1971年11月に起きた渋谷暴動事件で、警察官を殺害したとして殺人罪などに問われた過激派「中核派」の構成員・大坂正明被告(74)の判決が22日、東京地裁で言い渡される。被告は事件の46年後に逮捕・起訴された。検察側が無期懲役を求刑し、弁護側が無罪を訴えた公判では、半世紀前の事件を裁く難しさも浮き彫りになった。 高齢の「証人」が次々…そのわけは 「戦争体験みたいなもの。大筋は覚えている」「記憶が薄れてしまった」「覚えていない」――。 昨年10月に始まった公判では、デモに参加した元学生や捜査を担当した元検察官らが次々と出廷し、「半世紀前の記憶」をめぐる証人尋問が続いた。事件当時は未成年だった人も含め、関係者はいずれも高齢になっていた。車いすの人もいれば、健康上の理由で期日が取り消されることもあった。 なぜこんな審理になったのか。 大坂被告は警察官殺害容疑で長年指名手配されていたが、殺害に関わったと直接示す物証はない。だが、殺害などで有罪になった元学生4人が当時の検察官に「被告が(死亡した)警察官を殴っているのを見た」などと述べた調書がある。 これを有罪立証の柱にしよう… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
CO2回収サブスク賛否 手がける村木風海さんの主張と専門家の批判
地球温暖化の主な原因となっている二酸化炭素(CO2)の回収装置を家庭やオフィス向けに提供するサブスクリプション(定額制)サービスを国内の団体が始めた。SNSでは称賛の一方、装置の性能に対し問題を指摘する声も上がっている。サブスク提供側と、否定的な専門家に直接、考えを尋ねた。 大気中のCO2を直接回収する技術は、ダイレクト・エア・キャプチャー(DAC)と呼ばれ、国内外で研究開発が進められている。回収までに費やすエネルギーや発生するCO2との収支、経済性などが課題となっている。 そんな中、2020年設立の一般社団法人・炭素回収技術研究機構(東京、村木風海〈かずみ〉代表理事・機構長)が「世界最小のCO2回収装置」と紹介する装置「ひやっしー」のサブスクを始めた。 同機構のウェブサイトなどによると、既に病院、公的機関や個人の家庭などに納入しているという。現在、オフィスや家庭・個人用に年額50万円以上の定額プランで提供している。 ひやっしーはスーツケース大のサイズで、装置の内部にはカートリッジとして水酸化ナトリウムを含む液体がある。取り込んだ空気に含まれるCO2をこの液体が吸収する仕組みだとしている。取り込んだCO2の60~80%を吸収できるという。 X(旧ツイッター)などでは「スゴイ!天才」「衝撃と歓喜!」「世界中に広まるといいね」といった称賛がある一方、「逆にCO2の発生量を追加で増やすだけ」「環境問題にまったく寄与しない」といった批判も上がっている。 批判の中心は、ひやっしーがCO2を吸収しても、調達する水酸化ナトリウムの製造・輸送過程や装置の生産時などに排出されるCO2の方が多ければ、環境負荷はむしろ大きくなるという点だ。 化学が専門で、問題点をXでも指摘している山下誠・名古屋大教授は「(水酸化ナトリウムの溶けた)アルカリ水溶液にCO2を吸わせているだけ。アルカリ水溶液を作るのに出てしまうCO2より少ないCO2しか吸収できない」と説明する。 同機構の村木さんは、装置全体の製造からリサイクルまでを含めたCO2排出量について、「部品点数が多いのでまだ計算が終わっていない」と説明する。 稼働時については、同機構もコンセントにつないだ場合は発電所でのCO2排出量の方が多い可能性があることを認めており、太陽光パネルを付けることを推奨している。 回収したCO2を含んだ使用済みのカートリッジは「ラボで保管している」と村木さん。回収したCO2から石油代替燃料をつくる構想を掲げているが、実現していないのが現状だ。 CO2の収支や処理方法が定まらない中で同機構がひやっしーのサブスクを始めたことについて、物理学者の菊池誠・大阪大教授は「『こんな発明をしました』と提案をする分にはいいが、商売にするにはまだ早い段階だと思う」と指摘する。 ひやっしーの普及を進めている狙いについて、村木さんは「ボタン一つ押せばCO2を減らせる存在があるんだって知ってもらいたい」と語る。「科学の尺度だけで計れないビジネスの話をやっているので、科学界からの批判はあるかもしれないが、そうやって研究停滞させてたらいつまでも何も解決しない」と主張する。 現在23歳の村木さんは高校生の時に総務省の事業で、ひやっしーにつながる開発の支援を受けた。 東京大理科1類から工学部に進み、今年3月に中退。在学中に東大で講義するなどして注目されてきた。21年には国の研究推進事業の広報役を担う内閣府ムーンショットアンバサダー、23年には文部科学省の「核融合の挑戦的な研究の支援の在り方に関する検討会」委員に就いた。メディアへの露出も多い。 同機構のウェブサイトでは村木さんを「化学者」「社会起業家」などと紹介している。 同機構では、地球温暖化を食い止めたり、火星移住を実現したりするための研究開発を進めており、20人体制(3月31日現在)という。村木さんは「30年の時点で1万人とか10万人とかのNASA(米航空宇宙局)やJAXA(宇宙航空研究開発機構)を超える研究所にしていこうと考えている」と話している。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ふるさと納税返礼品にコスプレ体験 衣装準備、撮影も 東京・豊島区
東京都豊島区は21日、来年1月から同区へのふるさと納税の返礼品として「コスプレ体験プラン」を用意すると発表した。寄付額53万円のプランでは、希望するキャラクターのレンタル衣装を区が準備。同区で開かれるコスプレイベント「アコスタ」に参加でき、プロのカメラマンによる撮影などもあるという。 区は今年7月、トキワ荘マンガミュージアムの回数券など、ふるさと納税の返礼品を初めて用意。これまでに12件、24万2千円の納税があったという。自身もコスプレ経験のある高際みゆき区長は「日本最大のコスプレイベントを体験してほしい」と期待を込めた。 このほか、同イベントの回数券プラン(2万円~)や、宿泊付きプラン(11万円)などもある(寄付額は全て予定)。 区によると、昨年は区民約3万4千人が、44・3億円を他自治体に寄付し、控除による区税の減収額は19・4億円だった。(中村英一郎) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
倉敷の夫婦殺傷事件 長男ら2人を殺人未遂容疑などで逮捕 岡山県警
上山崎雅泰2023年12月21日 20時44分 岡山県倉敷市玉島で2日に会社経営の問田(といた)正さん(57)が刃物で刺され死亡し、妻(50)も重傷を負った事件で、県警は21日、自営業村上航希容疑者(26)=岡山市北区東花尻=と、夫婦の長男で、問田さんの会社の役員問田直孝容疑者(29)=倉敷市玉島阿賀崎1丁目=を殺人未遂と住居侵入の疑いで逮捕し、発表した。県警は2人の認否を明らかにしていない。 玉島署捜査本部によると、2人は共謀して2日午後3時5分ごろから同6時15分までの間、問田さん方に侵入し、問田さんの妻に対して殺意を持って刃物で腹部を突き刺したり、顔や胸を切りつけたりするなどし、殺害しようとした疑いがある。妻は右横隔膜損傷や肝損傷など1カ月の大けがを負った。 事件をめぐっては、同日午後7時25分ごろに妻から玉島署に「刺された」と通報があった。署員が駆け付けたところ、問田さんは洗面所で横向きの状態で倒れており、死亡が確認された。妻は台所付近で倒れていたが、署員に「男が家に入ってきて刺された」という旨の説明をしていた。 村上容疑者と直孝容疑者の間には面識があったという。県警は村上容疑者が妻を襲った実行犯とみて、2人の役割分担などを調べる。また問田さんの殺害にも関与していた疑いがあるとみて捜査する方針。 問田さんは倉敷市内で自動車部品会社を経営し、妻や直孝容疑者らが役員を務めていた。県警は夫婦と直孝容疑者との間で金銭を巡るトラブルがなかったか調べている。 問田さんが倒れていた場所の近くには刺し身包丁(刃体約22センチ)が見つかり、凶器として使われた可能性があるという。(上山崎雅泰) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
記録的大雪の留萌市で交通マヒ、バスルート変更で日常の足を確保
奈良山雅俊2023年12月21日 21時00分 記録的な大雪と吹雪に見舞われている北海道留萌市は除排雪が追いつかず、21日も中心市街地は交通マヒの状態が続いた。沿岸バス(本社・羽幌町)は同日、運行ルートを変更して市外からの通院、通学の足を確保した。 沿岸バスは17日から市内線と増毛、羽幌方面からの郊外線を運休。郊外線は19日から除排雪が進まぬ市街地の手前まで運行を始めたが、ともに「終点」から留萌高校や市立病院までは徒歩で2~3キロ。タクシーも台数を制限しており、留萌高校は18日から20日まで休校せざるを得なかった。 市立病院には5日ぶりに郊外線のバスが到着した。週3日透析に通う70代の女性は「よかったわ」と杖をついてバスを降りた。前々日は「終点」でバスを降り、介護事業所の車で病院に来たが、透析を終えても暴風雪が収まらず、そのまま病院で一夜を過ごした。 沿岸バスによると、暴風雪による長期運休は2013年1月に市内線が12日間運休(3~14日)したことがある。当時は9日から運行可能な道だけを通る災害対策便を走らせ、市立病院までのルートを確保した。同社では「年末から2月ならわかるが、12月のこの時期にこんな大雪は聞いたことがない」という。 この日、中心市街地の道路脇には2~3メートルの雪壁が連なり、車からは店の2階部分が見える程度。道幅も狭く対向車とはすれ違うのがやっとで、あちこちで渋滞がおきていた。夕方から再び暴風雪になり、商店主は「いつまで続くのか。本当に参った」とため息をついた。 旭川地方気象台によると、留萌市の積雪は21日午後6時現在、90センチ(平年26センチ)。特に18日はドカ雪で午前9時までの12時間降雪量は63センチ、午後8時までの24時間降雪量は78センチと、ともに留萌市の統計開始(1999年)以来、最大となった。大雪は週末まで続く見込みという。(奈良山雅俊) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
水道断水は「市に責任」、条例の免責規定認めず 福岡高裁で逆転判決
沖縄県宮古島市で2018年に水道施設が故障して起きた断水をめぐり、ホテル業者が市に賠償を求めた訴訟の差し戻し後の控訴審で、福岡高裁(久留島群一裁判長)は21日、水道施設の装置を40年間交換していなかった市側の責任を認め、宿泊キャンセルなどに伴う計約200万円の賠償を命じる判決を出した。 市条例は、給水の制限や停止で損害が生じても「市はその責めを負わない」と定めている。一、二審は条例の免責規定の合理性を認め、ホテル側の請求を棄却していた。 しかし、最高裁は昨年7月、自治体に常時給水を義務づける水道法の規定には、「災害その他正当な理由があってやむを得ない場合」は給水を停止できるとあることから、今回のケースも「やむを得ない場合」かどうかの検討が必要だと指摘。市条例の規定は「水道法の解釈を確認しているだけだ」として、市側の免責を規定する効力はないとした。 久留島裁判長は今回の判決で… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
JR新橋駅近くで火災 木造2階建て飲食店付近、けが人情報なし
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母を刺した殺人未遂容疑で次男を逮捕 居間に父の遺体 福井県大野市
同居する母親の首などを包丁で刺して殺害しようとしたとして、福井県警は21日、同県大野市深井、会社員富田雄大容疑者(34)を殺人未遂容疑で緊急逮捕し、発表した。自宅の居間で、父で会社員の富士夫さん(65)が首から血を流して倒れているのが見つかり、搬送先の病院で死亡が確認された。 県警によると、富田容疑者は同日午前8時ごろ、自宅で、母るみ子さん(70)を殺害しようと包丁で首や顔を刺し、重傷を負わせた疑いがある。富田容疑者は「殺そうと思って刃物で突き刺した」と容疑を認めているという。 けがをしたるみ子さんが自宅から逃げ、通行人が110番通報した。救急隊員らが居間で倒れている富士夫さんを発見したという。県警は、富士夫さんの死亡についても富田容疑者が何らかの事情を知っているとみて調べる。富田容疑者は次男で、両親と3人暮らしだった。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
三郷町長が漏洩認め陳謝、進退は明言せず 大阪地検特捜部が在宅起訴
奈良県三郷町発注の入札を巡り、森宏範町長(64)と幹部2人が大阪地検特捜部に在宅起訴された21日、森町長は記者会見を開き、謝罪した。町役場などの家宅捜索から2カ月半。職員からは「まさか3人も。町はどうなってしまうのか」と戸惑いの声が漏れた。 起訴内容は、森町長が2020年10月の一般競争入札で、業者側に設計金額を教えたというもの。森町長は21日夕の会見で、「深くおわびいたします。すみませんでした」と深々と頭を下げた。 問題の工事は町立西部保育園の建て替えに伴う仮園舎設置などの事業といい、違法性の認識を認めた。詳細は「公判で明らかにしたい」とした。 森町長は通信機器販売会社勤務や町議を経て10年の町長選で初当選し、4期目。自身の進退については「近々皆さんにちゃんと説明したい」と述べ、改めて会見を開く意向を示した。 特捜部の家宅捜索では福祉保… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
鹿児島知事が20年運転延長を「了承」 川内原発の60年運転を容認
九州電力川内原子力発電所1・2号機(鹿児島県薩摩川内市)の20年運転延長をめぐり、塩田康一知事は21日、運転延長を「了承する」と容認する考えを表明した。国の審査や専門家らの議論を通じて科学的・技術的な安全性は確認できたと評価した。 1号機は2024年7月、2号機は25年11月に運転開始40年の期限を迎える。九電は昨年10月に運転期間の20年延長を申請し、原子力規制委員会が今年11月、九電の特別点検などは適切で、将来的にも設備機能は維持できると判断し、20年延長を認めた。国内での認可は5、6基目。 運転延長に関しては、地元同意は必須とされていないが、塩田知事が延長について考えを示したのは初めて。塩田氏は記者団に「延長にあたっては安全性が一番重要」とした上で、「100%(の安全)は難しいが、専門家の意見を踏まえた上で判断した。今後20年の安全性は評価された」と話した。 塩田知事は20年知事選で初当選した際、運転延長について賛否に触れず、公約で「必要に応じて県民の意向を把握するため、県民投票を実施する」と掲げた。 しかし、原発に関する県の専… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル