今年話題になった著名人をモデルにした「変わり羽子板」の展示会が12月30日、石川県金沢市の百貨店・香林坊大和で始まった。主人公は大リーグ本塁打王の大谷翔平選手、将棋の藤井聡太八冠ら9人。長さ60センチの羽子板8点に立体的に描かれている。 人形店の久月(東京)が1986年から毎年披露し、来年2月下旬まで全国を巡回している。プロ野球阪神タイガースの岡田彰布(あきのぶ)監督、車いすテニスの小田凱人(ときと)選手、やり投げの北口榛花(はるか)選手、タレントの黒柳徹子さん、漫画「スラムダンク」作者の井上雄彦(たけひこ)さんらも登場。大谷選手は本塁打で生還した後のかぶとをかぶった姿で、エンゼルスのユニホームの羽子板は、これが見納めになる。 7階で1月3日まで(元日は休み)。無料。(樫村伸哉) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
鉄道の利用促進する人たちが、使わないのは自己矛盾? 記者は考えた
今年は全国各地で赤字ローカル線のあり方が議論になった。四国でも、JR四国の西牧世博社長が存廃の議論を自治体と始める候補となる路線を初めて挙げた。その一つが予土線(愛媛、高知両県)だ。 地元自治体は危機感を強め、10月27日、両県でそれぞれ利用促進に取り組んできた協議会を一本化する会議を開くと聞き、高松から取材に出向いた。 会場の愛媛県松野町役場は、予土線松丸駅から徒歩5分。ちょうど開会の30分ほど前に同駅に着く列車があった。列車の到着時刻に合わせて会議を設定したのかとさえ思った。始発の宇和島駅から乗ったが、予想に反して出席者の姿はなかった。 鉄道の利用促進を話し合う関係者が、誰も鉄道を利用しないのは自己矛盾では。沿線首長の一人は私の問いに「ここに来る前、別の場所で用事があった。申し訳ない」と釈明した。 とはいえ私自身、取材に出かけるときは車を使うことが大半だ。公共交通を利用することで応援したいと考えても、本数が少なかったり、駅から離れた目的地への交通手段がなかったりして断念することは少なくない。 バスをはじめモビリティーの動向に詳しい中村文彦・東京大大学院特任教授は「無理して(公共交通を)使っても続かない。自家用車を公共交通に切り替えることが難しければ、公共交通を使う外出の機会を新たに作るアプローチもある」と提案する。 駅や乗り場まで歩くのは健康に良い。移動の間に仕事や食事、睡眠ができ、お酒も飲める。地球温暖化防止に協力できる。中村特任教授は、公共交通のそんなメリットを考慮しながら、自家用車と公共交通を使い分ける人たちを「チョイス層」と名付け、これらの人たちの公共交通利用の機会を増やす取り組みが鍵になると指摘する。 鉄道やバス、タクシーなどの事業者を取材すると「利用者がコロナ禍前の水準に戻らない」との嘆きをよく聞く。回復の道は、乗るか、乗らないかの二者択一の発想から離れることかもしれない。(福家司) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
さよなら2023年 名古屋の「吹奏楽の聖地」も、大阪のマルビルも
常連が通い詰めた喫茶店、吹奏楽の聖地となったホールや街のランドマーク……。今年、惜しまれながら姿を消していきました。2023年もあと1日。 国内最古級の喫茶店として、東京都内にチェーン展開してきた「亜麻亜亭(アマーテ)」(カフェ・アマティ)。25日、池袋駅地下街にあった最後の店が閉店し、88年の歴史に幕を下ろした。 「時代の変化についていけなかった」。店を運営する齋藤商事の常務取締役、山内園美さん(57)は、声を落とす。 1935年に1号店を開き、90年ごろには11店舗を構えた。勤め人の男性客が席を埋め、1店舗で月2千万円を売り上げたこともあった。 2008年のリーマン・ショックで潮目が変わり、ここ数年は、新型コロナウイルス感染症の流行などで赤字が続いた。さらに物価高と人手不足が苦しい経営に追い打ちをかけた。 新宿駅ビル内の店を閉めた10月。最後の営業を終えた時、1号店から利用してきたという常連客からかけられた言葉が忘れられない。「好きだったのよ。私はどこに行けばいいの」と泣いてくれた。「こういう人に支えられてきたんだなって。本当にありがたいこと」。山内さんは話した。(山口啓太) 本当の「さよなら」ではなく 2012年から国内最大級の吹奏楽の大会「全日本吹奏楽コンクール」の中学校、高校の部が開かれてきた名古屋国際会議場センチュリーホール(名古屋市熱田区)は、「しばしのお別れ」となる。 「吹奏楽の聖地」とも呼ばれ、今年は10月21、22の両日に開かれた。改修工事に入るためコンクールは来年から別の会場で開催される。同ホールの中谷務館長(77)は、毎年のコンクールを欠かさず鑑賞してきた。「多くの若者のパワーが集まる2日間がなくなるのは、本当に残念。まだ実感がわかないが、秋が近付くにつれ徐々にさみしさを感じるだろう」 今月20日には、同ホールでコンクールの全国最多出場回数を誇る愛工大名電高(名古屋市)のクリスマスコンサートが開かれ、賛美歌など10曲以上の演奏に、約3千人の聴衆から大きな拍手が送られた。 改修は、27年3月に終了予定。27年以降のコンクールの会場は未定だが、同ホールが再び会場となる可能性がある。中谷館長は「数年後、再びホールに中高生の演奏が響くことを願っている。だから、本当の『サヨナラ』ではないと信じています」と話す。(井上昇) 街のランドマークが 大阪の中心地・梅田では、街のランドマークだった「大阪マルビル」が老朽化のため姿を消した。 地上30階建て、高さ約124メートルの円筒形で、大阪の高層ビルの先駆けとして1976年に開業。大阪第一ホテルや飲食店が入り、待ち合わせスポットとしても知られた。ビルを所有する大阪マルビルによると、跡地は2025年の大阪・関西万博の開催期間中にバスターミナルとして貸し出し、その後はより高層の新ビルを30年春に完成させる計画だ。 梅田では、JR大阪駅北側の商業地区を結ぶ「梅北地下道」も、再開発に伴って今年11月に完全に閉鎖された。(岩本修弥) 2023年に終了したもの ・テレビ朝日の長寿番組「タモリ倶楽部」が3月31日の深夜放送をもって終了。計1939回 ・駅などで配られていたフリーマガジン「HOT PEPPER」が23年12月号で休刊。ウェブサイトに一本化 ・法人向けPHS終了。1995年から始まったサービスで、21年に個人向けサービスが終了していた。28年の歴史に幕を下ろした ・電話回線を使ったインターネット接続の「フレッツADSL」が原則、1月に終了。光回線が整備されていない地域は残る Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
北海道からモンゴルまで、森を追った番組 栗山英樹さんがナビゲート
北海道テレビ放送(HTB)の開局55周年を記念したドキュメンタリー番組「未来を創る森のチカラ 北海道から発見!の旅」が、1月2日午後2時~3時30分に放送される。ナビゲーターは野球の日本代表「侍ジャパン」の前監督で、住まいのある栗山町の「栗の樹ファーム」で植樹活動を続ける栗山英樹さんが務める。 北海道の面積の約7割を占める「森林」がテーマ。えりも町ではかつて、森林伐採で砂漠化するほど荒れたが、70年前の植樹活動で森づくりに成功した。えりも町の成功事例を紹介するほか、道内各地からモンゴルまで、森づくりに携わる人や「森」が秘める可能性を追った。 各地を取材したディレクターの渡辺里沙さんは、えりも岬の木々を見て「本当にここが砂漠だったのかな?と最後まで目を疑った」と振り返る。また、親子3代で森を守ってきたストーリーにも衝撃を受けた。「少しでも森に興味を持ってもらって、わくわくする夢が詰まっていることを感じてくれたらうれしい」と話した。 プロデューサーの金子陽さんは開局45周年の企画で、グリーンランドを訪れ、地球温暖化を取材した。「これだという解決策もない。現状、ものすごい進んでいるということまで行き着いたが、(未来への)展望がなかった」と反省した。 今回の番組では「北海道で素晴らしいことをしているんだと再認識してもらいたい」と明るいトーンを心がけたという。 栗山さんは日本ハム監督就任後、番組のナレーションをするのは初めてだったといい、渡辺ディレクターの取材に対して「野球についてこんなに話さなかったのは初めてだよ」と話していたという。 構想から放送まで足かけ約2年を要した。「ここ15年くらいで、ここまで時間をかけた番組はない」と金子プロデューサー。収録を終えた栗山さんは「自然とどう向き合っていくのか。もう一度、森のある意味をいま考えなければ、次の世代が困ってしまう」と話している。 番組HPは(https://www.htb.co.jp/forest/)(古畑航希) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
どこ曲がるんだっけ? 箱根駅伝10区の「寺田交差点」生んだ居眠り
なぜ居眠りなんてしてしまったんだろう。 車内が暖かくて、気持ちよくて、遠くから監督の声が聞こえた。 「ここを曲がったらゴールだからな」 箱根駅伝の第87回大会が翌日に迫る2011年の元日。10区を任された寺田夏生(32)=当時・国学院大1年=は前田康弘監督とコースの確認をしている最中に、夢の中へ引きずりこまれた。 それが箱根ファン伝説の「寺田交差点」を生むことになる。 つなぐ、つむぐ 箱根駅伝100回 2024年1月2日、箱根駅伝は100回大会を迎えます。残り500㍍での棄権、異例の1年生主将、繰り上げを避けた7秒の戦い……。伝統のトロフィーを作った職人秘話も。様々な「箱根」を取材しました。 箱根駅伝をきちんと見たことは一度もない。 長崎県出身。中高生6年間は足が速かったため、箱根駅伝がある毎年1月2、3日は必ず宮崎県内で開かれる強化合宿に参加していた。そこにはテレビがなかった。 「小学生の時にうっすら見た記憶があるぐらい。でも全然思い入れがなくて、箱根に触れる機会がなかったんです」 監督からのスカウトで国学院大へ入学。先輩の箱根への熱い思いに触れ意識は上がっていく。だが、逆にケガも増えていった。臀部(でんぶ)の炎症、疲労骨折、思ったように練習ができない。 12月に、選考メンバーから1人、離れることに。「もう箱根はないだろうな」。二段ベッドの上で、のんびりとゲームをして過ごす日も多かった。 走り出しは11位、シードまで21秒 メンバー入りを宣告されたのは、大みそかだった。「1キロ3分5秒で走れば良いから。いけるっしょ」。明るく言う監督の言葉に、迷いなくうなずいてしまった。 元日、10区(鶴見中継所~… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「核持ち込み問題、再浮上も」米空母横須賀配備50年、第一人者の懸念
1973年の米空母の横須賀配備は、核兵器の搭載を巡る問題で始まった。米情報公開法を駆使して在日米軍の実態を明らかにした第一人者で、長崎大学核兵器廃絶研究センターの初代センター長を務めたNPO法人ピースデポ特別顧問、梅林宏道氏に聞いた。 ――空母配備を巡り、当時の横須賀市長は「母港化は基地の拡大、恒久化につながる」と反対を表明し、後に容認に転じました。背景には何が 一番大きいのは日本政府との関係だと思う。米軍にとって横須賀は最も大切な基地のひとつ。その基地を抱える市長は、政府とうまくやっていくことが非常に大きな役割になる。日本政府は米国との関係から受け入れざるを得ない状況になっていて、市長も最終的に合わせざるを得なかった。マスコミは「空母 滞在は3年間の予定」などと大きく報じたが、米側の交渉記録には一切「3年」の話は出てこない。 核兵器の問題、気にした米国 ――日米両政府はどんな交渉をしていたのでしょう 米国立公文書館に当時の極秘… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「大熊の名を」つないだタスキ 13年貫き続けたランナーの思い
東日本大震災後に途絶えていた駅伝大会が復活した。震災からまもなく13年。そこには、大熊の名が駅伝から途絶えぬように尽力した、1人のランナーの思いがあった。 福島県大熊町で12月17日にあった「大熊駅伝」。駆け抜ける82チーム計約320人の姿に、主催者の一人、渡辺隆弘さん(42)は「これだけ多くの人が大熊町に集まり走ってくれたのは夢のよう」と目を潤ませた。 町内では1989年ごろから毎年大会が開かれていた。町内外の小学生から大人まで、多いときは200チーム以上が参加する、町の冬の風物詩だった。 渡辺さんは隣町の富岡町生ま… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
海産物が人気 「アメ横」に年末の買い物客戻る 「本当に感謝」
年の瀬の30日、東京・上野のアメ横商店街は正月用の食材を買い求める客らでにぎわった。約400店が軒を連ねる通りには「1万円でカニふたつにイクラもつけるよ!」「どうぞ近くで見ていって!」と店先から客を呼ぶ声が響いた。 アメ横商店街連合会によると、昨年の27~31日の人出は150万人だったが、今年は200万人近くと見込んでいる。 同会の千葉速人副会長(69)は「これだけ人出が戻ってきたのは本当に感謝。外国からの観光客だけでなく、北関東近郊のお客さんにももっと来て買い物を楽しんでいただければうれしいです」と話した。(柴田悠貴) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
まだ見ぬ「ミノリ」に抱いた恋心 男は見知らぬ女性に手をかけた
元交際相手への逆恨みから、殺人のぬれぎぬを着せるために犯行に及んだ――。 前橋地裁は11月、そう指摘し、強盗殺人などの罪に問われた被告の女(34)に無期懲役の有罪判決を言い渡した。被告が無罪を訴えた中、地裁が信用したのは、共犯者とされた男(37)の証言だった。 判決や男の証言などから、事件の経過をたどる。 被告は2020年5月ごろ、マッチングアプリで知り合った被害男性と交際を始めた。だが、7月ごろ、被害男性のクレジットカードの不正使用を疑われ、距離を置くことになった。その後、電話やメールで連絡を取ろうとしても一切、応じてもらえなくなった。 同じころ、被告とゲーム仲間だった男のもとに、被害男性に危害を加えることなどを指示しているとみられるSNSのメッセージが届くようになった。被告に頼み、紹介してもらった女性「ミノリ」からだった。男の携帯電話には、次のような受信メッセージが残っていた。 「(男が)処理するってこと」「包丁で刺すって話。」(7月24日) 「用意しておいてほしいものが」「金属バット」「(一応)練炭」「刃物類」(同月25日) 「自殺しなければすぐ消すこと」「(被害男性が)殺したように仕向けて2階でもどこでも転がしておくこと」(同月30日) 被告がSNSで自殺志願の被害女性を誘い出し、その被害女性を男が殺す。そして、その遺体と身分証を被害男性の家に運び、家ごと燃やす――。 そんな計画に、男が加わっていった。被害女性や被害男性とは面識がないのに、なぜ応じたのか。男が理由に挙げたのは、まだ見ぬミノリへの恋心だった。 検察官「どうやってミノリと… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
柿沢議員側「人身御供を」 前区長に提案 ネット広告関与隠す工作か
4月の東京都江東区長選をめぐり、前法務副大臣で衆院議員の柿沢未途(みと)容疑者(52)が選挙期間中に違法な有料ネット広告を掲載したなどとして逮捕された事件で、柿沢議員の秘書が木村弥生・前区長(58)=辞職=に対し、広告掲載を判断した人物として無関係の第三者を「人身御供」にする提案をしていたことが、関係者への取材でわかった。 提案を受けた木村氏の側は会見で「支援者が単独で行った」と虚偽説明をした疑いがあり、東京地検特捜部は柿沢議員や木村氏の関与を隠す偽装工作とみて調べている。 「早急にストーリー固めを…」 柿沢議員は28日、公職選挙… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル