1月1日夕に起きた能登半島地震。生存率が落ち込むとされる「発生後72時間」が過ぎ、消防や自衛隊が懸命な救助活動を続けています。タイムライン形式でお伝えします。 ■■■1月5日■■■ 17:00 東芝パワー半導体工場、10日に一部生産再開見込み 東芝は5日、能登半島地震で被災し、操業を停止している石川県能美市のパワー半導体工場について、10日の一部再開をめざすと発表した。全面復旧の時期は未定。 工場の建屋や主な設備に大きな問題はなかったが、排気用の配管が広範囲にわたり破損しているという。工場は1日も稼働していたが、地震発生を受けて停止し、状況を確認していた。 16:50 石川など3県で7万7千戸の断水続く 厚生労働省は5日夕方時点の被害状況を発表した。石川、新潟、富山の3県で、計7万7519戸で断水が続いている。医療機関では、石川県の11施設、富山県の3施設で、水や医療用ガスが使用できない状態となっている。 断水戸数は、石川県が最も多く6万8千戸余りに上る。同県七尾市で約2万1500戸、同県輪島市で約1万戸、富山県氷見市で8900戸などとなっている。 16:00 3連休、馳知事「能登への通行はやめて」 石川県の馳浩知事は、災害対策本部会議で、能登半島の復旧を進めるため、6日からの3連休について、「民間ボランティア、個人的な能登への通行はやめて」と呼びかけた。自衛隊、消防、警察、医療関係者の緊急車両を優先するためという。 会議後の報道陣の取材では、「我々は人命救助を諦めていない。親戚を見に行きたい、炊き出しに行きたいという気持ちは分かるが、物資は既にだいぶ入っている。車で駆けつけることは絶対にやめていただきたいというのが本音です」と語った。 拡大する災害対策本部会議後、報道陣の取材に応じる馳浩知事=2024年1月5日午後5時ごろ、石川県庁、土井良典撮影 14:00 石川県の死者、94人に 石川県は5日午後2時時点で、県内で94人の死亡が確認されたと明らかにした。 県によると、死者は輪島市で55人、珠洲(すず)市で23人、穴水町で6人、七尾市で5人、能登町で2人、志賀町で2人、羽咋(はくい)市で1人。行方不明者は珠洲市で1人となっている。地震のためとは断定できないが連絡が取れなくなっている安否不明者は222人。重軽傷者は464人という。 12:00 将棋の谷川十七世名人、被災経験ふまえ黙とう 関西将棋会館(大阪市福島区)では将棋の「指し初め式」の後、乾杯の音頭を任された谷川浩司十七世名人(61)が「『おめでとうございます』と申し上げることも、はばかられるほど、元旦から辛いニュースが続きました」と切り出し、集まった棋士や女流棋士たちと約30秒の黙禱(もくとう)を捧げた。 自身、神戸市出身・在住で阪神淡路大震災で被災した経験をふまえ、「私自身の経験でもあるんですけれども、このような時にこそ、自分が出来ることをする、というのが一番と思っております。原点、初心に帰って、将棋道に精進していくことが私たち棋士の務めだと考えております」とあいさつ。「被災された皆様がたに、一日も早く平穏な日々が訪れますように」と述べた。 拡大する新春恒例の「指し初め式」後、能登半島地震への黙禱を促す谷川浩司十七世名人=2024年1月5日午後、大阪市福島区の関西将棋会館、佐藤圭司撮影 11:35 予備自衛官ら100人に招集命令、現地で活動へ 木原稔防衛相は被災地支援を拡充するため、非常勤隊員の「予備自衛官」と「即応予備自衛官」の合計最大100人を現地に送ると発表した。防衛省で記者団に語った。衛生活動を行う看護官などが含まれるという。 予備自衛官や即応予備自衛官は、普段は民間企業などで働きながら、大規模災害時などに招集される。防衛省によると、準備が整い次第、順次現地で活動を始めるという。 また木原氏は、被災地で活動する自衛隊員を4日から400人増員し、約5千人態勢としたことも明らかにした。木原氏は「生存者がいらっしゃる希望を最後まで強く持ち続け、一名でも多くの命を救うべくあらゆる手段を尽くして全力で活動していく」と述べた。 11:30 孤立は「珠洲市で713人」 林官房長官 林芳正官房長官は記者会見で、石川県の被災地で交通網の寸断により孤立している人の数について、4日午後4時現在で珠洲市713人▽能登町36人▽穴水町21人▽七尾市10人――との報告を受けていると明かした。一方、輪島市については「確認中と承知している」と述べた。 林氏は「被災した道路状況等により、人数の把握には時間を要している」との認識を示したうえで、「自衛隊、警察、消防のヘリを活用した支援等を継続していく」と強調した。 また、現地からの要望を待たずに物資を送る「プッシュ型」の支援について、4日から新たに石油ストーブ、毛布、携帯トイレなどをトラックで発送していると説明。過去の震災を参考に仮設トイレの配備計画も作成し、「計448基の早期配備を目指す」と述べた。 10:20 岸田首相、仮設住宅と災害公営住宅の建設準備を指示 岸田文雄首相は非常災害対策本部会議を首相官邸で開き、「仮設住宅と災害公営住宅を必要数、建設できるように準備を」と関係閣僚に指示した。災害廃棄物の処理の準備を急ぐよう求めたほか、事業者の支援の重点課題については、①中小企業②農林漁業者③観光復興――を挙げた。 また、被災地の現状について「自治体からの情報によると、相当程度の孤立集落や、安否不明者がいる」と指摘。「明日以降、雨や雪の日が続くことが見込まれる。食料や生活関連物資の調達と輸送を加速させ、ニーズに即してきめ細かに行ってください」と述べた。 10:00 輪島市や珠洲市など12市町、成人の日の行事開催を取りやめ 石川県は、「二十歳のつどい」など成人の日記念行事について、能登半島地震の影響で、輪島市や珠洲市など能登地方の12市町が開催を取りやめると発表した。 いずれも7日に開催を予定していた自治体。両市のほか、七尾市、羽咋市、かほく市、津幡町、内灘町、志賀町、宝達志水町、中能登町、穴水町、能登町。金沢市など7市町は予定通り開催する。 10:00 石川県内の死者92人に 避難者は3万3千人 石川県は5日午前8時時点で、県内で92人の死亡が確認されたと明らかにした。 県によると、死者は輪島市で55人、珠洲(すず)市で23人、七尾市と穴水町で各5人、能登町2人、羽咋(はくい)市と志賀町で各1人。行方不明者は珠洲市で1人、穴水町で15人となっている。地震とは断定できないが連絡が取れなくなっている安否不明者は242人。重軽傷者は464人。避難者数は約3万3千人という。 09:30 輪島市内でこれまでに79人救出 市長が会見 石川県輪島市の坂口茂市長は市役所での記者会見で、これまでに市内で倒壊した家屋などから79人が救出されたと明らかにした。 坂口市長は「特に家屋倒壊による安否不明の緊急通報が相次いでいる」「行方不明の方の安否確認は最重要課題として、関係機関と連携して把握に努めていく」と述べた。 […]
乗客脱出は「訓練以上」「プロの働き」 JAL、ANA社長が評価
東京・羽田空港で日本航空(JAL)の旅客機と海上保安庁の航空機が衝突、炎上した事故で、JAL機の乗客全員が脱出できた。乗員の対応について、JALとANAホールディングス(HD)の社長が「訓練以上の結果」「プロの働き」とたたえた。 JALの赤坂祐二社長は4日、報道陣の取材に対し「乗員は本当に普段の訓練の成果をしっかりあげてくれた。もしかしたら訓練以上の結果が出せたのではないか」と評価した。 ANAHDの芝田浩二社長も5日の経済団体の新年会後、「本当にプロフェッショナルな働きだなと思っている。改めて訓練の徹底はしっかりとやっていきたい」と話した。(高橋豪) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
熊本地震で「特需」、770業者が63億円の申告漏れ 国税局が指摘
2016年に起きた熊本地震をめぐり、復興関連で売り上げが伸びた業者を対象に熊本国税局が一斉調査を実施し、約770の法人・事業者に対して計約63億円の申告漏れを指摘していたことが分かった。このうち、売り上げを除外するなどの仮装や隠蔽(いんぺい)を伴う所得隠しとして計約34億円を認定。重加算税を含め約17億円を追徴課税したという。 熊本国税局によると、一斉調査は19年7月~21年6月、管轄する熊本、大分、鹿児島、宮崎県の企業や個人事業主らを対象に実施した。復旧工事を請け負った建設業者や、作業員が泊まった宿泊施設、工事現場周辺の飲食店など、復興に関連した「特需」で売り上げを伸ばしたとみられるものの、法人税の申告額が前年度と変わらない業者などを調べたという。 調査の結果、九州南部の土木… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
地震で水不足、透析もお産もできない現場 「医療者もほぼ全員被災」
能登半島地震は、石川県の医療現場も直撃した。水不足や機器の損壊で手術や人工透析ができなくなり、多くの患者が移動を余儀なくされている。医療を必要とする高齢者が多い被災地。医療関係者は、悩みながら対応に追われている。 志賀町の富来病院は地震の揺れでスプリンクラーが作動。屋内は水浸しになり、天井がはがれ落ちた。医療機器の多くが故障して使えなくなり、笠原雅徳事務長は「診療に使える機器はCTとX線くらい」と明かす。 入院患者39人全員と、併設する介護施設に入所し酸素吸入やたんの吸引などが必要な7人は、近県から支援に入った消防署員らの協力で転院した。現在、外来患者の受診は軽症者に限っている。 4日時点で介護施設に約25人が残るが、厨房(ちゅうぼう)も使えずに非常食で急場をしのぐ。今後、高齢者向けの流動食が不足する恐れがあるという。 能登町の宇出津総合病院では、手術室のドアも破損したため、全ての手術を中止している。震災でけがをし、手術が必要な被災者は受け入れ可能な病院を探して移動してもらっている。 断水した上、給水タンクも破損。大量の水を必要とする透析患者約30人は、自衛隊のトラックで金沢市内の複数の病院に移動したという。 4日時点で約50人の患者が入院。上野英明事務局長は「食材が底をつきかけているし、医薬品も減っている」と危機感を隠さない。 七尾市の能登総合病院でも断水し、水の確保は給水車に頼る。約220人の入院患者の食事や飲み水に優先的に使用するため、土倉洋一・診療支援課長は「医療に使うには全く足りていない」と言う。 同市の精神科病院、七尾松原病院も断水が続き、トイレの水が流せない。事務局担当者は「長期化すれば、患者の精神状態にも影響しかねない」と心配する。 近県から支援に入る医療関係者も苦心している。富山市の富山赤十字病院は2日、医師や看護師らでつくる救護班と災害派遣医療チーム(DMAT)を派遣。重症患者を金沢市の病院へ搬送する作業などにあたった。 4日夜に富山市であった第1陣の報告会によると、治療が間に合わず、院内で亡くなる人もいたという。道路、水道、電気が機能せず、「医療資機材もかなり逼迫(ひっぱく)し、かなり過酷だ」という報告もあった。 渡辺和英医師(42)は「住民や警察・消防、自衛隊の協力で無事搬送できた。医療資源が今後入ると、さらに課題が見つかり、救護の要望が高まってくる」と述べた。(永田豊隆、宮坂知樹、小西良昭) 「家を失い、帰る所がない多くの高齢者がいる」 石川県七尾市の恵寿(けいじ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
能登地震、死者92人に 行方不明16人、安否分からぬ人も242人
最大震度7を観測した能登半島地震で、石川県は5日午前、死者92人、行方不明者16人、地震のためとは断定できないが連絡が取れなくなっている安否不明者が242人と発表した。4日夜の時点では死者84人、安否不明者179人だった。地震発生から5日目の現在も建物の倒壊で多数の人が取り残されているとみられ、消防や自衛隊などによる救助活動が続いている。 県によると、5日午前8時時点で、死者は輪島市55人、珠洲(すず)市23人、七尾市5人、穴水町5人、能登町2人、羽咋(はくい)市1人、志賀町1人。行方不明者は穴水町15人、珠洲市1人となっている。 連絡が取れない安否不明者は午前9時時点で、輪島市138人、珠洲市82人、穴水町9人、能登町9人、七尾市3人、志賀町1人の計242人。 けが人は県内で計464人。避難者数は輪島市1万2834人▽珠洲市6981人▽能登町4930人▽穴水町3625人など、計3万3千人余りに上る。 道路の寸断などによる集落の孤立は一部で解消されたが、5市町の33地区で計800人以上が孤立しているという。 石川県内では被害が深刻な地域を中心に停電や断水、通信障害が続いている。停電は、輪島市1万500戸、珠洲市7700戸など計2万7200戸。水道は七尾市2万1500戸、輪島市1万戸など計6万8千戸余りで断水している。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Japon : l’espoir de retrouver des survivants s’amenuise après le séisme du Nouvel An qui a fait au moins 92 morts et 242 disparus
Un chien aide à la recherche de survivants du tremblement de terre dans la ville de Wajima, au Japon, le 5 janvier 2024. TOSHIFUMI KITAMURA / AFP Les bonnes nouvelles se font rares au Japon après le puissant séisme qui a touché le centre du pays le jour du Nouvel An. Deux […]
岐阜・山県の鳥インフル、高病原性の疑い 5万羽の殺処分を開始
岐阜県は5日、同県山県市の養鶏場で発生した鳥インフルエンザについて、鳥での感染力や致死率が高い高病原性の疑いが判明し、飼育する肉用鶏約5万羽の殺処分を始めたと発表した。同県内の養鶏場での感染確認は今季初めてで、2021年以来3例目。全国では今季6例目となる。 県によると、中央家畜保健衛生所に4日、この養鶏場から「162羽が死んでいた」との通報があった。簡易検査で陽性だった10羽について、遺伝子検査した結果、すべてで高病原性が疑われる「H5亜型」のウイルスが検出された。 殺処分は県職員らのべ約2千人態勢で夜通し行い、6日午前までに終える。8日昼までには埋却、消毒を含めた防疫措置を完了する見通し。 県はこの養鶏場から半径3キロ以内にある山県市内の1農場(22羽)について鶏や卵の移動を制限。3~10キロ以内の岐阜市や関市などの24農場(計約158万羽)について域外への搬出を制限した。 また、農林水産省は、感染経路の特定のため、疫学調査チームの現地への派遣を決めた。(池田孝昭) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
北九州・小倉の飲食店街火災、ようやく鎮火 発生から約42時間後
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富山の断水9179戸で続く 氷見市では応急給水や炊き出しも
富山県は4日午前8時現在で、地震による県内の重軽傷者を36人から37人に修正した。砺波市で軽傷者1人の報告があった。 避難者数は、氷見市163人、高岡市107人、射水市77人の順で、避難所は高岡市の21カ所など計39カ所に減った。 断水は氷見市の9100戸など県内計9179戸で続いている。氷見市は、ふれあいスポーツセンターなど計8カ所で応急給水。高岡市、小矢部市でも給水している。 氷見市によると、氷見、立山、砺波、南砺、富山、魚津の各市町の給水車が、県外からは横浜、川崎、岐阜県関の各市の給水車が水を運んでいる。5日から静岡県島田市からも派遣されるという。さらに国土交通省や民間の給水車も加わる。 給水先は市内8カ所の給水所や病院、福祉施設。金沢医科大学氷見市民病院では4日、川崎市などの給水車が受水槽に水を注いでいた。 高岡市でも大阪府の泉佐野市、交野(かたの)市、岐阜県美濃加茂市、山形県南陽市、東京都、黒部市、埼玉や長野の水道企業団などの給水車が活動。避難所になっている伏木コミュニティセンターには4日午前、東京都と泉佐野市の車が並んで給水した。 陸上自衛隊は5~9日、氷見市の避難者に炊き出しを行う。ふれあいスポーツセンターで5日の昼食から9日の夕食まで1日約100食を提供するという。 また氷見市は、9日の予定だった小中学校の始業を遅らせ、10日に始業できるかどうか検討している。さらに、災害ごみの仮置き場として、ふれあいの森第2駐車場(午前9時~午後4時)を指定した。 JR氷見線は6日始発から運転を再開する見込み。 日本赤十字社富山県支部が2日に石川県へ派遣した救護班第1班(6人)は、輪島市や七尾市で活動した後、4日夕に富山赤十字病院に戻った。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら 能登半島地震 1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする強い地震があり、石川県志賀町で震度7を観測しました。被害状況を伝える最新ニュースや、地震への備えなどの情報をお届けします。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
万博で世界が驚いた金塊 鉱山跡で今なお解明されていないミステリー
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