自民党の派閥が政治資金パーティーを使って裏金を作っていた疑いが強まり、東京地検特捜部による捜査が本格化しました。何が問題なのか、どのように解決していくべきなのか。識者に聞きました。 「政治とカネ」を取材してきたジャーナリストの青木理さん(57)は今回の問題で、「裏金を配った側は背任、パーティー券の売り上げを派閥に納めず懐に入れた側は横領さえ疑われる。あるいは、脱税で摘発対象にもなり得る」と指摘します。 政治資金規正法で繰り返されてきた「記載漏れ」といった形式犯ではなく、刑事犯に当たるような行為が組織的に続けられてきたことを重くみます。「倫理の底が抜けた『論外の所業』です」 求められる「透明化」とは 与野党で政治改革や政治資金の透明化についての議論が始まりました。政治資金について研究してきた駒沢大の富崎隆教授(政治学)は、今回の問題を「健全で信頼に足る民主制を実現するための起点にしてほしい」と語ります。 富崎教授が必要だと考えるのは「透明化」です。 今の政治資金規正法では、パーティー券は1回につき20万円を超えなければ報告書に記載しなくてもよいことになっていますが、この金額を1万円に引き下げる。 政治家個人、後援会、政党支部と事実上三つの「財布」がある現状を改め、一本化する。 現金のやり取りは原則として禁止する。政治資金収支報告書の電子化を進める。 独立した監督機関を設け、政治資金をチェックする。不正に対しては、いきなり刑事罰を科すのではなく、第三者機関が行政罰を科す。 富崎教授はこうした改革で、不透明さを排していくべきだと指摘しています。(本山秀樹、田渕紫織) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「餃子の王将」社長射殺から10年、残る謎 長男「真相解明信じる」
光墨祥吾2023年12月19日 5時45分 「餃子(ギョーザ)の王将」を展開する王将フードサービスの社長だった大東(おおひがし)隆行さん(当時72)が京都市山科区の本社前で射殺された事件は19日、発生から10年を迎えた。 京都府警は昨年、北九州市を拠点とする特定危険指定暴力団・工藤会系組幹部の田中幸雄被告(57)を殺人などの疑いで逮捕した。背後に指示役がいるとみて捜査を続けている。 2013年12月19日午前5時45分ごろ、大東さんは1人で乗用車を運転して出勤。本社前の駐車場で車を降りた直後、自動式拳銃で腹や胸を4発撃たれ、死亡した。至近距離から撃たれたとみられる。 目撃者はおらず、犯行の瞬間を捉えた防犯カメラもなく、凶器の拳銃も見つからなかった。 府警は、現場付近で採集されたたばこの吸い殻に注目。付着物のDNA型鑑定をし、田中被告のものと一致した。事件前、現場周辺の防犯カメラに田中被告と似た男が映っていたことも判明した。 現場から約2キロの場所ではオートバイとスクーターが放置され、オートバイに銃を撃った際に残る硝煙反応を確認。2台は事件2カ月前の同じ日に盗まれ、付近の防犯カメラには田中被告が知人から当時借りていたとみられる福岡県の久留米ナンバーの軽乗用車が映っていた。 府警はこうした状況証拠を積み重ね、昨年10月、殺人と銃刀法違反容疑で田中被告を逮捕。京都地検が同罪で起訴した。 来年2月7日、田中被告の公判前整理手続きが京都地裁で初めて開かれる。初公判の日程は決まっていない。 殺害された大東さんの長男、剛志(つよし)さんは事件から10年を前に朝日新聞の取材に応じ、「真相解明を信じています」などと語った。(光墨祥吾) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
春と秋が消え「二季」になると 猛暑・豪雪…異常高温化の未来には
有料記事 聞き手・中島鉄郎2023年12月19日 6時00分 20度を超える暖かい日があっても、12月は12月。カレンダーは変わりませんが、季節感が狂っていないでしょうか。そして翌日には寒波が襲来し、豪雪におびえます。 日本の四季は今後、「二季」になる可能性があると警告する、三重大学気象・気候ダイナミクス研究室の立花義裕教授に話を聞きました。 ――12月になっても九州や関東で夏日(25度以上)が観測されるなど、例年にない高温が続いています。 「2023年は過去に例がないほど暑い年だったと言えるでしょう。気象庁によれば春、夏、秋と3季連続で、平均気温が統計開始以降の最高記録を更新し続けました」 「よく異常気象と言われますが、今年だけ例外的に高いわけではありません。夏の猛暑を例にとっても、10年以降、冷夏になった年はほぼないのです。それ以前は、猛暑も冷夏もその年の気象条件次第で起こっていました。だから私は、異常ではなく『ニューノーマル』と考えたほうがいいと思っています」 気がつけば春は消えている ――夏日がいつからか調べたら、今年はすでに3月24日に東京都心で、3月としては10年ぶりの夏日を観測したというニュースがありました。 「暑さが春の早い時期から始… この記事は有料記事です。残り2018文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
マフィン業者の行政処分は「見送り」 納豆臭して体調不良相次いでも
都内のイベント会場で11月、販売されたマフィンを食べた複数の客が腹痛や嘔吐(おうと)の症状を訴えた問題で、製造・販売した菓子店を所管する東京都の目黒区保健所が、店に対する行政処分を見送ったことが18日、わかった。 区保健所によると、マフィンから食中毒の原因となる細菌が検出されず、体調不良がマフィンによるものと断定できなかったという。識者は再発防止の観点から警鐘を鳴らす。 区保健所によると、マフィンを売った菓子店は11月11、12日に東京ビッグサイト(江東区)であったイベントで9種類のマフィン計約3千個を販売した。 SNS上などでは腹痛や嘔吐などを訴える複数の投稿があり、同様の連絡が区保健所に寄せられた。区保健所は同15日に店への立ち入り検査を実施。体調不良を訴えた7人の便やマフィン15個の成分を分析したが、食中毒の原因となる細菌は検出されなかったという。 食品衛生法では、病原微生物により汚染された食品を販売するなどした場合、保健所は営業停止処分を出すことができると定める。今回は細菌が検出されず、処分の根拠は得られなかった。 「腐敗」根拠の処分は45年適用なし 区保健所の店への聞き取り調… この記事は有料記事です。残り524文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
行方不明だった「夢二のモナリザ」、岡山の美術館が購入 全国巡回へ
大野宏2023年12月18日 19時15分 大正ロマンを代表する画家で詩人の竹久夢二(1884~1934)の油彩画「アマリリス」を岡山市中区の「夢二郷土美術館」が購入し、18日、報道向けに公開した。長らく所在がわからなかった作品で、来年6月から、東京など全国5カ所で巡回展を開く。 着物姿で座る女性とアマリリスの鉢植えが描かれた「アマリリス」は縦約60センチ、横約41センチ。女性のポーズから同館は、レオナルド・ダビンチの作品になぞらえて「夢二のモナリザ」と呼ぶ。 憂いを含む瞳や手を大きく描く「夢二式美人」の特徴の一方、花と女性を同列に描くという他の美人画にない点もある。女性は職業モデルで、後に恋人になったお葉とみられる。 1919(大正8)年に福島市であった展覧会に出された後、夢二が18~21年に滞在した東京都文京区本郷の「菊富士ホテル」に寄贈。坂口安吾や谷崎潤一郎らも滞在したこのホテルの応接間に飾られていた。 44(昭和19)年に閉館して所在不明だったが、昨年に東京の画廊にあることが判明したという。 夢二の油彩画は約30点しか公開されておらず希少。同館の小嶋ひろみ館長代理は「油彩画ならではの夢二式美人の描き方をしており、中期の代表作と言える」と評した。 夢二の生誕140年にあたる来年以降の巡回展は、6月からの東京都庭園美術館の後、9月からの岡山、翌年1月からの大阪などへと続く。(大野宏) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「上司による不正経理の指示を苦に自殺」 遺族が愛知県を提訴
2023年12月18日 20時05分 愛知県消防学校(同県尾張旭市)の元職員男性(当時27)が上司から不正経理を強いられて心理的負担から自殺したとして、男性の両親が18日、県に約9700万円の損害賠償を求めて名古屋地裁に提訴した。 訴状によると、問題となったのは同校の修繕工事。男性は2014~15年に副校長に繰り返し指示され、内規で定められたルールを守らないまま経理手続きを行った。後任の職員が不正に気づき問題が発覚。15年6月に別の上司から事情聴取された翌日に自殺した。 原告側は、副校長による不当な指示で男性に強い心理的負荷がかかったと主張。副校長を適切に指導しなかったなどとして県側に組織的な安全配慮義務違反があったと訴えている。 県は15年8月、不正を指示したとして副校長を停職3カ月の懲戒処分としている。県は「訴訟の内容が不明であり、コメントは差し控えたい」としている。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
安倍派・二階派の事務所きょう捜索 パーティー券問題で特捜部方針
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園児ら12人搬送、運転手は重傷か こども園送迎バスの事故 東広島
根本快 興野優平 大野晴香2023年12月18日 20時19分 18日午後2時30分ごろ、広島県東広島市鏡山北の市道で、こども園の園児5人を乗せた送迎バスと、軽四貨物自動車や乗用車など4台が衝突する事故があった。園児5人を含む12人が病院に搬送され、消防によると、バスを運転していた男性(77)は重傷とみられる。 東広島署によると、市道を走っていたバスが中央分離帯に衝突して対向車線に入り、対向車4台と衝突。はずみで中央分離帯の樹木にぶつかったという。 署や東広島市消防局によると、園児5人や、車を運転していた会社員の男性や男子大学生ら計12人が病院に搬送された。園児ら10人は軽傷の見込み。1人は、けががないという。 現場は片側2車線の見通しがよい道路で、中央分離帯には街路樹が植えてあった。県警が事故原因を調べている。(根本快、興野優平、大野晴香) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
5人死亡のバス事故から半年、現場で安全運転呼びかけ 北海道八雲町
野田一郎2023年12月18日 20時30分 北海道八雲町野田生の国道5号で5人が死亡し、12人が重軽傷を負った事故から半年となった18日、事故現場では八雲署員や地元の安全運転管理者協会などの人たちが発炎筒を並べて、通行車両に安全運転を呼びかけた。 事故が起きた時間の正午ごろ、雪が降りしきる中で、佐々木良幸署長らが歩道に花を手向け、車道に向かって1分間の黙禱(もくとう)を捧げた。林芳由紀・交通課長は「この事故を風化させることなく、関係機関と協力しながら死亡事故抑止を進めていきたい。冬はスリップ事故が多発するので、車間距離を十分にとってほしい」と話した。 事故は6月18日に発生した。乗客15人が乗った都市間高速バスに多数の豚を運搬するトラックが衝突し、バスの乗客3人と双方の運転手が亡くなった。(野田一郎) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
警察学校同期のカード使い50万円引き出し盗んだ疑い 大阪府警巡査
2023年12月18日 22時30分 警察学校で同期だった警察官のキャッシュカードを使い、ATMで現金を引き出して盗んだとして、大阪府警が吹田署地域課の男性巡査(21)を窃盗の疑いで捜査していることがわかった。監察室が18日に明らかにした。巡査は任意の調べに容疑を認めているといい、近く書類送検する方針。 監察室によると、巡査は11月1日午後9時ごろ、堺市堺区の遊技施設で、同期生の財布から銀行のキャッシュカードを取り、施設内にあるATMで現金50万円を引き出して盗んだ疑いがある。 同期生が11月中旬、口座の残高が減っていることに気づいて発覚。府警が今月初旬、巡査を取り調べた。2人は一緒にATMを利用したことがあり、巡査は同期生の暗証番号を把握していたという。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル