江戸川夏樹 棚橋咲月2023年12月28日 22時05分 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画をめぐり、国は28日、新たな区域の埋め立てに必要な設計変更を県に代わって承認する異例の「代執行」に踏み切った。地元の市長はどう受け止めたのか。 政府は米軍普天間飛行場返還に向けて、辺野古への移設計画が「唯一の解決策」と繰り返してきた。普天間飛行場がある宜野湾市の松川正則市長は記者団に「返還合意から27年が過ぎ、見通しが立たないような状況でずっときていたので、(工事が進むことに)一部ほっとしている」と話した。 ただ、辺野古の代替施設が米軍に引き渡されるまでには、約12年かかると試算される。宜野湾市は普天間返還後の跡地利用の計画も進めている。松川市長は「これだけ長い間、普天間飛行場を抱えて厳しい環境に置かれてきた。(辺野古が)完成すれば移設は真っ先にやってもらうのが当然のことだと考えている」と語った。 一方で、「国と県がこれだけ対立し、亀裂ができてしまった。予算の面も含めて今後の懸念をしている」と不安も吐露した。 辺野古がある名護市の渡具知武豊市長は記者団に「工事の進捗(しんちょく)が現実なものとなることで、近隣住民から不安の声が上がっている。不安の払拭(ふっしょく)や生活環境をどう守っていくのかを考えていかなければいけない」と述べた。 辺野古移設をめぐっては、国と県の意見が対立し、法廷闘争に発展。県が敗訴し、代執行に至った。渡具知市長は「基地問題に関してはやはり、国と県、そして自治体が話し合いを重ね、解決を図ることが基本だと思う」との考えを示した。(江戸川夏樹、棚橋咲月) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
佳子さま29歳に 被災地やペルー訪問、心を込めて活動に励む
多田晃子2023年12月29日 0時00分 【動画】29歳の誕生日を迎えた秋篠宮家の次女佳子さま=宮内庁提供 秋篠宮家の次女佳子さまは29日、29歳を迎えた。誕生日にあたり、宮内庁は佳子さまのこの1年の活動や思いを文書で発表した。 文書によると、佳子さまは一つ一つの活動に心を込めて取り組むとともに、誰もが安心して暮らし、より幅広い選択肢を持てることが当たり前の社会になることを願っているという。 5月には宮城県石巻市のみやぎ東日本大震災津波伝承館などを訪れ、話に耳を傾けた。犠牲者や被災者に思いを致すとともに、語り継ぐ大切さを改めて感じたという。都内で開かれた日本伝統工芸展を訪れた天皇、皇后両陛下と長女愛子さまを案内した時には、素晴らしい作品を鑑賞してもらい、うれしそうな様子だったという。 9月に東北大学で開かれた、女子大学生の誕生110周年などを記念した式典では、偏見が作り出す社会の雰囲気や圧力が数多く存在するとし、「個人の可能性や選択肢を制限することにもつながっていると感じます」と話した。 また、同質な集団で、同じような考え方ばかりを共有するのではなく、いろいろな人が力を発揮し、意見を交換できる環境では、新しい視点や価値観を歓迎し、当たり前と感じていたことに疑問を持つことで「これまでになかったものを作り出すことができる」と述べたという。 日本との外交関係樹立150周年にあたり、11月にペルーを訪問。訪問前には様々な書籍や説明などで同国に関する理解を深めたほか、訪問中の歓迎や人々との交流に感謝しているという。 秋篠宮邸では今月、ろう者とともに30年にわたり手話放送を作り続けてきた岡山放送の関係者から取り組みについて説明を受け、熱心に耳を傾けた。 この1年の公的な活動や宮中祭祀(さいし)などは計69件で、前年の42件から増加した。(多田晃子) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
学童職員の水増し、9自治体で ワーカーズコープ、第三者委が報告書
全国で児童館や学童クラブなどの管理・運営を受託している「労働者協同組合ワーカーズコープ・センター事業団」(本部・東京都豊島区)が、東京都内の複数の区に職員数を水増しする虚偽の報告をしていた問題で、同事業団は28日、第三者委員会による調査報告書を公表した。事業団によると、全国9自治体の38事業(うち都内は7区32事業)で虚偽報告をしていた。不正に受給した委託料は各自治体と協議のうえ、今後返還するとしている。 報告書は27日付。報告書によると、同事業団は勤務実態のない組合員の名前を提出書類に記し、配置基準を満たしているように報告していた。また、事業所や現場の職員は虚偽だと認識していながら、「職員不足のほうが問題だ」ととらえ、実態と異なる報告を黙認していた。 原因について、報告書は人員… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
江東区「御三家」の争い、先代から 「敵同士の両家が組むとは…」
東京都江東区では長年にわたり、「三つの家」が選挙でぶつかり合ってきた。事件の背景には、覇権争いがあったのではと指摘する声もある。 元自民衆院議員の木村弥生氏と前自民都議の山崎一輝氏らが争った今年4月の区長選。木村氏の父は元自民衆院議員の勉氏、山崎氏の父は2007年から区長を4期務めた故・孝明氏で、「2世」同士の対決でもあった。 もう一人の「2世」で選挙のキーマンとなったのが、柿沢未途氏だった。父は元外相の故・弘治氏だ。 「柿沢党」と呼ばれる強固な… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
海岸で砂に埋もれた4歳男児死亡事故 管理者を不起訴処分に
宮崎県日南市の伊比井海岸で2022年4月、当時4歳の男児が消波ブロックそばの砂に埋もれて死亡した事故で、管理していた県日南土木事務所の当時の管理責任者を県警が業務上過失致死の疑いで書類送検し、宮崎地検が不起訴にしていた。28日、捜査関係者への取材でわかった。 捜査関係者によると、県警は今年3月に書類送検し、宮崎地検は4月7日付で不起訴にした。県警は書類送検の際に検察に起訴を求める「厳重処分」ではなく、起訴を求めない意見をつけていたという。 事故は22年4月29日に発生。秋田県にかほ市から家族と観光で訪れていた男児が消波ブロック近くの砂浜に埋まった。消防や近くにいた人が砂の中から男児を救出したが、救急搬送先で死亡が確認された。死因は窒息死だった。 消波ブロック下の空洞 「過失責任問うのは困難」 男児が発見された場所は、砂… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
孤独な夜を乗り越え、煮るぜんざい 86歳店主が妻に見せたかった姿
100年以上経った古民家が連なる風景に似合う小さな丸い街灯だけが、ちらほらと旧街道沿いに散る。 人が住んでいる気配はほとんどない。古民家を改修した土産店やパン屋は営業を終え、看板がどこにあるのかも見えない。 「でんじろう」の看板だけが、店内から漏れる明かりで浮かび上がっていた。 ガラスを縦横に走る格子の向こう側に、高齢の男性が座って本を読む姿が透けている。 カフェだろうか。戸を引いて中に入る。 ♪lay across my big brass bed…… ボブ・ディランの「レイ・レディ・レイ」が流れていた。 テーブルには、米国の元大統領の回顧録が数冊。「ちょっと古い本ですけどね。本は読むたびに新しい何かを感じるものです」 西国伝次郎さん(86)。愛媛県内子町にあるこのカフェの店主だ。 壁にはボブ・ディランの2023年の大阪コンサートで買ったポスターがあった。 ボブ・ディランは米国の音楽史を代表するミュージシャンとして知られる。 「ニューヨークにいた30代初め、ブラウン大学の構内であったライブに行った。ずっとファン。大阪のコンサートでは半世紀ぶりにライブで酔った」 古民家カフェ「でんじろう」は手作りのぜんざいが人気です。西国さんがここにたどり着くまで、波瀾万丈な人生の歩みがありました。86歳になった今、向き合う孤独、そして心のよりどころとは。 商社の幹部候補生、がむしゃらに働いた 西国さんは櫛生村(現・愛媛県大洲市)の農家に生まれた。村では進学が珍しいころ、大阪の高校と大学に進み、大手総合商社に入った。 ニューヨークにいた1960… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
東京都内の辰年生まれは107万人、十二支別で9位 一番多い干支は
東京都内の辰(たつ)年生まれは107万人――。新年を迎えるにあたり、都が2024年の「年男・年女」の人口(推計)を発表した。 都によると、辰年生まれは男性が52万4千人、女性が54万7千人。出生年別にみると、1976年生まれが20万8千人と最も多く、64年生まれが18万1千人、88年生まれが17万人と続く。 総人口に占める辰年生まれの割合は8・1%で、十二支別人口の中では9位。最も人口が多いのは丑(うし)年(118万9千人)で、最も少ないのは午(うま)年(101万8千人)という。(伊藤あずさ) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「ととのう」アスリート、独自のお作法 フィギュア選手も意外な活用
近年ブームのサウナ。野球、サッカー、そしてフィギュアスケートなど、とりわけスポーツ選手の間で人気になっている。その分布図は首都・東京の錦糸町などの「激戦区」から、地方へと広がりを見せている。 例えば東北。サッカーのモンテディオ山形がスタジアムにテントサウナを設置した観戦イベントを開催した。ラグビーの釜石シーウェイブズ(岩手)やバスケットの青森ワッツの選手一覧をのぞくと、「趣味はサウナ」と答える選手が複数いる。ベガルタ仙台や秋田ノーザンハピネッツなど、公式グッズにサウナを取り入れるチームもある。 2023年11月26日の「いい風呂の日」。仙台市泉区の「スパメッツァ仙台 竜泉寺の湯」で、プロ野球・楽天の小深田大翔(28)と村林一輝(26)のトークショーがあった。楽天モバイルパーク宮城には選手やコーチが使えるサウナがあり、2人はそこで魅力に目覚めた。 村林は「球場のサウナで『ととのう』の意味を実感した」。小深田は「暑いのが苦手なので、最初に水風呂に入って体を冷やしてからサウナに入る」と独自のお作法を明かした。アスリートがサウナに魅せられるのは、心身の疲れを取り除きリラックスする「ととのう」ことにあるようだ。 フィギュアスケートの友野一希(25)=上野芝ク=は「ととのう」以外でサウナを活用する選手だ。 ナショナルトレーニングセンター(NTC)の「関空アイスアリーナ」近くにあるサウナに強化選手の仲間とよく行くという。 友野は「やっぱり『裸の付き合い』っていうのもあって仲良くもなれるし、結構コミュニケーションのツールの一つとしてサウナもありだな、と思います」。 サウナとはもう古い付き合いとなるアスリートもいる。野球の独立リーグ、埼玉武蔵ヒートベアーズに所属する由規(34)。仙台育英時代からのサウナ好き。07年の高校生ドラフト1位で入団したヤクルトの寮には、サウナがあった。その後移籍した楽天もサウナ「あり」だった。 「代謝を良くして体を絞ったり、夏バテ対策をしたりする目的で入るようになった。『ととのう』という言葉が広まる前から、その感覚はつかんでいた」 由規は今では球団イベントで「熱波師」に扮することもある。ファンのためにスポーツの「熱い風」を一緒に届けるつもりだ。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
高1女子が死亡、薬の過剰摂取か 放置した疑いで会社役員を再逮捕
大阪府茨木市のアパートで高校1年の女子生徒が死亡しているのが見つかり、体内から致死量を超えるせき止め薬の成分が検出された事件で、府警は28日、住居不定、会社役員の橘孝憲容疑者(58)=未成年者略取容疑で逮捕=を保護責任者遺棄致死容疑で再逮捕し、発表した。黙秘しているという。 捜査1課によると橘容疑者は11月11日未明、女子生徒(16)を当時住んでいた茨木市のアパートに連れ帰り、薬の影響で危険な状態だと知りながら放置し、同日午後6時ごろ、急性薬物中毒で死亡させた疑いがある。 女子生徒は薬局でせき止め薬4箱を購入後、同日未明に大阪市内のカラオケ店で橘容疑者と落ち合ったという。2人は8月ごろにネットで知り合ったとみられる。周辺の防犯カメラには、女子生徒が容疑者と合流後、路上に崩れ落ちるなど、自分で歩けないほどの状態になった様子が映っていたという。 大阪地検は28日、未成年者略取容疑について処分保留とした。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
生活保護受給者にわいせつな行為 就労支援相談員の男性を懲戒免職
平川仁2023年12月28日 14時00分 仙台市は27日、生活保護の就労支援相談員が受給者にわいせつな行為をしたとして、同日付で懲戒免職処分にし、発表した。職員は行為を認め、「好意があった」と話しているという。 人事課によると、懲戒免職になったのは青葉区宮城総合支所の男性相談員(70)。8月1日、担当する女性のハローワーク訪問に同行した後、飲食店に誘って体を触るなどした。また3日には「掃除を手伝う」と言って女性の家を訪れ、わいせつな行為をした。 同課は「相談員と受給者という断りづらい関係性の中で行為に及んでおり、悪質性が高い」と判断した。 また市は27日、障害者総合支援法に基づいて外部に委託している障害者相談支援事業と発達障害者支援センター運営事業について、消費税の課税対象であるにもかかわらず、非課税扱いで処理していたと発表した。委託先は14法人にのぼり、税務署への追納額など約2億2千万円を、市が事業者側に支払うという。 市障害者支援課によると、支払額は2018~23年度分の消費税と延滞税を含めた概算。市は「国や市の周知が不十分で、事業者の責任に帰することはできない」と判断し、市が支払うことを決めたという。 厚生労働省が10月、他の自治体で同様の問題があったことを受け、課税対象だと周知する通知を出し、仙台市も誤りに気づいた。来年2月の議会定例会に補正予算案を提出するという。(平川仁) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル