機材、燃料、人員の搬送を積極的に支援するなど速やかな復旧を進めてください」と指示した。 通信障害の解消に向け、通信各社は移動電源車や移動基地局車などを全国から集めているほか、KDDIは人工衛星による通信サービス「Starlink(スターリンク)」も活用して応急的な対応にあたっている。(松本真弥) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら 能登半島地震 1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする強い地震があり、石川県志賀町で震度7を観測しました。被害状況を伝える最新ニュースや、地震への備えなどの情報をお届けします。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
4人犠牲の孤立地区「もう住めない」 家屋崩れ海底の岩がむき出しに
能登半島地震で激しい被害を受けた石川県珠洲市。いまだ孤立状態の地区が点在するが、徐々に寸断されていた道路の復旧も進む。孤立していた奥能登北側の小さな地区に5日、記者が入った。 珠洲市折戸町新保出(しんぼで)地区。高台にある寺の境内から見下ろすと、崩れた家屋が重なり合い、運び出されたとみられるタンスや布団が道をふさいでいた。海岸に目を向けると、地震の影響だろうか、隆起した海底の岩がむき出しになっていた。 この地区では、13人の住人のうち3人が命を落とした。たまたま地区にいた住人の親戚1人も亡くなったという。 「割合では、あり得ない人数だ」 避難所に身を寄せる村山弘次さん(65)は、そう嘆く。3年前に自治体の空き家バンクを利用して、長野県から移住した。同居する妻は無事だったが、自宅の屋根や壁の一部が崩れ、「これだけ壊されてしまうと、もう住めない」と肩を落とす。 地区の電気、ガス、水道は止まり、電話も通じない。「水や食料はわずかながら、届くようになった。ただ、なんの情報もないし、ガソリンもないので避難所から動けない。備蓄や補給もいつかは底をつくかもしれない」と不安を口にした。 避難所には、他の地区の住人を含む60人ほどが集まっている。自宅が全壊したという鴨谷よしさん(82)は「一日のほとんどは寝るか、座るか。お風呂も入れないし、家が恋しい。子どもたちも助けにこられないようだ」と疲れた様子で話した。(金居達朗) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
安否不明者数、なぜ一気に増えた 混乱のなか…県は「空振り恐れず」
最大震度7を観測した能登半島地震では、連絡のつかない人が数多く出ている。安否をどう把握し、いつどのように公表するか。命を救うために迅速さが必要な一方、正確さに課題もある。被災した自治体が、混乱のなか模索している。 石川県は安否不明者について3日深夜から、氏名、住所(大字まで)、年齢などの公表を始めた。当初発表されたのは15人だったが、随時更新し、4日夜に179人、5日朝には242人と一気に増えた。県によると、発表後に死亡が確認された被災者もいる。 安否不明者の住所に記者が向かった。 男女3人が住む穴水町の民家で4日、救助活動が続いていた。裏山からとみられる土砂が流れ込んで1階部分が崩れていた。 一方、珠洲市三崎町の井坂庄七さん(77)と妻の恵子さん(72)宅を5日午前10時ごろ訪ねると、損壊した自宅を自分たちで片付けているところだった。 同町では3日夜から携帯電話の電波が途絶え、安否を伝える手段がなく、電波のある場所へ移動する余裕もなかったという。安否不明者になっていることを知り、庄七さんは「大ごとになっちゃったなあ」とつぶやいた。 輪島市でも同様の例があった。4日午後に不明者一覧に掲載された50代夫妻の行方を捜すと、夫妻の自宅近くで掃除をしていた男性が「あれ、その2人はうちの家族と一緒に避難したって聞いたけど……」。その後、別の友人を通して、2人の無事を確認した。 県は現時点では死者や行方不明者の氏名は明らかにしていない。こうした中、安否不明者の公表に踏み切ったのはどうしてなのか。 県危機管理監室によると、リストは市町からの報告のほか、県に問い合わせがあった情報を基に作成。昨年5月、速やかに捜索や救助を進めるため、家族の同意なく公表できるようにした。 飯田重則・危機管理監は「空振りを恐れず、情報を出し、(安否不明者が無事で)おいでだったらおいでだったでそれが一番いい」と話す。 周囲に知人がいない、旅行や出張中の人が被災することもある。安否不明者のリストにいったん載った岡山市在住の夫妻2人は、リスト公表後、能登町内の小学校に避難していることが分かった。岡山県危機管理課の担当者は「安否不明者の公表は他県にとってもありがたい」と言う。 「安否確認は最重要課題とし… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
海保機の2人、死因は「全身挫滅」 羽田衝突・炎上事故で警視庁公表
東京都大田区の羽田空港で2日、日本航空機と海上保安庁の航空機が衝突し、炎上した事故で、警視庁は5日、死亡した海保機の5人の身元を発表した。 5人は主任飛行士の田原信幸さん(41)、整備員の加藤重亮(しげあき)さん(56)、通信士の石田貴紀(よしき)さん(27)、整備士の宇野誠人さん(47)、探索レーダー士の帯刀(たてわき)航さん(39)。捜査1課によると、司法解剖の結果、田原さんと加藤さんの死因は全身に強い衝撃を受けた「全身挫滅」だった。残る3人は6日以降に司法解剖する。 5人は第3管区海上保安本部羽田航空基地に所属。海保によると、事故で重傷を負った男性機長(上席飛行士)を含め計6人で海保機に搭乗し、能登半島地震の救援のため、新潟航空基地に向かおうとしていた。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル